ゆうき&りか 1949   湯川先生
  湯川先生

(湯川先生のご紹介)
    カシャカシャカシャ,ピカッ,・・・・・。

先生,日本人初の快挙ですね!

ご感想は?



ゆうきくん
わーっ,とんでもないところに来た。
先生,記者から逃れて控え室にもどる。
ゆうきが,先生に未来の日本人たちが何人もノーベル賞を受賞し,
世界的に活躍していることを紹介する。
湯川先生
湯川先生
そうか,日本人はそんなにがんばっているんですね。
二人同時受賞はすばらしいし,三年連続というのもすごいな。

ゆうきくん
中間子理論を教えてください。

湯川先生

小柴さんの実験的研究とは異なり,わたしの場合は中間子という素粒子について理論的に予測したんだよ。小柴さんは,もともとは核子と呼ばれるものの中で原子の中にある原子核を構成している陽子の崩壊を観測するためにカミオカンデを作ったのだが,わたしの研究はこの陽子が入っている原子核の中にある中性子と中性子をむすびつける力を発見したのだよ。

たとえば,陽子と電子は電気的にプラスとマイナスがあって引き合うから理解できるが,電気的に中性な中性子同士がどういう力で原子の中に結び付けられているのかわからなかったんだ。それで,中性子同士をむすびつける中間子というものを考えたのだよ。

中性子が飛び出そうとすると,中間子がそれを邪魔するといったらいいかな。正しい表現ではないが,あえてわかりやすく言えば,ヒモようなものと考えればいいよ。中間子という名前のヒモが中性子に巻きついて,中性子同士をお互いに結びつけるということですね。それを理論的に予測したんだよ。

中間子という名前は,わたしがつけたのだが,陽子と電子のちょうど中間の重さだったから,こういう名前にしたんだよ。すこし単純すぎたかな。(笑)


りかちゃん
先生は,小柴先生のように装置をつくったのですか?
湯川先生 それは,ほかの人がやってくれた!(笑)
パウエルというイギリスの物理学者が2年前に調べてくれました。

ゆうきくん
パウエルさんって,たしか,1950年にノーベル賞を受賞したひとだよね。


湯川先生
そうか,来年受賞するんだね。

パウエルさんは,宇宙線の研究者なのだが,宇宙の彼方から高エネルギーにて飛来する宇宙線の中に,わたしの予言した中間子があるに違いないと考えたのだよ。

それで,豆腐のように分厚い写真乾板を作って,高地の天文観測所に1週間放置し,これを現像して
写真乾板の上に残る粒子の飛んだ跡(あと)を調べる手法を編み出したんだ。これは,面白い方法ですね。

パウエルさんは,この写真乾板を世界の高地に持って行って,未知の粒子を集めに行ったんだよ。ユングフラウヨッホ,南米のアンデス山脈,スペインのピレネー山脈などにね,そして,1947年についに中間子の飛跡を発見したんだ。写真に,折れまがったように写っているのが,粒子の飛跡だね。これは難しいから説明はやめておきますが,この発見でわたしはノーベル賞を受賞できたのだよ。

 写真乾板に写った中間子の飛跡

りかちゃん
小柴さんや,デービスさんは,地下奥深くだったのが,パウエルさんは,山頂なんですね。
物理学者というのも大変ですね。

ハッブル宇宙望遠鏡

写真提供:SPACE TELESCOPE SCIENCE INSTITUTE

ゆうきくん
うっとり
宇宙って不思議ことばかりですね。
最近は,
ハッブル宇宙望遠鏡で今まで見ていた写真より,もっと美しい銀河が見られるようになってきました。
宇宙ってきれいで神秘的なものですね。

湯川先生
そう,そのとおりだね。
ところで,物理といえばアインシュタインに会ってきなさい。空間と時間を統合した壮大な理論を作った人ですよ。
髪の毛がボサボサの物理学者と言えば思い出すと思うけれど。

ゆうきくん
はい,教科書に載っていたよね。りかちゃん
さっそく行ってきます。
湯川先生,どうもありがとうございました。
ゆうきくん よーし! タイムマシンに乗る準備をしよう。
りか,時間は1929年のアインシュタイン先生の実験室に設定しよう!

じゃ,出発するよー。
3!2!1!0,しっゅぱーつ!
みなさんも,アインシュタイン先生をクリックして,
一緒に会いに行こう!
アインシュタイン先生を
クリックして,一緒に会いに行こう!
湯川先生



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