社会サービスに関する研究・教育の推進について
委員会名  社会福祉・社会保障研究連絡委員会
報告年月日  平成12年5月29日
議決された会議  第935回運営審議会
整理番号 17期−51 

作成の背景  

国内外における最近の社会福祉および社会サービスの動向を検討し,本委員会の活動経過を踏まえて,社会サービスに関する政策的,実践的な課題と研究・教育の課題を検討した結果をまとめたものである。

現状及び問題点  

今日では,福祉サービスの活用を必要とする者は,低所得者にとどまらず,子供から高齢者まで,障害者,慢性疾患患者を含む生活上何らかの障害を有し,自立生活のための支援を要するすべての人々である。
したがって,社会福祉の目標は,従来の低所得者層に対する救貧的なサービス提供に加え,広くすべての人が,各ライフ・ステージごとのニーズに応じて普遍的に利用できるサービスへと転換しつつある。
それに伴い,国民に生活を保障する考え方として,社会福祉・社会保障の概念をより広げてとらえ「社会サービス」という概念わ用いて生活全般を統合的に保障する方向にある。
しかしながら,我が国では,社会サービスに関する研究・教育はまだ未整備の状態である。

改善策・提言等

1. 社会サービス研究は,学際的な方法を用いて,政策課題と実践課題を「俯瞰的な視点」から研究する必要のある分野のひとつである。
2. 社会サービスの発展に伴う「正の効果」の発揮に加え,俯瞰方研究の目的のひとつである「負の効果の発生,その可能性の早期発見,抑止・防止方法の開発」への対応が求められる。
3. マクロ・メゾ・ミクロの3レベルの総合的な研究が必要である。
4. 社会サービスに関する以下の諸課題を踏まえた研究・教育の推進が強く要請される。@社会サービスのハード面とソフト面の総合化,A保険・医療・福祉サービスの総合化-ケアマネジメントの確立,B生活環境のバリアフリー化とコミュニティー形成,Cコミュニティー・ソーシャルワークのシステムづくりと人材養成,D保健・医療・福祉専門職の倫理と専門性の確立・向上。

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1.「社会サービス」の概念2.社会サービス研究と俯瞰型研究3.社会サービス研究と負の効果の抑止・防止4.社会サービス研究とマクロ・メゾ・ミクロ5.社会サービスの課題群

関連研究機関・学協会

社会福祉関係諸学会,保健・医療関係諸学会


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