医用生体工学研究機構(仮称)の設立について | |||||||||
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医用生体工学は医学と工学の学際領域に位置する学問で、近代医療を支え、また、医学を通じて人類の健康と福祉、QOL(quality
of life)の向上に貢献している。しかし、下記に記載の問題点がある。 また最近、米国では、医用生体工学の研究を推進する横断的な組織であるBECON(Bioengineering Consortium)をさらに発展させた研究所が設立された。わが国の医用生体工学の分野でも、産官学が協力して医療材料・機器の研究開発や評価を効率よく実施する体制を作り世界でイニシアチブを取る必要に迫られている。 |
わが国の医用生体工学の研究レベルは高いが、
1. | 医療機器などの萌芽的研究を産業まで育成してゆく体制が不十分であり、基本特許が外国に押さえられてしまう。 |
2. | 心臓ペースメーカやMRI(Magnetic Resonance Imaging:磁気共鳴撮影法)などのように、極めて重要なのに国産化されていなかったり、外国に著しく遅れている重要な医療機器がある。 |
3. | 人口の老齢化と少子化、医療経済の破綻、疾病構造の変化など困難な問題が起こることが予想され、この解決に医用生体工学の貢献が期待されている。 |
4. | ポストゲノムの緊急課題として、生体機能を統合的に解明するフィジオームプロジェクトがあり、これは医用生体工学の重点研究分野である。 |
5. | アジアにおける医用生体工学の教育と研究を推進しなければならない。これらはいずれも近未来の医療の根幹に関わる医用生体工学の課題である。 |
全国の拠点大学や研究室あるいは地方自治体にある研究施設のネットワークを構成し、全体として効率的にこの緊急かつ重要な課題を解決する体制をつくることが必要である。この体制の中核となる医用生体工学研究機構(仮称)の設立を要望する。 |
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医用生体工学研究機構,医用生体工学,QOL,BECON,MRI,疾病構造,ポストゲノム, フィジオームプロジェクト,細胞組織工学による再生医学,バイオメカニクス,生体材料, ポストゲノム 関連研究機関・団体・学協会 日本エム・イー学会、電子情報通信学会、電気学会、日本機械学会、計測自動制御学会、応用物理学会、 情報処理学会、テレビジョン学会、日本生理学会、日本内科学会、日本外科学会、日本医学放射線学会、 日本核医学会、日本放射線腫瘍学会、日本超音波医学会、日本循環器学会、日本脳波・放電図学会 |
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