医学教育センターの設置について
委員会名  医学教育学研究連絡委員会
報告年月日  平成9年7月15日
議決された会議  第884回運営審議会
番号 研連16−68

作成の背景 

 近年の医学医療の進歩と医療に対する社会の二一ズの変貌によって、良き医師、とくに確固とした生命倫理観を持つ医師の育成が強調されるようになったことは当然のことである。
 それに伴って、医学教育の改善も医学界の内外から叫ばれて久しい。
 確かに医学教育の改善は、多くの識者たちの努力によって今日まで徐々にではあるが進められてきたが、なお抱える問題点は数多い。その中で、医師を養成する医育機関の教員の質を向上することは、国民の医療を担うという視点に立ったとき、国家的に取り組まねばならない重大かつ緊急の課題である。

現状及び問題点

 わが国では従来より卒前学部教育は文部省、卒後臨床研修は厚生省、そして生涯学習は日本医師会および各専門学・協会がそれぞれ主管しているのが現状であり、とかくそれらの間の連携には齟齬をきたすことが多かった。とくにその狭間にある問題では、解決に困難なことが少なくなかった。

改善策・提言等

 医学教育としての一貫性を図るためには、新しいシステムの開発が必要と考えられ、我が国の実態に最も適応した第三者機関をNational CenterとしてMedical Education Centerを構築する必要があると考えられる。

(1)National Centerの機能
 我が国の場合は単に医学教育の教育者の質的な向上を図るためのNational Centerに終わらせるべきではなく、関係行政機関としての文部省及び厚生省と医師会及び学・協会とは独立した総合調整機能を持ったBoardとしての機能も求められる。このような機能を発揮できて、卒前・卒後及び生涯の一貫性を持つ医学教育の体制が確立されると考えられる。
これに加えて、医学教育技法の開発及び教育効果の科学的評価方法の開発と普及という機能も必要となろう。

(2)財源
 Medical Education Centerは卒前、卒後及び生涯の教育全般を対象とするので、卒前、大学を主体とした医学教育振興財団、卒後および医療全般を対象としている臨床研修推進財団とは別に、教育施設の適正評価を含めた新しい構想の第三者機関として設立されることが望まれる。

 

 
報告書原文   全文PDFファイル(491k)

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日本医師会と教育、 全国医学部長病院長会議、 日本医学教育学会、 医学教育振興財団、 医療研修推進財団、 臨床研究研究会、 MEC(Medical Education Center)の役割
関連研究機関・学協会
日本医師会、全国医学部長病院長会議、日本医学教育学会、医学教育振興財団、医療研修
推進財団、臨床研究研究会




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