核子崩壊実験
 「カミオカンデの陽子崩壊実験とは?」 を参照

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ニュートリノ
他の物質とはほとんど 相互作用をしないという特徴のある素粒子。電子やミュー粒子などが属するレプトン(軽粒子)族の一つで、電荷がゼロであるため、その存在を直接的な方法で検出することは難しい。宇宙からたくさんのニュートリノが地球にやって来ているが、その大部分は地球を通り抜けてしまうほどだ。

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衝撃波
音の場合、 爆発などの急激な状態変化が起こる場合や、気流が超音速から亜音速に減速される場合などに現れる不連続、不可逆な現象。気体中を伝わる非常に強い波であり、弱い波の伝わる速度が音速であるのに対し、衝撃波は音速より速く伝搬する。

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チェレンコフ光
粒子が水の中を光速に近い速度で進む時に放つ光。光の速さは真空中で秒速30万km。ところが、水中では光の速さは3/4のスピードになる。ニュートリノは、光速とほぼおなじ速度のままなので、水中では粒子の速さが光速を上回る。その状態で発する光がチェレンコフ光である。

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ブラウン管
電気信号を光に変換し、人間の目に見える像を発生させる装置。パソコンの表示装置やテレビに応用されている。

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ビックバン
宇宙のはじまりは、爆発ではじまったという説。ハッブル宇宙望遠鏡の名前の由来にもなっているハッブルが宇宙の膨張を証明し、そののち、カトリック教会の司祭でありベルギーの最も有名な天文学者ジョルジュ・ルメートルは、逆算すると、150億年前に宇宙が一点の爆発から始まったということを推定した。

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大マゼラン星雲
宇宙空間は完全な真空ではなく,わずかながら,希薄なガス物質やダスト微粒子,そして輻射や磁場が存在している。銀河系内の星間空間では,ガス物質の平均的な密度は, 1立方cmあたりに水素原子が1個程度だが,ガス密度が比較的高い領域を, 星雲(nebula)とか 星間雲(interstellar cloud)と呼んでいる。大マゼラン星雲はそうした星雲のひとつ。

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重力崩壊
超新星爆発の際,非常に高密度になった中心核の質量が太陽の数倍を越えると,縮退圧その他いかなる圧力によっても自分自身の重力を支えることができなくなり,中心に向かって無限に崩壊してしまう。この重力崩壊(gravitational collapse)の結果できた天体が,ブラックホールと呼ばれます。

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核融合炉
核融合を人為的に起こして、発電に利用しようとする設備。原子力発電だと、ウランが必要になるが、核融合炉を用いた発電の場合は原料が水素でいいために、エネルギーの枯渇の心配がないために、現在精力的に研究開発が進められている。

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核融合
核融合は一般的には重い原子核を作り、その際比較的大きなエネルギーを放出する反応をいう。たとえば、水素原子と水素原子が融合し、ヘリウムができる際に大きなエネルギーを放出する。

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エックス線
波長が数10~0.01nmの電磁波。一般には電子線を金属ターゲットに衝突させて発生させるが、加速した電子の軌道を急に曲げても発生する。エックス線は、物質を透過する、蛍光物質を光らせる、写真フィルムを感光させる、物質を電離させる等の作用を持ち、物質の分析、結晶構造の解析、医学応用、LSI製造等の用途がある。

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素粒子
物質を構成している最小の単位である粒子。しかし、内部により小さい粒子を含む粒子(クォークからできている陽子など)も一応素粒子と呼ぶこともある。

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中間子
原子核内にある中性子を結びつける粒子。

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陽子
原子核の中に存在する素粒子の一つ。あらゆる原子には原子核があるので、当然、陽子を含んでいる。例えば、水素の原子核には1個の陽子、炭素の原子核には6個の陽子、酸素の原子核には16個の陽子がある。陽子は正の電荷をもち、負電荷である電子を引きつけて物質のさまざまな性質を形成している。

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電子
原子を構成するもののひとつ。負の電荷をもっている。

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原子
物質を構成する最小単位と考えられていた。そののち、原子は、原子核と負の電荷をもった電子からできているこがわかり、さらに、原子核は電荷をもった陽子と中性子からできていることがわかった。さらに、これらの粒子は、素粒子と呼ばれる小さな物質からできていることがつぎつぎとあきらかになっている。日本人初のノーベル賞受賞者の湯川秀樹博士は、中性子をむすびつける中間子を理論的に予言し、パウエルが中間子を検出する写真乾板を開発し中間子の存在を実証した。

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中性子
原子核を構成する粒子のひとつ。

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写真乾板
ガラス板に写真乳剤を塗って乾燥させた感光材料。暗箱カメラによる撮影に用いる。

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ハッブル宇宙望遠鏡
ハッブル宇宙望遠鏡は高度約600キロメートルの軌道をまわる、直径2.4メートルの反射望遠鏡。大気の影響を受けないため、鮮明な天体写真を撮ることが可能。

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相対性理論
特殊相対性理論とこれを一般化した一般相対理論からなる。特殊相対性理論は、1905年にアインシュタインにより提出された理論。光速度一定を仮定し、すべての慣性系で物理法則は不変であるという仮定から導かれる体系。この理論から時間と空間は独立ではなく互いに影響し合っていることが示された。またエネルギーと質量が等価であること(E=mc^2)もこの理論から導出される。また、一般相対性理論は、特殊相対論で扱えなかった加速度運動を扱えるように拡張した理論。1915年に同じくアインシュタインが提出。時空の曲率がエネルギーと等価であることが示される。

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四次元
立体にさらにひとつ次元を加えたもの。この現実の世界は、四次元である。立体に時間という次元が加えられる。

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三次元
具体的には、1次元は線、2次元は面、三次元は立体。

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重力
17世紀、ニュートンは全ての物体はおたがいに引き合うと考えた(万有引力)。これが重力である。今世紀になって、アインシュタインは、重力はエネルギー(質量もこの一形態)が時空間をゆがめることにより発生するという一般相対性理論を提唱した。一般相対性理論は今のところ正しそうであるが、素粒子の世界では量子力学との整合性が悪く根本的な理論ではないとされている。超重力理論、最近では超弦理論などが提唱され、研究されているが、非常にむずかしい問題を含んでおりまだ決着を見ていない。

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質量
平たく言えば、「重さ」と同じものである。しかし、厳密に言うと質量と重さとは全く違う概念である。質量は、物体に付属しているある基本的な「量」であり、それに比例する量のエネルギーに変わることのできる性質である。また、慣性の大きさを決めている量である。重さは、物体が重力場のなかにあるときに、物体に働く力のことである。この力は物体の質量に比例することがわかっている。

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日食
日食は地球が月の影の中に入ることにより、月が太陽を隠す現象。このとき、太陽-月-地球の順に並んでいるので、日食は新月の時にしか起こらない。月の影には本影と半影がある。本影に入ると皆既日食となり、本影が地球に届かない場合は金環食となる。また、半影に入った場合は部分日食となる。

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皆既日食
非常に珍しい現象で、月が太陽を全て覆い隠す。この時の太陽は月の背後を見ているため黒い太陽になる。黒い太陽の縁からは赤い炎のような紅炎(プロミネンス)が観測できる。同時に普段は太陽のまぶしい光のために見ることのできなかった太陽コロナを見ることができる。また、皆既の始まりと終わりの瞬間には、月の谷間からわずかに太陽の光が漏れ、ダイヤモンドリングを見ることができる。皆既の継続時間は長い場合でも5分程度。日本付近では2009年、日本本土では2035年まで皆既日食を見ることはできない。

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時間と空間のゆがみ
アインシュタインの一般相対論では,重力の法則は,時空のゆがみという空間の幾何学に置き換えて考えられるようになった。重力が強いというのは,つまり,時空の曲がりが大きいこと。光は,2点間の最短距離の経路を進むが(というより,最短距離の経路を進むものを“光”と定義します),一般相対論では重力のある所では空間が曲がっているので,光の軌跡も曲がる。これは,船舶や航空機の最短航路(大圏航路)が,地球表面という球面の上では曲線になるのと同じである。

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超新星
比較的重い星の場合,進化の最後の段階で核反応の暴走を起こし,星全体が大爆発することがある。これが超新星(supernova)と呼ばれる。またその爆発自体は超新星爆発(supernova explosion),爆発の後に残されるガスの名残は超新星残骸(supernova remnant) と呼ばれる。壊れ方には二種類ある。ひとつは、太陽の4~8倍の質量の星の場合,炭素と酸素の中心核が収縮した後,約8億度に達した段階で炭素に核融合の火がつき,どんどん重い元素ができる。この炭素の核融合は,0.1秒程度で暴走し,その結果,星はコナゴナに砕ける。これが炭素爆燃型超新星と呼ばれる爆発。二つ目は、さらに重い,太陽の約8倍より重い星の場合,核反応は一気に鉄まで進んでしまうが,この鉄は,まわりからエネルギー(ガンマ線光子)を吸収して,ヘリウムと中性子に分解する。これを鉄の光分解と呼ぶが,この鉄の光分解は吸熱反応で,しかもほんの0.1秒くらいしかかからないので,その結果,中心核の圧力が一挙に下がって中心核は潰れ,逆に外層は反動で飛び散る。これが鉄の光分解型超新星です.炭素爆燃型超新星が観測的にはI型に対応し,鉄光分解型超新星がII型に相当すると考えられている,いろいろなバリエーションや違いがあり,完全に解明されているわけではない。

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小柴 昌俊 (こしば まさとし) 1926~ 写真1:小柴 昌俊
Masatoshi, KOSHIBA 
2002年 ノーベル物理学賞受賞
受賞テーマ:「カミオカンデによるニュートリノの観測」により,受賞
経歴:
・1926年  9月19日,愛知県生まれ
・1951年  東京大学理学部物理学科卒業
・1958年  東京大学原子核研究所助教授
・1967年  理学博士
・1970年  東京大学理学部教授
・1987年  定年退官,東京大学名誉教授

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P. A. チェレンコフ 1904~1990 写真2:P. A. チェレンコフ
Pavel, Alekseyevich, CHERENKOV
1958年 ノーベル物理学賞受賞
受賞テーマ:「チェレンコフ効果の発見とその解釈により,I.M.フランク,I.Y.タムと共同受賞
経歴:
・1904年 7月28日,ロシア・ボロネジ生まれ
・1928年 ボロネジ大学物理数学部卒業
・1930-1935年 ソ連科学アカデミー・レーベデフ物理学研究所上級研究員
・1936年 同教授
・1959年 レーベデフ物理数学研究所光・中間子反応研究室長

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I. M. フランク 1908~1990 写真3:I. M. フランク
Il'ja, Mikhailovich. FRANK
1958年 ノーベル物理学賞受賞
受賞テーマ:「チェレンコフ効果の発見とその解釈」により,P. A. チェレンコフ,I. Y. タムと共同受賞
経歴:
・1908年 10月23日,ソ連・レニングラード生まれ
・1930年 モスクワ大学卒業
・1931年 レニングラード国立光学研究所上級科学研究員
・1934年 ソ連科学アカデミー・レーベデフ物理学研究所研究員
・1944年 モスクワ大学教授

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I. Y. タム 1895~1971 写真4:I. Y. タム
Igor, Yevgenyevich. TAMM
1958年 ノーベル物理学賞受賞
受賞テーマ:「チェレンコフ効果の発見とその解釈」により,P. A. チェレンコフ,I. M. フランクと共同受賞
経歴:
・1895年 7月8日,ロシア・ウラジオストク生まれ
・1918年 モスクワ大学卒業
・1937年 モスクワ大学教授

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W. C. レントゲン 1845~1923 写真5:W. C. レントゲン
Wilhelm, Conrad. RONTGEN
1901年 ノーベル物理学賞受賞
受賞テーマ:「X線の発見」により,受賞
経歴:
・1845年 3月27日,ドイツ・ラインラント地方レネップ生まれ
・1869年 チューリヒ工科大学機械工学科卒業

・1969年 ビュルツブルク大学助手
・1972年 ストラスブール大学助手
・1875年 ホーエンハイム農業アカデミー数学および物理学次席教授
・1876年 ストラスブール大学講座外教授
・1879年 ギーセン大学物理学主任教授
・1888年 ビュルツブルク大学主任教授兼物理研究所所長
・1900-1920年 ミュンヘン大学物理主任教授

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R, デービス Jr 1914~ 写真6:R, デービス Jr
Raymond, Davis Jr.
2002年 ノーベル物理学賞受賞
受賞テーマ:「ニュートリノ研究」により,受賞
経歴:
・1914年 アメリカ合衆国・ワシントンDC生まれ
・メリーランド大学卒業
・1948年 ブルックヘブン国立研究所に入所
・1985年~ ペンシルベニア大学名誉教授(天文学)

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湯川 秀樹 (ゆかわ ひでき) 1907~1981 写真7:湯川 秀樹
Hideki, YUKAWA
1949年 ノーベル物理学賞受賞
受賞テーマ:「核力の理論による中間子存在の予言」により,受賞
経歴:
・1907年   1月23日,東京都生まれ
・1929年   京都帝国大学理学部物理学科卒業,京都大学理学部副手
・1939年  京都大学理学部教授
・1942-1944年  東京大学教授兼任
・1946年  帝国学士院会員
・1948年  プリンストン高等学術研究所客員教授
・1949年-1953年  コロンビア大学教授
・1950年  大阪大学名誉教授
・1953年-1970年  京都大学基礎物理学研究所所長
・1955年-1956年  日本物理学会委員長
・1970年  京都大学名誉教授

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朝永 振一郎(ともなが しんいちろう) 1906~1979 写真8:朝永 振一郎
Sin-Itiro, TOMONAGA
1965年 ノーベル物理学賞受賞
受賞テーマ:「量子電気力学の分野における基礎的研究」により,J. シュウィンガー,R. P. ファインマンと共同受賞
経歴:
・1906年  3月31日,東京都生まれ
・1929年  京都帝国大学理学部物理学科卒業,京都大学理学部副手
・1932年  理化学研究所仁科研究室
・1940年  東京文理科大学[のち、東京教育大学,現・筑波大学]講師
・1941-1969年  同教授
・1949-1950年 プリンストン高等学術研究所客員教授
・1951年  日本学術会議原子核連絡委員会委員長,日本学士院会員
・1952年  原子核特別委員会委員長
・1953-1969年  京都大学基礎物理学研究所教授兼任
・1956-1962年  東京教育大学学長
・1963-1969年  日本学術会議会長
・1969年  東京教育大学名誉教授

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C. F. パウエル 1903~1969 写真9:C. F. パウエル
Cecil, Frank. POWELL
1950年 ノーベル物理学賞受賞
受賞テーマ:「写真による原子核破壊過程の研究方法の開発と諸中間子に関する発見」により,受賞
経歴:
・1903年 12月5日,イギリス・ケント州タンブリッジウェルズ生まれ
・1925年 ケンブリッジ大学卒業
・1948-1969年 ブリストル大学教授
・1964年 同大学実験所長

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A. アインシュタイン 1879~1955 写真10:A. アインシュタイン
Albert, EINSTEIN
1921年 ノーベル物理学賞受賞
受賞テーマ:「理論物理学の諸研究,特に光電効果の法則の発見」により,受賞
経歴:
・1879年 ドイツ・ウィッテンベルク州ウルム生まれ
・1900年 チューリヒ工科大学卒業
・1908年 ベルン大学講師
・1909年 チューリヒ大学理論物理学員外教授
・1911-1912年 プラハ大学理論物理学教授
・1912年 チューリヒ工科大学員外教授
・1914-1933年 ベルリン大学教授およびカイザー・ヴィルヘルム研究所物理学研究所所長
・1933-1945年 プリンストン高等研究所名誉教授

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