金融ビッグバンの根底にあるもの | ![]() |
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本報告は日本学術会議第3 部所属の経済制度研連の報告書である。 現在わが国が直面している重要問題の一つである日本型ビッグバンについて各分野の専門家の議論を通じて得た結果をまとめたものである。題して「金融ビッグバンの根底にあるもの」としたのは、ここでの討議がいわゆる政策論ではなく、むしろ根底的なことを考えることが金融ビッグバンを理解する良い方策と考えたからである。 |
バブル経済の崩壊により複合不況がもたらされたと言われている。この根底に金融機関や企業のみならず政府の倫理観の低下があったことは否定できないであろう。その上重要なことは、製造業を中心とした資本主義から金融業を中心とした資本主義への変容が、すでに欧米で生じていたにもかかわらず、それについての認識が甘かったのであろう。従来の遣り方をなかなか変えられなかったという問題がある。 |
金融ビッグバンは、日本の金融システムを改革し、バブル崩壊後空洞化した東京市場を、一級の国際市場に改変しようとする試みであり、徹底した自由化を前提とする。しかもその自由化は価格についての自由化のみならず、業務の自由化も包含されているのである。 従来わが国で成功してきた資本主義は「もの・サービス」の生産に関係する製造業中心の資本主義であり、その経済成長がうまく言ったことがかえって「かね」の貸借に関連する資本主義への変容を妨げていると考えられる。金融ビッグバンにより官僚支配と集団主義の「護送船団方式」が解体され、我が国は自己責任原則を基本とする真の自由経済社会の形成に向かって大きな一歩を踏み出すことになったと言えよう。 |
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金融ビッグバン,リスク,バブル経済,複合不況,不良債権, 国際競争力, 世界恐慌, 情報革命,意識変革,生産金融資産形成金融, 護送船団方式, 自己責任原則, 自由経済社会,金融再生,ジャパン・プレミアム 関連研究機関・団体・学協会 日本証券経済研究所、日本銀行、東京証券取引所、郵政研究所 |
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