我が国の大学等における研究環境の改善について(中間まとめ)
委員会名  第4常置委員会
報告年月日  平成11年3月31日
議決された会議  第916回運営審議会
整理番号 17期−7 

作成の背景  

第4常置委員会は,わが国の大学等における研究環境のうち早急に改善すべき問題点は施設(スペース)であるとの結論に達し,研究環境ワーキンググループを組織し,問題点の指摘および研究環境改善のための提言を内容とする中間まとめを作成した。
 本年3月,第4常設委員会は,この中間まとめを審議し,第4常設委員会の対外報告として了承した。

現状及び問題点  

1. わが国の大学等のおける研究施設の面積は極度に不足し,研究環境は劣悪化している。多くの実験室は危険なほどの狭隘・過密状態にある。
2. 現有建物の老朽化を改善し,建物の改修,新設が早急に必要。
3. 先進国並の水準に近づけるために,自然科学研究室では,最低,現有面積の2倍程度の建物面積が必要である。
4. 研究環境改善のための投資は,長期的視点に立って継続的に行われなければならない。土地取得の先行投資を計画的に行うべきである。
5. 国立大学などにおける専門別建物基準面積は,研究従事者の増加,設置機器の高度化,情報化対策を考慮して妥当な水準に改定されるべきである。
6. 私立,公立大学に対しても適切な助成が必要である。

改善策・提言等

1. 従来型の公共投資に比べて,多数の研究者および将来の研究開発人材を擁する大学等の建物設備に対する投資は波及効果が大きく,「新社会資本」充実に対する投資として有効である。
2. 科学技術基本法では,「科学技術創造立国を目指し,科学技術の振興を我が国の重要政策課題の一つとして位置付け,関連施策の総合的,計画的,かつ積極的な推進を図る。」とうたわれており,科学技術基本計画では,5年間で17兆円の国費の投入が計画され,老朽化・狭隘化改善に1,200万uを整備する,とされている。そのためには,総額数兆円の投資が必要である。これまでは,この目標を達成するには程遠い額の予算措置しかなされず,基本計画の実施は大幅に遅れている。科学技術の健全な発展には,日本の将来がかかっている。そのための最も重要な基盤である施設の充実を強く訴えたい。

報告書原文 
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1.研究施設の必要面積2.研究施設の狭隘化3.国立大学と私立大学の比較4.施設整備費予算5.米国における施設整備の状況

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