「平和学」の研究推進の提言 
 −日本の学術研究者の自省−
委員会名  平和問題研究連絡委員会
報告年月日  平成14年11月26日
議決された会議  第985回運営審議会
整理番号 18期−48

作成の背景

 第18期平和問題研究連絡委員会は、日本学術会議各部会の代表およびその他の委員によって構成される学際的な組織として、日本の「平和学」の研究推進の一環として、わが国の大学における平和学部・平和学研究科開設の必要性を検討してきた。欧米諸国の諸大学にははやくから平和学部・平和学研究科が開設されており、高度な研究と教育が行われているが、わが国の場合には、組織的・体系的な教育によって学士・修士・博士の学位を授与している大学は存在しない。しかし、平和学・平和研究の組織的・専門的教育を受けて世界の「平和」構築・維持のために広範な分野で活躍することを希望している者が少なくはなく、わが国の大学にも平和学部・平和学研究科を開設してそのようなニーズに応えることが急務であり、それは21世紀の地球的問題群に取り組む大学の誠実な対応であると考える。また、それは、日本人のみならず広く世界の多くの人々の平和への意識に対して、よい意味で重要なインセンティブをもつであろう。
 本報告書は、唯一の被爆国であり、かつ「平和憲法」のもとにある日本の学術研究者等の自省として、平和学部・平和学研究科開設の必要性を広く日本の学術研究者等に向けて指摘することを目的としている。 

現状及び問題点  

@ 平和学・平和研究に対する学生の関心は高く、平和学・平和研究の授業科目はどこの大学でも受講生数が多い。
A しかし、これらの講座はすべて2単位(稀に4単位)の単発の授業科目ないしゼミにすぎず、きわめて不十分である。
B わが国の大学には系統的、組織的、集中的に平和学(「平和」構築・維持のためのさまざまな専門的な技術を含む)を修得できる平和学部・平和学研究科がないため、学生は欧米諸国への留学を余儀なくされている。

改善策・提言等

日本の「平和学」の研究推進の一環として、平和学部・平和学研究科開設の必要性を私たちの自省として指摘する。この問題の重要性を私たち自身が真摯に考える契機となることを願っている。

報告書原文  全文PDFファイル(130k)

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1.1988年9月15日 大学学長会議タロアール宣言2.世界の紛争3.日本の平和研究4.国際平和研究学会IPRA
5.日本平和学会

関連学協会
日本平和学会、国際平和研究学会


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