(アインシュタイン先生のご紹介) |
リンリ~ン!,リンリーン! ゆうき君!,りかちゃん! よくきたね あっ!! アインシュタイン先生だ! |
あっ!! アインシュタイン先生だ! 先生,はじめまして。よろしくお願いします。ノーベル物理学賞の受賞おめでとうございます。 なぜ,ぼくたちが来るのがわかったのですか?? |
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アインシュタイン 先生 |
タイムマシンというのは,時に逆行するから,ものすごい衝撃波が走るんだ。 たまたま,実験中だったので,わかったというわけだよ。 ちょっと実験室から離れていたので,自転車で迎えにきたんだよ。 |
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ゆうきが,アインシュタイン先生に,小柴先生の研究成果とノーベル賞を受賞されたことを報告する。 | ||||
まず,1921年のノーベル賞の受賞のきっかけとなった「光電効果の法則に関する発見」について教えてください。 | ||||
これは内容的に難しいのだけれど,簡単にいえば,光が金属に当たると電子が内部から高速で飛び出すという現象のことだね。 これは,小柴サンがカミオカンデで使っているチェレンコフ光の検出器である光電子倍増管のおおもとの原理にもなっているということもできる。 わたしの発見がなかったら,小柴サンのカミオカンデも実現できなかったということだね。 |
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大興奮 |
物理の研究や発見って,時を超えて,国を越えて,いろいろな人が繋がっていくんですねー。 |
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つぎに,相対性理論を教えてください。 それに,どうしたら,こんなすごい理論を作ることができたのですか? |
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いやぁ,別に,若いころからの疑問を解決しただけなのだよ。 | ||||
えー,たったそれだけのことなんですか? そんなことないとおもうけどなあ... |
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ひとつの疑問は,光の速度においついたら,どういうことになるのか,という疑問だった。 もうひとつの疑問は,エレベーターに乗ったときに,外で何が起こっているのか,わからないよね。 上昇しているかもしれないし,落ちているかも知れない。 発展して,ジェットを使って上昇しているかも知れないし,もしかしたら,宇宙空間をさまよっているかも知れない。(そんなエレベーターはないけどね) ようするに,エレベーターの中にいて,どうしたら,ちゃんとビルの中を上下しているかわかるのか,という疑問だよ。 この疑問を解決した結果,相対性理論というものができたのだよ。でも,理論的な話だったので,皆が理解できない。それで,この相対性理論を用いれば時間と空間がゆがむはずだという予言をしたんだ。 |
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? |
??? | |||
すこしむずかしすぎるようだね。 大人でもよく理解できないから,こういうことがあるということを覚えておけばいいですよ。 われわれが住んでいる世界というのは四次元の世界なんだけれど,直感的に理解できるのは三次元までなんだ。 だから,理解が大変なんだよ。 相対性理論は,われわれの空間が四次元であることを示した。次元がひとつ増えると,びっくりするようなことがいっぱいでてくる。 たとえば,二次元の世界の人から見ると三次元の人の世界は空間がゆがんでいるように見えるんだ。 同じように、三次元の世界から四次元空間を見るとやはりゆがんでいるように見えるんだよ。 |
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? |
?????? | |||
空間がゆがんでいるから,光が曲がるという予言をしたんだ。そして,空間がまがるのは重力が原因になるので,太陽のような大きな質量の星のそばでは空間は大きくゆがむだろうと考えた。 これまでは,太陽の裏側にある星は見ることができないと考えられてきたのだが,空間がゆがむから,裏側の星も見えるはずだと予言したんだ。 そうしたら,イギリス日食観測研究グループが皆既日食時の太陽の裏側にある星を観測した結果,本当に見えることがわかった。皆既日食のときは,太陽が暗くなるから,裏側の星が観測できるんだよ。 それからは大騒ぎだよ。 右の図で赤いのは太陽,青いのは地球だ。本来はaの位置にある星が太陽の質量の影響で光が曲がるために,bの位置に見えたということだね。 |
太陽の裏側にある星が見えた |
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この話はすこしはわかるような気がします。 小柴先生の場合とはすこし違うけれど,見えないものを見るということですね。 見えないものを理論的に見たということですね。 空間がゆがむとか,わたしたちがすんでいる世界というのは不思議な世界なんですね。 |
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なんか,とっても難しい話になったけれど,ぼくらが見ている世界というのは実はそう見えているだけで,本当の世界の姿ではないということがよくわかりました。 見えないものをみるということは,遠くのものを見るだけではなく,時間と空間のゆがみとか,そういう目に見えないものもすべて含むのですね。 常識とか,そういうことには惑わされたらダメなのですね。 |
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新しい発見することは,本当に楽しいし,喜びでもあるよ。 物理の世界は楽しいよ。 どうだい,物理学者になりたくないかい? では,気をつけて帰りないさいね。 |
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はーい,先生どうもありがとうございました。 | ||||
ただいま。 | ||||
おかえりなさい。無事でなによりだったね。 あのタイムマシンは,まだ試運転中だったので,すこし心配しておった。 |
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えーーー? ひどい。 | ||||
でも,面白い体験ができたじゃろ。どうじゃったかな。 | ||||
そうですね。びっくりするような話ばかりの連続でした。 でも,案外難しいことばかりではないようにも思いました。 カミオカンデの水をきれいにする,というのはわたしにも将来できそうだわ。 それに,アインシュタイン先生のエレベーターの話とか,光の速度の話とかは,わたしも考えたことがあります。 何が違うのかな。ずっと,疑問をもちつづけること,答えを考え続けることなのかな? わからないと投げ出さないで。 |
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そのとおりじゃ。 ずっと疑問を持ち続けて,その答えをみつけようとする努力の積み重ねが大切なんじゃ。 |
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ぼくは,山奥や地下や山頂とか,先生方の話を聞いているうちに,だんだん冒険心が出てきました。 物理って自分には関係ないように思っていたのですが,空間がまがっているとか,見えないものが見えるとか,大きな装置を使って観測するとか,スケールがでっかいですよね。 何の役に立つかよくわからないけれど,わからないことがわかるということはすばらしいことだと思う。 博士がいったように,宇宙のはじまりや終わりについて,まだまだわからないことはいっぱいあるようだけれど,だんだん新しいことがわかってくれば,宇宙旅行なんかも実現するようになるんだと思いました。 将来宇宙の果てに行って,宇宙人に会える日も来るかもしれないですね。 |
[作成:2003年2月現在内容]
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