バイオ医薬品及び人の健康に関する標準物質の整備
−次世代のニーズ及び中長期技術開発を目指した方針−
委員会名  標準研究連絡委員会
報告年月日  平成15年7月15日
議決された会議  第996回運営審議会
整理番号 18期−3

作成の背景

 日本学術会議第5部標準研究連絡委員会はわが国における標準研究のあり方について、1997年に「標準の研究体制強化についての提言」、2000年に「標準の研究体制強化についての再提言」をまとめた。第18期日本学術会議において標準研究連絡委員会に標準物質小委員会を設置して、緊急かつ重点的な研究・開発が必要な分野としてバイオ医薬品及び人の健康に関する標準物質を取り上げ、検討結果を提言としてまとめた。

現状及び問題点  

 近年の計量標準の国際相互承認活動の中で、従来の物理標準・化学標準に加えて、バイオ医薬品及び人の健康に関する標準物質の国際的な整合性やトレーサビリティを確保するために、2001年に国際度量衡委員会・物質量諮問委員会にバイオアナリシス作業部会を設置し、2002年には国際度量衡委員会と国際臨床化学連合との間で「医薬品のトレーサビリティに関する合同委員会」を設置して活発な活動をしている。バイオ医薬品及び人の健康に関する標準物質については、SI(国際単位系)へのトレーサビリティ確保が困難なものが多いことから、一次標準物質や二次標準物質から常用標準物質に至るトレーサビリティを確保した供給体制を構築することがまず必要である。特に、わが国が欧米に後れをとっているタンパク質やホルモン類の標準物質、及び遺伝子組み換えなどのバイオテクノロジーを用いた標準物質の研究・開発に、早急に着手する必要がある。

改善策・提言等

 バイオ医薬品及び人の健康に関する標準物質は、従来の工学・理学を中心とした計量標準の範囲から、医学、薬学、農学、環境学などの分野へと急速に拡大しつつある。この分野の標準物質は計量学的な要求事項と応用分野での要求事項との両者を満足させることが必要なことから、今後の研究・開発は計量標準分野と関連応用分野との密接かつ有機的な連携のもとに推進すべきである。

報告書原文  全文PDFファイル(56k)

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1.バイオ医薬品及び人の健康にかかわる計測分野と標準化
2.人の健康や安全に関する産業・研究分野の校正用標準物質

3.日本の標準化の課題(タンパク質、ホルモン類など)
4.日本の標準化の課題(微生物発酵技術、糖鎖工学技術、脂質工学技術、など)
5.主な臨床検査項目と対応標準物質の現状

関連研究機関・学協会
日本化学会、日本薬学会、日本農芸化学会、日本分析化学会、計測自動制御学会、日本応用物理
学会、日本機械学会、日本臨床化学会、日本微量元素学会、日本規格協会、日本適合性認定協会、
日本計量機器連合会、日本計量振興協会、日本鉄鋼連盟、日本分析機器工業会、日本電気計測器工
業会、財団法人電力中央研究所


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