学術の動向とパラダイムの転換 |
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第16期日本学術会議第3常置委員会は、「知」の総合化や学術諸分野の再編成など、新しい学術の動向についとりわけ「パラダイムの転換」を中心に検討するという課題に取り組んだ。その検討作業を通じて、第13期以来の第3常置委員会の活動の継続性ないし積み重ねにも十分な注意を払った。 本報告は、このような12年という長期にわたる審議過程の帰結であり、到達点でもある。 |
1) | 将来を見据えた学術動向の全体的把握について、とくに学術体制全般の再組織化や改革の目標についての、あるいはおのずと生じるであろう変化の方向を見定めることについての、幅広い討論が、持続的・組織的に、また大規模に展開されるべきであり、かつなによりも、今、学術研究の「現場」においてそれが真剣におこなわれる必要があるということを、ひろく学術研究にたずさわるすべての人に訴え、呼びかけるものである。 |
2) | このような課題への取り組みを、国内で組織するだけでなく、欧米やアジアを含む国際的な共同の事業として、ひろく展開することを可能にするような態勢がつくられるべきである。このことの必要性はこのたび「学術研究総合調査」の一環として実施された海外調査においても痛感された。 しかし、最近では、個別分野、個別的局面において自覚的にパラダイム転換をめぐる国際的討議を組織しようとる企ては随所に見られるので、より総合的また統合的な検討を進める国際的学術協力の態勢づくりが求められる。 |
3) | 第3常置委員会がおこなった調査研究と審議とを通じて、日本学術会議には学術の動向を恒常的また機動的に把握するため必要十分な調査機能が整備されていないという問題に直面した。 調査機能の強化のため、早急に適切な措置が講じられることが望まれる。 |
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パラダイムとは?、 パラダイム転換と社会、 学術内生的なパラダイム転換、 学術と総合化 関連研究機関・学協会 |
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