このホームページは書籍・文献等を参考に作成したものです。ワトソン先生ご本人に直接インタビューしたものではありません。


おもしろ博士
今回の課題もまた難しいな。
生命の秘密たる遺伝子というものの構造が発見されてまだ50年しかたっておらん。
しかし、科学は急速に進歩して今では、遺伝子組み換えは誰にでもできるぐらい簡単なものになってきておる。
よく顕微鏡下で、細胞の中に核を移植するような映像があるが、あれはとても難しいものじゃ。
遺伝子組み換えは、ああいうのとは違う。多くのノーベル賞受賞者の努力によって、学問と技術が進歩して、遺伝子組み換えは、実はものすごく簡単になってきているのじゃ。
ある高校では、高校生諸君が授業で遺伝子組み換えを実験を行っておる。
ゆうきくん
えぇー!?
ぼくたちでもできるんですか?
でも、遺伝子組み換えって、何億年もかけてつくられてきた生命の神秘や尊厳を損なうもので、よくないという話を聞きましたが。
おもしろ博士
そうじゃな。科学という観点からはすべてが許されるわけではない。
クローン人間が禁止されているのと同じじゃ。
しかし、食物となるとちと話が違ってくる。つまりじゃ、食物というのは品種改良の歴史のようなものじゃ。
人間の口に入る食物は、天然の魚を除いては、ほとんどすべて品種改良されたものじゃ。
品種改良とは、いいものを残すということじゃ。
人間で言えば、優れたものだけが生きる資格があるということじゃ。
りかちゃん
えーーっ?その資格ってどんなものなんですか。
おもしろ博士
成績はすべての試験が満点。運動能力はオリンピック選手なみで、・・・・
というような完璧さが要求されるのじゃ。
ゆうきくん
絶望的だ!ぼくは生きる資格がない!
おもしろ博士
あはは。人間の場合はそういうことはないから、安心しなさい。
しかし、食用の動物や植物は、品種改良を通じて選ばれているんじゃよ。
しかし、品種改良というのは大変じゃ、だから、遺伝子組み換え食物というのを作るんじゃよ。
ゆうきくん
別に品種改良でいいのではないですか?
おもしろ博士
それがじゃ、21世紀は頭の痛い人口問題があるんじゃ。

右の図をみてごらん。急激な勢いで人口が増加しておる。
その人口をまかなえる食料が足りないんじゃ。
世界を見渡してみてごらん。今でも飢餓で苦しむ多くの人々がおるんじゃよ。
食料を多く作るのに、
農薬を使うという手もある。農薬はよく効くからのう。

しかし、農薬は農の薬とはいうものの、使いすぎれば農の毒にもなるんじゃ。
過ぎたるは及ばざるが如し、じゃ。

例えば、何十年か前までに使われていたDDTについては、環境中や生物の体内に長く残ることが問題となって、今では、禁止されておる。

グラフ:世界人口の推移と予測

世界人口の推移と予測
(国連WPP1992)
りかちゃん
なんか、怖い!わたしたちはそんなものを食べていたのね?
おもしろ博士
いや、現在は、そのような問題があった古い農薬は、すべて禁止されておるし、国が農薬登録をする時にチェックをして、農薬を使う人にも、食物を食べる人にも、害がないようにして使っておるから、食物を食べても安全ということじゃな。

でも、これから地球温暖化が深刻化し、さらに人口が増加したら農薬の使用ぐらいでは間に合わんのじゃ。それで、病気や害虫に強く、冷害などの寒さに強く、また、水分がすくないような過酷な環境でも生育できるような遺伝子を導入された植物を作ろうという言うわけじゃ。特に、生命にとって水は不可欠であり、21世紀は水の世紀ともいわれている。植物にとっても、水不足、あるいは、豪雨に伴う水害抵抗性は大きな課題なんだよ。

ところで、害虫に強い遺伝子とは、害虫にとって毒となる物質を合成するような遺伝子じゃ。また、例えば、寒さに強い遺伝子は、北極や南極に生息する魚の遺伝子だったりする。もちろん、乾燥した土壌でも生育できる植物から分離した遺伝子が使われることもある。

ゆうきくん
えーーっ? 植物なのに、動物の遺伝子を使うの?
おもしろ博士
そのとおりじゃ、遺伝子というのは、動物と植物で大きく違うわけではなく、共通な部分がかなりあるんじゃな。
りかちゃん
よくわからないわね。見かけだけではわからないということだわね、きっと。
生命というのは、理解するのが難しいわ。
おもしろ博士
すこしむずかしすぎたかの。
いずれにしても遺伝子というは、設計図のようなものじゃから、これを書き換えるとどんな植物でも手に入るという訳じゃ。

さらに、遺伝子組み換えした遺伝子は、食物として食べても身体にはなんの影響もでない。
つまりじゃ、胃のなかの強烈な胃酸によって分解されるのじゃな。なにより、刺身なんかには生きたままの細胞があって、この中には遺伝子がはいっとる。しかし、大丈夫なんじゃ。

しかし、最近、プルジナー先生のところで説明したような狂牛病の問題がでてきたので、食品の安全性を評価することがそう簡単ではなくなったのだよ。
狂牛病の場合、胃酸でも分解されないタンパク質があって、これが脳みそに悪さをして、脳みそをスポンジ状にしてしまうわけじゃ。また、食品の中にアレルギー成分(タンパク質)が含まれることも知っているだろう。これらのタンパク質も消化液で分解されにくいことが知られているんだ。

したがって、さまざまな視点からの評価試験を行って万全になって初めて市場に出すというようなことになっている。

ゆうきくん
なんか大変そうですね。それでもやる価値はあるんですか。
おもしろ博士
あるんじゃなこれが。
そのぐらい世界の食料事情はひっぱくしておるということじゃ。

例えば、日本は世界でも最大の食糧の輸入国なんじゃが知っておったかな。
自給率は、先進国の中では最低じゃな。
自給率は、なんとたった40%じゃ!
                         おもしろ博士

日本人の胃袋を満足させるだけの食料は世界のどこかで
作ってもらわんといかんのじゃ。

ゆうきくん
え!将来が不安だなあ
りかちゃん
いろいろ問題がありますが、ノーベル賞というのがどのように貢献しているのですか?
それを早く知りたいです。
おもしろ博士
じゃ。まずは、ワトソン博士のところに行ってきたまえ。



ゆうきくん よーし! りか,
タイムマシンでワトソン先生に会いに行くよ!

ワトソン先生は今、未来工場にいらしゃるんだ!
じゃ,出発するよ。
3!2!1!0,しっゅぱーつ!
みなさんも,ワトソン先生をクリックして,
一緒に会いに行こう!
ワトソン先生をクリックして
一緒に会いに行こう!

ゆうきくんとりかちゃん



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