大学問題 −危機とその打開への道− | |||||||||
|
![]() |
本報告は,今日,日本の大学が当面している問題を網羅的に論じたものではない。むしろ日本の大学問題を考えるに際しての基礎的な視点を示して,あるべき大学像を大学人はもとより,ひろく国民的な英知を傾けて考えるための素材にしていただけるよう念願して発表するものである。 |
日本の大学は,1990年代に入り,とりわけ1991年の大学設置基準の「大綱化」以後,大学改革の動きが急速に広まってきたことは周知のことである。しかし,この改革の理念は必ずしも明確でなく,長期的展望を欠いたままに改革が進んでいる憾みがある。日本の大学が直面している危機的な状況を打開するためには,歴史的な見方と世界史的な視野に立つことが重要である。 |
21世紀の大学は高度な訓練を受けた人材の育成,知的生産の役割,研究能力の強化を通して,産業界および社会との協力をいっそう進めると同時に,人類史的課題に立った危機の予見的昨日を果たすことが求められるであろう。そのためには,自然科学のみならず人文・社会科学を含めて,知識の俯瞰的統合が必要であり,それには学問・思想の自由の保障,さらには大学の構成員の教育・研究を通しての自律と社会の負託に応える自覚が必要である。 |
目次を見る 全文HTML(34k)
全文PDFファイル(50k)
1.大学はどうあるべきか,
2.財政基盤の弱い日本の大学,
3.学術交流,
4.留学生問題,
5.独立行政法人化問題 関連研究機関・学協会 文部科学省 |
Copyright 2001 SCIENCE COUNCIL OF JAPAN