■「科学者の道を志した理由」 |
第5部会員 金子尚志
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戦災で家を焼かれ、戦後焼け野原の神田一ツ橋に住んだことが私の方向を決めたようだ。近くの秋葉原の電気部品ジャンク街に毎日通い、掘り出し物を探してラジオやステレオを組み立て、何時のまにかエレクトロニクス・無線の世界の創造の魅力に取り憑かれて行った。気が付いて見たら大学でも電気工学を選び、日本電気に入社し通信工学の研究に没頭する半生となってしまったが、好きな道だったからこれで良かったと思っている。その後会社の経営に携わっても、科学者としての経験は組織科学・組織心理、思考判断の論理性の面で役立ったと思っている。退任した今はむしろ専門以外の領域、例えばバイオや宇宙創造の神秘、人類の進化・足跡等に尽きることのない興味をそそられている。 |