大学等基盤研究施設・設備経費の確保に関する

日本学術会議会長談話


平成10年5月7日

日本学術会議会長

吉川 弘之

 

平成10年度大学等基礎研究関連機関予算において、施設・設備経費などの共同利用研究の基盤的経費について、予算積算上最大15%にも及ぶ大幅かつ突然の削減がなされ、関係研究機関における研究推進上、大きな混乱と支障が生じることが強く危惧されている。

このような事態が生じたこと自体が大きな問題であるが、特に、関係する科学者の十分な理解なしに一律の削減が行われたことは、科学技術基本法の趣旨を踏まえ、真摯にその使命を果たそうと努力している科学者の熱意に水をさすばかりでなく、上記機関が現在、国際的な共同研究を多数遂行している状況を考えると、国際信用をも大きく失墜させる怖れがあると言わざるをえない。

本会議としては、科学者の意思を十分尊重した施策が行われるよう、関係方面の理解と配慮をお願いしたい。

なお、本件は本会議における基礎研究関連の多くの研究連絡委員会からの報告に基づいて本会議において調査した結果に基づくものである。

 

(本信送付先)

文部大臣
文部省学術国際局長