Scope & Agenda

スコープ

いまや民間部門にとっても公的部門にとっても、イノベーションは大きな注目の的となっています。グローバルに統合された経済において民間部門が持続可能な競争優位性を確保するには、イノベーションはその源として不可欠となっています。公共部門にとって喫緊の課題は、経済発展と持続可能な社会の構築とのバランスをいかに上手くとるかということです。その両方を達成するうえで、科学に基づくイノベーションが重要な役割を果たすことが期待されています。イノベーション・システムを、さまざまな部門や関係者が継続的に相互作用し合う「エコシステム」として設計するために、多様なイニシアティブが国家レベルで行われています。一方、私たちが今日直面する多くの問題は、その規模においても範囲においても全世界に及んでいます。

GIESに関する国際会議では科学に基づくイノベーションに焦点を当て、持続可能な開発のためのグローバル・イノベーション・エコシステムを定義し、国際的協力の枠組みを策定しようと試みます。地域的なイニシアティブの優位性/劣位性や各関係者の役割を確認し、グローバル・イノベーション・エコシステムを実現するための仕組みを明確にすることによって、「持続可能な地球の実現に向けてイノベーションを促進するにはお互いどう協力し合えばよいか」といったテーマに取り組みます。(図1参照)

この会議は、「持続可能な社会のための科学と技術に関する国際会議(日本学術会議主催)」のシリーズ第4回として、また特別シンポジウム「イノベーションの経済社会的条件(内閣府経済社会総合研究所、日本学術会議共催)」のシリーズ第2回としての2つの研究会議の流れを統合しています。

図1

各セッションのアジェンダと目的 (図2参照)

図2

基調講演:地球規模でイノベーションを促進するエコシステム

(9月8日午前)

アジェンダ:
持続可能な開発のためのグローバル・イノベーション・エコシステムとは?

(1) GIESの定義
(2) GIESの主な問題
(3) トレードオフとそのバランスのとり方

目的:

(1) GIESのコンセプトとスコープに対する共通理解を共有する
(2) 今後の議論の土台を築く


セッション1(全体セッション):
ナショナル・イノベーション・システムの比較検討- 多様性か共通課題か

(9月8日午後 )

アジェンダ:

(1) 各国のイノベーションの特徴
(2) 関係者の役割:政府、企業、学界、市民
(3) 各国の経済の発展度合い、規模、文化的背景を含めた遺産による相違
(4) 各国に共通の問題
(5) 国境や地域を越えた協力の枠組み
(6) 経済成長と環境持続可能性とのバランス

目的:

(1) 科学に基づくイノベーションを推進するための国家的取り組みを再検討する
(2) 各国の強みと弱みを明らかにすることで比較・対照を行う
(3) 地域的な協力の可能性と国際的枠組みを探求する

UP

セッション2~4(並行セッション)

(9月9日午前)

第2日の並行セッションでは、「経済/社会/産業」 「教育/人材」 「科学技術」という3つの関心分野ごとに問題や課題を論じます。これらのセッションは図に示すコンセプトに基づいて設定されています。

各セッションのアジェンダ:

(1) 各分野の問題や課題
(2) イノベーションプロセスにおける問題や課題

各セッションの目的:

(1) 地理的側面以外の視点からGIESを捉える
(2) 各分野のさまざまな問題を明らかにする

各セッションのアジェンダ(仮)は以下のとおりです。

[経済/社会/産業 ]

セッション2(並行セッション):
経済社会的価値の創出へ向けたサイエンスの資本化-プレーヤーの役割

(9月9日午前)

アジェンダ:

(1) 科学技術に基づくイノベーションを推進するための政府および一般市民の役割
  • 公共財・知的財産としての科学知識
  • 研究者のインセンティブ
(2) リスク管理とセーフティーネットの創出
  • 投資家や企業家のインセンティブ
  • リスクキャピタルに関わるセーフティーネットと規制改革の計画
  • 市場創出に関する地域的な経験
(3) モニタリングと評価
  • モニタリングと評価の方法
  • 統計データの調和

[教育/人材 ]

セッション3(並行セッション):
人的資産の形成と集積に向けた新たな挑戦

(9月9日午前)

アジェンダ:

(1) イノベーションプロセスにおける有能で多様な人材の確保と配置
(2) 大学と大学院の強化
(3) 企業家精神とイノベーションをめぐる倫理観の育成
(4) 頭脳の流出・流入・循環

[ 科学技術 ]

セッション4(並行セッション):
科学技術に基づくイノベーションの創出

(9月9日午前)

アジェンダ:

(1) 適正で有効な資金調達システムをそなえたモデルと、そのアカウンタビリティとの関係
(2) 基礎科学の役割
(3) 技術の役割
(4) 科学者が応用分野の人々と会う機会を提供する方法
(5) イノベーションの評価指標

最終セッション(総括パネルセッション):持続可能な地球の実現に向けてイノベーションを促進するにはお互いどう協力し合えばよいか?

(9月9日午後)

アジェンダ:

(1) これまでのセッションの問題確認
(2) イノベーションのためのSLモデル相互作用フィールド
(3) 国際協力の枠組み
  • 地域の優位性と劣位性
  • 各国の役割
  • イノベーションの実現に向けて我々はいま何をしなければならないか?

目的:

(1) GIESの主な要素を明らかにする
(2) 国際協力の枠組みをつくる
(3) イノベーション実現のために次なるアクションを明確にする

閉会

(9月9日午後)

議長によるまとめ

記者会見

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