「エネルギー学」の確立を目指して | ![]() |
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21世紀のエネルギーの消費動向は、世界の人口推移、特にアジア諸国をはじめ、発展途上国の急速な人口増加や、生活水準の向上、経済成長などに強く影響される。 この様な国際的エネルギー情勢は、エネルギー資源確保とともに、地球環境問題など人類社会に及ぼす影響は重大と予測され、100年を超える超長期にわたる総合的な究明をしていく必要性がある。 こうした背景から、対外報告「21世紀を展望したエネルギーに係わる研究開発・教育について」(平成11年2月22日)に基づき、「エネルギー学」の確立を目指して議論を深めた。 |
1. | 「エネルギー学」という新しい学術の創出 21世紀のエネルギー利用の予測と、これに伴って惹起される様々な課題の研究は、人類の運命に関わる重大な学術的問題である。その解決のためには「エネルギー学」という新しい学術の創出が必要である。 |
2. | 「エネルギー学」による「人間にとってのエネルギーの価値」の基本概念の構築 「エネルギー学」において、人間にとってのエネルギーの価値を新しく見直し、個別の学術を超えた幅広い視点からの基本概念を構築することが重要である。 |
3. | 「エネルギー学」による複雑なエネルギー問題の解決への学問的根拠の提供 世界のエネルギー問題の構造は、多面的かつ極めて複雑である。「エネルギー学」は、これを解決するため俯瞰的立場から、客観的、中立的で透明性のある学問的根拠を提供することができる。 |
4. | 人文、社会、自然科学の各分野の研究者を結集して「エネルギー学」を育成 「エネルギー学」においては、現象を理解する認識科学と共に、あるべき価値観を創造するという設計科学の視点を重視する必要がある。 日本学術会議は、その基盤形成につとめるものとする。 |
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エネルギー学、エネルギー消費、エネルギー利用、エネルギー問題、エネルギーシステム、 プログラム科学、人工物システム科学 |
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