メカトロニクス教育・研究に関する提言 | |||||||||
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産業界においてキーテクノロジーとなっているメカトロニクス科学技術が,学術の世界においても重要課題となっていることを調査研究し,教育側と産業側からの調査研究をもとに,報告書をまとめた。 |
20世紀の最後の四半世紀において,日本の主要産業がメカトロニクス技術指向のもとに発展し,その独創性と先端性において世界をリードしてきた。このようなメカトロニクス科学技術の重要性に鑑みるに,その発展基盤を担うべき人材育成に関し,これまでの日本の大学における科学技術教育は伝統的教育システムに固執しすぎ,メカトロニクス産業分野に寄与し得なかった。コンピューター専門の技術は増えたが,工場の生産現場,医療やリハビリテーションの現場,マーケット,農場,リサイクルや環境関連のセンターといった実世界からの情報発信を受け止め,新しい製品を開発し,システムを新たに構築あるいは高機能化できる技術者は育て得ていない現実がある。このため,以下の三つの提言を行う。 |
1. | メカトロニクス科学技術教育への提言 ソフトウェア,電子,機械の一体化を教育の現場においても推進するように,メカトロニクス教育を主眼とする学科群を工学部に新設するか,既存の学科の二つないし三つを融合させてメカトロニクス学科に改変することを提言する。また,メカトロニクス科学技術の最先端については,新たな研究施設の創立をはかるか,既存の研究施設やセンターの関連セクションの融合化を図るべきである。 |
2. | 国際メカトロニクス・ファクトリの設置 世界をリードするために,世界から英知を集めて新しいメカトロニクスの知を創造し,世界に公開するために専門機関「国際メカトロニクス・ファクトリ」の設置を強く要望する。 |
3. | メカトロニクス・ファクトリの設置 ロボットなどに代表されるようにメカトロニクス分野は,"もの作り"と一体である。技術教育としての「もの作り」の場と,産学一体になった「メカトロニクス化への課題解決」の場を,機能として同時に並存させうる「メカトロニクス・ファクトリ」を地域拠点大学に設置することを提案する。 |
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1.メカトロニクスシステム,
2.メカトロニクスシステムにおけるコントロールシステム,
3.最新メカトロニクス研究,
4.メカトロニクス技術と次世代製品,
5.国際メカトロニクス・ファクトリ 関連研究機関・学協会 日本ロボット学会,IEEE(The Institute of Electrical and Electronics Engineers),ASME(American Society for Mechanical Engineers) |
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