レントゲンとスーパーカミオカンデの似ているところはな


おもしろ博士
カミオカンデは,
宇宙のはるかかなたにある“見えないものを見る”ことができるだけではなく,太陽のような星の中で何が起こっているかもわかるんじゃ。

太陽というのは巨大な
核融合炉だと言われてきたんじゃが,これも誰も見たことがないんじゃ。ところが,核融合が起こるときに,ニュートリノが出てくるんじゃ。カミオカンデはちゃんとこれを観測できたのじゃ。カミオカンデは,まだ,できたばかりなので,解像度は悪いけれど,ちゃんと見えるじゃろ。

 太陽ニュートリノ

ゆうきくん
はい,たしかに解像度は悪いけれど,見えるといえば見えるよね。
これ,解像度がよくなるとレントゲン写真のようにもう少し写真らしくなるんですか?
あっ!小柴先生
りかちゃん
小柴先生 もちろん! 
これをもっとよく見えるようにするのは,君たちの世代の物理学者の仕事ですね。
期待していますよ。宇宙の謎を解き明かしてくださいね。

おもしろ博士

レントゲン写真だって最初はうつりが悪かったんじゃよ。

すこし話が脱線するが,ヴィルヘルム・レントゲンは,

X線の発見で1901年にノーベル賞の第1回物理学賞を受賞しているんじゃ。

見えないものを見るということは,とても重要なことであり,とても高く評価されるんじゃよ。
右の写真は,レントゲンの奥さんの手の有名なレントゲン写真じゃ。
薬指の丸い影は「指輪」じゃな。

ところで,実は小柴先生よりも少し前に,アメリカのデービス博士がこの太陽ニュートリノの発見をしていた。
やはり,山奥の鉱山に巨大なタンクを作って観測していたんじゃ。
小柴先生の装置とはすこし異なるがの。

2002年に,小柴先生と同時受賞したのじゃが,二人が同じ結果を出したので,太陽の中で核融合が起こっていることが完全に証明されたのじゃ。


X線写真:レントゲン夫人の手

ゆうきくん
独創的な研究者って,ものすごい情熱がありますね。
でも,山奥とか地下深くとか寂しそうなところばかりですね。

おもしろ博士
それは,そういう場所の方が余計なものが少ないということじゃな。空気がきれいとか,水がきれいとか,そういう環境でないと,見えないものを測定することは不可能なんじゃ。
小柴先生
話は変わるけれど,君たちは湯川先生
朝永先生を知っていますか?
日本でノーベル物理学賞を受賞した最初のひとたちですよ。
目に見えない本当に小さな粒子の世界を研究して,ノーベル賞を受賞されたんだ。
わたしの研究も先生方と同じ研究分野なんだよ。
それに,朝永先生はわたしの恩師でもあるんだ。日本人が世界的な貢献をした分野です。

湯川先生もまた素粒子で,それも50年以上も前になるけれど1949年にノーベル賞を受賞していたのは知っていますか? 

話を伺ってきたらどうかな。宇宙にある遠くのものを見る,というのではないけれど,わたしの今の研究に到った素粒子というものを勉強するにはちょうどいいかも知れないですよ。


りかちゃん
どうも、ありがとうございました。ゆうきくん
じゃあ,早速過去にもどって話しを聞いてきます。


おもしろ博士
今度は,ゆうきとりかのふたりだけで旅をしてくるのじゃ。
いよいよ冒険のはじまりじゃな!
わしはおもしろ情報館で留守番しておるわい。
ゆうきくん よーし! タイムマシンに乗る準備をしよう。
りか,時間は1949年,湯川先生のノーベル賞受賞発表当日に設定しよう。

じゃ,出発するよー。
3!2!1!0,しっゅぱーつ!
みなさんも,湯川先生をクリックして,一緒に会いに行こう!
湯川先生をクリックして,
一緒に会いに行こう!
湯川先生



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