エネルギーおよび持続的な社会について | |||||||||
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「持続可能な開発(Sustainable Development)」の概念は、環境と開発に関する世界委員会から1987年に提出された「我々の共通の未来(Our
Common Future)」と題され、「ブルントランド委員会報告書(Brundtland Report)」として知られている報告書において定義された。この報告書では、緊急ではあるが相互に矛盾をはらんだ二つの目標を追求することの難しさが指摘されている。 つまり、世界の環境(すでに極めて重大な段階に到達している)の悪化を予防すること、及び、国民生活の質を改善するためにも開発途上国の経済開発を早急に追求することの二つである。 「持続可能な開発」は、当面、明快な解決策を何ら見出し得ない問題として位置付けることができる。 |
数十年にわたって、「経済成長」や「社会開発」並びに「環境維持」を同時に達成する方法を見出そうとして、政府間の討議や交渉が行われてきた。科学コミュニティーは、地球規模の環境を観察し分析する上で目覚ましい努力を払い、環境的にも健全な技術を開発することを通して、特にこのプロセスに貢献してきた。 そのような討議の場では、「エネルギー」は持続可能な開発を達成するための最も中心的な手段になるものとして強調され続けてきた。UNCED(リオ・デ・ジャネイロでの1992年の環境と開発に関する国連会議−地球サミット−)のフォローアップとして、特に「エネルギー及び運輸」の課題に取り組むために、CSD-9(ニューヨークにて2001年に催された持続可能な開発に関する委員会の第9回セッション)が開催された。国連のイニシアチブの下で実施された「世界エネルギー・アセスメント」は、現在入手可能な関連知識や情報の大要を国際社会に提供した。 「エネルギー及び持続可能な開発」は、2002年9月に予定されている「持続可能な開発に関する世界サミット」において、引き続き最優先トピックとして取り上げられることとなっている。 ICSUは、パートナーである他の団体と共に科学・技術コミュニティーを代表して、上述のプロセスに積極的に参画し、エネルギー問題に取り組む上での科学・技術コミュニティーの役割や責任を、並びに、利害関係者全てが関与することの大切さを確信するに至った。 |
本提案は、次のような両提案者の確信に基づくものである。すなわち、科学は、持続可能なエネルギー戦略を展開するためのひとつの基盤として、統合された科学知識を社会に提供し続けるべきであり、「エネルギー」のテーマを巡る新しい学際的なプログラムを推進することによってこのプロセスを促進することがICSUの役割である。ここに提案したアプローチにより、異分野の研究者らはより密接な協力を促進することにもなるだろう、と期待される。更には、社会における諸々の利害関係者間での相互の会話をも促進するものと期待される。 |
1.ICSU(国際学術連合会議)の経験,
2.開発途上国とエネルギー消費,
3.「エネルギーと文化」に関する研究, 4.「エネルギーと社会経済的ニーズ」に関する研究,5.「技術と社会」に関する研究 関連学協会 環境関連学会、エネルギー関連学会 |
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