新たなる研究体制の確立に向けて | |||||||||
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学術研究の創造性を高めるためには,研究を創造,展開および統合モデル研究の三つの段階に分類することがより適切であるという対外報告を行った。このような新しい理念に沿って研究を推進するためには,研究者の意識改革と同時にそれにふさわしい研究体制と研究環境を整備することが重要である。 |
1. | 研究費の充実 研究費総額はこの10年間に4倍強の伸びとなった。これは特に大型プロジェクトの研究の推進に極めて有効である。しかし,@自主研究費はほとんど変化がない,A研究費配分に弾力性がない,B研究計画審査体制の充実と透明化が必要,などの検討課題がある。 |
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2. | 研究環境の整備 研究費を研究の創造性向上に向けて機能されるには,ソフト,ハードの両面での均衡のとれた研究環境の整備が必要である。そのために,@プロジエクト研究と自主的研究の比率の決定,A学術研究の成果の発信の強化策,B大学院教員組織の抜本的充実,などの検討課題がある。 |
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3. | 研究者の育成 学術研究の多くの分野においては,大学院生を含む若手研究者が果たす役割が極めて大きい。そのために,@優秀な人材を確保するための奨学金制度の実施,A価値有る研究分野・課題を選択できる判断力の養成,B広い視野をもたせる教育の充実,C大学院と実社会との交流,D創造的研究を目指す者を視野においた多様な大学入試の実施などの検討課題がある。 |
研究に関する研究の提言 最近の科学技術政策は研究費総額の面では十分に評価できるが,それを実行する研究体制に関しては前述したような多くの課題を残している。 従って,これらの諸課題を早急に検討するために,「研究に関する研究」を実行することが必要である。重点課題は@トップダウン型研究と自主的研究の適性比率,A研究費の性格な算定,B人材確保の抜本策,C国際化を前提とした研究の推進,などである。 |
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1.定額研究費と創造モデル研究, 2.創造モデル研究の尊重, 3.優秀な人材の確保, 4.トップダウン型研究・ボトムアップ型研究・自主的研究の適性比率, 5.三つのモデル研究 |
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