情報資源・マルチメディア社会の将来に向けて
委員会名  基盤情報通信研究連絡委員会
 情報資源・マルチメディア専門委員会
報告年月日  平成12年2月28日
議決された会議  第932回運営審議会
整理番号 17期−27 

作成の背景 

1. 情報資源・マルチメディア技術は急激な進展を遂げ、種々のネット産業を創出した。
2. 特許や著作物などは、産業創出に重要な役割を担っている情報資源である。しかし、情報資源の性質は、資源化の方法、所有件の扱いなど旧来型資源と異なる。この認識の元、旧来型資源の乏しい日本で、「情報資源を活かせる21世紀の社会、産業のあり方」、「その実現に向けてのとり組み方」を検討した。

現状及び問題点

1. ハードウェア技術は今後も10年で3桁程度の成長
2. 情報資源・マルチメディア技術の性質は、資源化の方法、所有権の扱いなど旧来型資源と異なる。
 @個人への過度の情報流入による情報のゴミ化
 A情報資源はコピーが容易など、所有権、活用方法が異なる。
3. 資源量を増やすための「創出の仕掛」、「活用の仕掛」が必要
4. 情報資源運用ルールが重要

改善策・提言等
情報資源の創出を促進する個人財化、活用を促進する公共財化に着目。

1. 情報資源の創出、活用の仕掛の構築
@ 「生産」工程の整備:生産環境整備、生産工程支援、日本人の特性を生かせる/補う情報資源の生産環境、情報の資源化 等
A 「流通」機構の整備:資源価値に応じた課金システム、知的生産物の流通促進システム、情報を資源化する流通システムなど
B 「保管」機構の整備:歴史資源としての保管システム、資源状態を維持するシステム(不正アクセス管理システム) 等
2. 産業構造を規定する「競争ルール」の確立
@ 基本方針:個人・企業のインセンティブを高める競争ルールを基本
A 時代の要請に応じ、発展・競争を促進するため「公共財〜個人財の変更」
 (例)個人財の権利保護、不正コピー、不正アクセスの防止、
    優良な個人財へ適正な対価を決める評価システム構築
3. 社会構造を規定する「情報資源分配ルール」の確立
@ 「公共財」の認定ルール、使用ルール、対価決定ルール
A 「個人財」から「公共財」、「公共財」から「個人財」への変更ルール
 (例)暗号アルゴリズム、位置情報の公共財化、特許共同運用会社による特許群の公共財化

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情報資源マルチメディアゴミ化 インセンティブ日本人の特性競争ルール
情報資源分配ルール旧来型資源3桁程度の成長, ネット産業, 特許, 著作物,
個人財化, 公共財化, 生産, 生産環境整備, 生産工程支援, 情報の資源化,
情報資源化システム, 流通, 課金システム, 知的生産物, 流通促進システム, 保管,
歴史資源, 資源状態, 競争ルール, 認定ルール, 使用ルール, 対価決定ルール, 変更ルール

関連研究機関・学協会
日本工学アカデミー、国立社会保障・人口問題研究所




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