21世紀に向けた無機材料の研究開発について
   −セラミッックスの現状と研究開発の推進−
委員会名  物質創製工学研究連絡委員会
 無機材料専門委員会
報告年月日  平成11年5月31日
議決された会議  第921回運営審議会
整理番号 17期−10 

作成の背景 

 本専門委員会では、第16期材料工学研究連絡委員会無機材料工学専門委員会で行われたセラミックスの科学技術の現状と研究開発の推進に関する調査研究をふまえ、21世紀に向けて行うべき方策を探る立場から批判・検討を求めるべく、委員会対外報告として取りまとめた。

現状及び問題点 

 わが国のセラミックスの科学技術は、戦後の産業構造の変化に対応して、大きく変貌し、産官学の国をあげての取り組みにより、学術的にも産業的にも世界の最先端のレベルまでに進歩した。しかし、最近我が国を取り巻く社会情勢は大きく変化し、従来の産業振興のための材料研究から、地球環境、福祉、国際性などを考慮に入れた材料研究への変換が必要になってきている。
 材料の一つの柱であるセラミックスの科学技術を今後に向けて発展させるには、これまでのセラミックスの科学技術をもう一度見直し、21世紀へ向けて研究開発の方向を探っておくことが望まれる。

改善策・提言等

 無機材料の科学技術の研究分野として、セラミックスの基礎科学、新エネルギー対応材料、電子・情報分野の材料、生体関連材料、環境の保全と改善についての5分野について今後注力してゆく重要性を述べた。さらに、今後望まれる研究開発と人材育成のために施策として、無機材料に関する理解のすそ野の拡大、高等教育の充実、セラミックス博物館設立の提案、留学生支援などの具体的な政策を提示するとともに、学協会活動への公的支援の重要性を強調した。最後に、これらをまとめて以下の具体的な提言をした。

1.産学官の新しい連携による研究開発体制の確立
2.国際研究交流・共同研究の推進
3.地域の科学技術テーマの発掘
4.研究・技術情報の流動化促進
5.青少年や社会人へのセラミックスの啓発・普及、セラミックス博物館の設立
6.高等教育への基礎的カリキュラムの整備
7.技術資格制度の検討
8.学協会活動への公的支援

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無機材料セラミックス産業を取り巻く環境電子・情報分野の材料生体関連材料
環境保全材料、21世紀、 研究開発、 産官学連携、セラミックスス博物館、 留学生支援
研究交流、 資格制度、 地球環境、人材育成、 国際研究交流、 セラミックス教室、
セラミックス博物館、アジアセラミックス連盟
ファインセラミックス、セメント、廃ガスの浄化用触媒、廃液処理用フィルタ、窯業製品、窯業関連産業、
TLO(Technology Licensing Organization 技術移転機関)

関連研究機関・団体・学協会
科学技術庁無機材質研究所、日本セラミックス協会、国際セラミックス連合(ICF)、通産省物質工学工業技術研究所、
電子技術総合研究所、産業技術融合領域研究所、名古屋工業技術研究所、大阪工業技術研究所、
九州工業技術研究所,ファインセラミックスセンター




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