高分子科学研究の推進について | ![]() |
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戦後50年、繊維、プラスチックス、ゴムを中心とする高分子産業の発展は目覚ましいものであった。昭和30年、40年代には欧米からの技術導入が盛んに行われ、合成高分子製品は我々の日常生活のいろいろな部分に急速に入り込んでいった。高分子に関する科学、技術は進歩し、ビジネスにおいても多くの成功を生んだ。 日本が今後ともダイナミックに変化を続けるこの分野の将来に積極的に関わって行くためには、国際的な競争と協調のなかで、世界最先端の基礎研究力を培って行くしかないのである。競争と協調の時代の中で、研究者が独創性を失うことなく、共に生き生きと活動できるための基盤作りが今求められている。 |
21世紀を目前にして、我が国はマルチメディアで代表される高度情報化社会が現実のものとなりつつあり、一方、高齢者人口の増加による健康・医療の問題、エネルギー・地球環境問題など様々な課題を抱えている。このような社会・経済の環境変化に応える技術革新を支える素材として、以下の分野で多様な応用面をもつ機能性高分子材料に対する期待は大きい。 <情報・通信分野> ・導電性高分子、合成メタル、超高誘電性または超低誘電性高分子 ・センサー、レヂスト、発光ダイオード、電子写真、光導波路部品、光干渉フィルター ・ホトニックス、ホログラフィー、非線形光電子、コンパクトディスク・テクノロジー <医療・医薬・バイオテクノロジー分野> ・人工臓器 ・高性能診断薬、ドラッグ・デリバリー制御システム ・ バイオエラストマー、生体複合材料 |
このような研究の推進には活動の中心となる共同利用機関の設置も有効であろう。この研究機関は高分子の化学や物理に関する国内外の研究者が専門知識を生かしながら共通の目標に向かって努力を結集するための中核となるものである。 現存の各種大学共同利用機関の活動なども参考にして、今後、高分子科学推進の目的に沿った研究機関の設立を図ることが望ましい。このような機関に必要とされる要件を以下に列記する。 a)国際的な先端研としての機能 b)物理・化学・生物など広領域にわたる高分子性を総合的に研究する場 c)中核的組織の必要性 d)学産協同研究の場 |
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今後の高分子技術のキーコンセプト、 生体高分子、 高分子研究とヨーロッパ、 高分子研究と米国、 高分子研究と日本、高分子科学における基礎研究課題 関連研究機関・学協会 高分子学会、日本化学会、日本材料学会、日本材料科学会 |
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