学習と記憶
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(3)記憶が大切なわけ
記憶ってどんな働きをしているの?
  「記憶」は、人間の脳の機能全体を支える重要な働きをしておるんじゃ。
 人間は脳を使って、運動したり、感じたり、泣いたり笑ったりしています。そして、これからの生き方を考え、行動していきます。もしも「記憶」がなかったら、これらのどれもが不可能になってしまいます。
 自転車に乗るときも旅行するときも、ここがどこで、何をどうすれば何ができるかは「記憶」に頼っています。何かを考えようにも、もとになる情報(記憶)がなければ、どうすることもできません。
 私たちの脳には、そのようにしてためられていった記憶があって、その全体が脳の機能を支えています。

人間の脳は他の動物の脳とどう違うの?
 人間の脳は「ことば」などの「記号」を自由に操っておるんじゃよ。
 左の図のように、人間の脳の大脳皮質、特に記憶をベースにものを考えたり知的な活動をする前頭葉は、他の動物に比べて極端に大きくなっています。それは、「本能」よりも「学習」することを重んじ、「考える」ことを武器にして生きのびていく仕組みを持っているためなのです。
 「記憶」の違いが、その人の人格や人間らしさを作るんじゃ。そうした意味で「記憶」は人生そのものなんじゃな。
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