ホルモン
 人間の身体の中の恒常性(ホメオスタシス)を維持するための物質がホルモンです。ホルモンを分泌する部位があって、下垂体、松果体、甲状腺、上皮小体、膵島、副腎などがありますが、それ以外の臓器もホルモンを分泌しています。ホルモンは、一般には脂溶性のものを指し、細胞中の核に容易に入り込むことができる。そして、DNAにある遺伝子の発現に影響を及ぼす。例えば、細胞は増殖のシグナルを受けたと勘違いし、暴走し、ガン化するなどのことが起こる。

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恒常性
 一定の状態。恒常性を維持するとは、一定の状態を保つということ。ヒトで言えば、健康な状態を保つということ。しかし、恒常性を維持するといっても、単純に一定の状態に保つのではなく、ダイナミックに活動が行われている。例えば、食事をしたあとは、インシュリンが血液中の糖分の濃度を調整するホルモンとして分泌される。また、余分な糖質や脂質は、細胞に蓄積される。もし、インシュリンがなければ、血中の糖の濃度が高くなり、血管を構成するタンパク質が血中の糖と結合して脆くなり、破裂しやすくなったりする。このように、身体が病気にならないように、調整する役割を果たすのがホルモンである。さらに、このホルモンの分泌を総合的に調整しているのが中枢神経である。

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内分泌かく乱物質
 内分泌に似た環境ホルモンが体外より生体内に入ったときに、その構造が特に性ホルモン(男性ホルモンや女性ホルモン)に似ているために、性の決定や、生殖や不妊などに大きな影響を及ぼすと言われている。

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ダイオキシン
 dioxin
 最も毒性の強い化合物の一つ。経口摂取,経皮吸収,腹腔内投与で致死的な毒性を示す。急性および悪急性の曝露により、肝壊死,胸腺萎縮,出血,リンパ水減少,クロール痙瘡が起る。動物実験では、発ガン性,催奇形性,催腫瘍性を示す。目を刺激する。

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PCB
polychlorinated biphenyl :ポリ塩化ビフェニル
物理特性
  比重;1.44(30℃)
  融点;233~253℃
  沸点;603~648℃
  水に対する溶解度 10~102μg/ml
 特徴
  (1)不燃性で、しかも加熱・冷却しても性質が変わらない
  (2)絶縁性、電気的特性に優れている
  (3)化学的に安定で、酸・アルカリに侵されない
  (4)水に溶けないが有機溶媒によく溶ける
  (5)粘着性に優れている
 など油としては、さまざまなすぐれた特性を有しており、 そのためPCB使用量の7割は、火災の危険の多い場所―例えば、発電所や車両(地下鉄・新幹線他)・船舶・鉱山・地下設備(トンネルや地下室)などの電気設備に使用される「燃えない」絶縁油として重宝されました。その他、各種化学工業や食品工業の加熱・冷却工程の熱媒体として、電線や樹脂などの可塑剤、塗料やノーカーボン紙の溶剤、農薬の効力延長剤など幅広い用途で使用されていました。
 PCBができたおかげで、病院や地下施設、トンネル、船などに使われていた電気設備からの火災件数が少なくなりました。また、当時、新幹線は、PCBがなければ走ることすらできませんでした。まさに開発当初は、「夢の化学物質」であったわけです。
 しかし、これが環境ホルモンという、問題の物質のひとつであるといわれるようになりました。


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DDT
 dichlorodiphen-yltrichloroethane
有機塩素系殺虫剤の一つ。強力な殺虫剤。DDTの開発者であるミューラー博士は、ノーベル賞を受賞している。
DDTは害虫に有効なので、第二次世界大戦中から戦後にかけて大量に用いられたが日本では毒性があることから、1971年以降は、使用禁止となった。

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化学構造
 化学的に物質の構造を表現した場合のその構造のこと。

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サリドマイド
 thalidomide
 睡眠薬で、これを飲んだ妊婦からは奇形児が生まれた。

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睡眠薬
 不眠などの症状を治療するために飲む薬。

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化合物
 複数の分子からつくられる化学的に合成された物質のこと。

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服用
 薬などを飲むこと。

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ガン
 組織とは関係ない細胞が周囲の組織を破壊しながら、異常に増殖する病気。ガン細胞は、無限の寿命と増殖能力を獲得する。あたかも別の生命が体内に生まれでたように見えるので、悪性新生物、という言い方もされる。ガンは、悪性腫瘍、とも言われる。ガンは、未分化であるほどその悪性度が高い。

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オゾン層
 「地球はいったいどうなるの?」を参照のこと。

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フロン
 クロロフルオロカーボンのこと。「地球はいったいどうなるの?」を参照のこと。

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クロイツフェルト・ヤコブ病
 異常プリオンが原因でなる病気。ヒトの場合は、この病名になる。「病気はどこまで治せるの?」を参照のこと。

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狂牛病
 体内たんぱく質プリオンが異常系に変わり、脳がスポンジ状になって、起立不能になり、死に至る病気。潜伏期間は2~8年と言われている。決定的な治療法は未だ解明されていないので、燃焼するしかない。牛肉や牛乳を飲食することは、問題ないとされているが、脊髄の処理によっては、肉などに異常型プリオンが付着する可能性もある。
「病気はどこまで治せるの?」を参照のこと。

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スクレイピー
 羊における異常プリオンが原因でなる病気。「病気はどこまで治せるの?」には特に触れられていないが、ヒトにおけるクロイツフェルト・ヤコブ病、狂牛病と同種の病気である。

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P. H. ミュラー 1899~1965
Muller, Paul. HERMANN 
1948年 ノーベル生理学・医学賞受賞
受賞テーマ:「多数の節足動物に対するDDTの接触毒としての強力な作用の発見」により、受賞
経歴:
・1899年  スイス・オルテン生まれ
・1925年  バーゼル大学で博士号を取得
      J. R. ガイギー社染料研究所研究員(のち同社副社長)

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野依 良治(のより りょうじ) 1938~ 写真2:野依 良治
Ryoji, NOYORI
2001年 ノーベル化学賞受賞
受賞テーマ:「キラル触媒による不斉合成反応の研究」により受賞
経歴:
・1938年  日本・神戸生まれ
・1967年  京都大学工学博士
・1972年  名古屋大学理学部教授
・1996年  名古屋大学大学院理学研究科教授
・1997年  有機合成化学協会会長
・1998年  文化功労者顕彰
・2000年  文化勲章受章
・2002年  日本化学会会長

名古屋大学ホームページより転載 http://www.nagoya-u.ac.jp/

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A. アインシュタイン 1879~1955 写真3:A. アインシュタイン
Albert, EINSTEIN
1921年 ノーベル物理学賞受賞
受賞テーマ:「理論物理学の諸研究,特に光電効果の法則の発見」により,受賞
経歴:
・1879年 ドイツ・ウィッテンベルク州ウルム生まれ
・1900年 チューリヒ工科大学卒業
・1908年 ベルン大学講師
・1909年 チューリヒ大学理論物理学員外教授
・1911-1912年 プラハ大学理論物理学教授
・1912年 チューリヒ工科大学員外教授
・1914-1933年 ベルリン大学教授およびカイザー・ヴィルヘルム研究所物理学研究所所長
・1933-1945年 プリンストン高等研究所名誉教授

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S. B. プルジナー 1942~ 写真4:S. B. プルジナー
Stanley, B. PRUSINER
1997年 ノーベル生理学・医学賞受賞
受賞テーマ:「プリオン(狂牛病の原因物質)の発見」により,受賞
経歴:
・1942年 5月28日,アメリカ合衆国・アイオワ州デモイン生まれ
・1968年ペンシルバニア大学医学部卒業(M.D.)
・カリフォルニア大学サンフランシスコ校に在籍
・ 1974年同校医学部神経学助教授、続いて1981年同準教授
・1984年から同教授および同校公衆衛生学部ウィルス学教授に就任,現在に至る
・1988年から同医学部生化学教授を併任
 以上のデータは1996年12月現在のものである

慶應義塾医学振興基金 ホームページ参照 http://www.ms-fund.keio.ac.jp/

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