21世紀における地盤環境工学
  −新たなDisciplineの創造に向けて−
委員会名  社会環境工学研究連絡委員会
  地盤環境工学専門委員会
報告年月日  平成12年4月24日
議決された会議  第934回運営審議会
整理番号 17期−45

作成の背景  

 環境、防災、廃棄物処理などの社会問題が顕在化する中で、環境の構成要素としての地盤の重要性が強く認識されるようになってきた。地盤環境工学専門委員会は、日本学術会議第17期活動の基本的方向、「多数の領域を擁する学術全体を俯瞰的に見る視点の重視」の立場から、「地盤」に関わる総合的な工学領域として、新しい「地盤環境工学」の構築に向けて議論を進めてきた。
 本報告はその結果を取りまとめたものである。

現状及び問題点 

 地盤は、本来、様々な機能(保水機能、通気機能、浄化機能、養分の貯蔵機能、等)と、役割(多様な生物の生存の場、地下水の涵養の場、食糧等の生産の場、廃棄物の受け入れの場、等)を有するものであり、次世代に引き継がなければならない人類の貴重な財産である。
 しかし、この様な認識は最近のものであり、地盤の機能と役割を体系的に理解する学問体系の確立と、地盤環境を保全、再生する技術の確立は急務である。

改善策・提言等

1.新たな工学領域の体系化の提言
@ “地盤環境工学”の創設
 従来の力学を基盤とした地盤工学に、土壌科学、微生物学、化学、化学工学、生態環境工学、毒物学、等を援用統合すると共に、社会科学、人文科学とも広く連携するもの。
2.創設される地盤環境工学の果たすべき役割の例示、提言
@ 環境評価のための適切な環境要素の選定、環境変化のメカニズムの把握、信頼性の高い調査・判定技術の開発の必要性
A 地盤環境工学に携わる人材の育成(市民への啓発、高等教育、社会人教育)
B 地盤環境工学に携わる科学者・技術者の社会的役割の提言国の施策、法制への積極的提言、草の根のボランティア活動
C 産官学を横断する俯瞰的研究プロジェクト展開の必要性
D インフラストラクチャー整備計画の環境の観点でのアカウンタビリティー
E 学協会の主導による技術指針の確立
F マスメディアとの連携
G その他

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地盤環境工学,環境,廃棄物処理,インフラストラクチャー,研究,教育,人材育成,評価・検証技術確立,
環境基準,地盤・地下水の汚染

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