学習と記憶
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(1)新しい記憶の箱
ものを覚えると、
その情報は脳の同じ所にファイルされるの?
「新しい記憶」は海馬に、「古い記憶」は大脳皮質にファイルされるんじゃよ。
 「馬の脳」と呼ばれる「大脳辺縁系(だいのうへんえんけい)」には、「海馬(かいば)」という部分があります。海馬は、タツノオトシゴのような形をしています。
 日常的な出来事や、勉強して覚えた情報は、海馬の中で一度ファイルされて整理整頓され、その後、大脳皮質にためられていくといわれています。
 つまり私たちの脳の中で、「新しい記憶」は海馬に、「古い記憶」は大脳皮質にファイルされているのです。

海馬が働かなくなるってこと、あるのかな?
海馬は、とてもデリケートで壊れやすい性質があるんじゃ。
 海馬が働かなくなると、私たちは新しいことが覚えられなくなります。つまり、昔のことは覚えていても、新しいことはすぐに忘れてしまうのです。
 海馬はいわゆる「記憶の司令塔」とでもいえるとても大切な場所ですが、とても壊れやすい性質を持っています。
 例えば酸素不足で脳がダメージを受けるとき、最初に海馬あたりから死んでいくといわれています。
 また、とても強いストレスにさらされたときにも、海馬は壊れてしまう性質があります。「サリン事件」や「阪神大震災」が起こったときに、PTSD(心的外傷後ストレス障害)という言葉を聞いたことがあると思いますが、これは極端な恐怖やストレスで、海馬に異常が現れる病気です。
 海馬は高性能ですが、とても繊細で壊れやすい精密機械のようなものなのです。
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