循環型社会について
日本学術会議・おもしろ情報館目次へ
循環型社会
博士 山と海を結びつける川はどんな役割を持っておるじゃろうか。
サケの川のぼり
山・紅葉・鳥
植樹祭
「第11回 森は海の恋人」植樹祭より
ゆうき 水が流れるよね。山に雨が降って、それが川に流れ込んで海に行くんだ。
博士 川の水にはなにがおるかな。
りか サケの子供がいるわね。
博士 そう。他には山の木々が作り出した栄養分も雨水に溶け出して川に流れ込む。鉄分とか塩分とかを量は少ないが山から海に運んでいくんじゃ。
ゆうき そうか。
海でプランクトンが川が運んでくる養分を食べて育つんだ。
りか プランクトンは魚のえさになるわ。
博士 そうじゃよ。川が海を泳ぐ魚を育てるんじゃ。 きれいに見える紅葉が、海を泳ぐマグロや鯨にもつながっているということじゃ。
りか ほんとうかしら ますますロマンチックに見えてくるわね あのもみじが作る栄養がイルカの赤ちゃんを育てるんだ。
ゆうき そういえばさ、海で働く漁師の人たちが山で木を植える話を聞いたことがある。
りか そうそう、「森は海の恋人」とか「山は海の恋人」とかいうのよね。
博士 それでは子供たちを産みにやってきたサケはどうだろう。
ゆうき むずかしい問題だね。
りか 川をさかのぼるんだから、何かを海から運んでくるのかしら。
博士 そうじゃよ、そこなんじゃ 大きなサケの体はじつは栄養分のかたまりなんじゃ。他の魚や周りの木の養分になる海に流れ出した栄養を山に戻す重要な働きをしているというわけじゃ。もちろん、サケだけでできることではない。鳥も海から陸、陸から山へ養分を運び上げる役割をしておる。
ゆうき 山から海へ、海から山へ栄養分が循環してるんだ。そうやって、何万年も続いてきたんだね。
博士 わからないことも多いのじゃが、自然というものは水でも栄養分でもうまく回転させて、いろいろな命をはぐくみ育てておる。 そして、一つ一つの生き物が、循環という歯車の一つ一つの役割を 担っておるというわけじゃの。
ゆうき 循環型社会って言うことを最近よく聞くけど、自然の中ではあたりまえのことなんだ。
りか 落ち葉だってドングリだって、キノコだって自然の中では大切な働きがあるのね。
博士 循環型社会が何を目指しているのか、もう少し勉強してみようかの。
   
おもしろ博士コラム

『森は海の恋人、山は海の恋人』とは、、、
山は海を豊かにし海も山を豊かにするということ。
山から海へそして海から山へ何らかの形でお互いにお互いを必要とし、
ささえあい、励ましあっている関係で人間でいう恋人同士のようだという
例えなんじゃ。
さーて、ここでまとめじゃ。
雨水は陸地でとくに森や林がある山にふる。それに標高が高いと雪も積もることはわかるじゃろ。
その水が山に繁った木や大地から沢山の栄養分とともに川に流れこんでそして海に向かっている。
川にはたくさんの生き物が生活しているんじゃが、今回はちょうど秋なのでサケを例にあげてみたんじゃ。
川で子供から少年になったサケが海にむかい、たくさんのプランクトンを食べて大人になる。
そしてある時、つまり子供を産み山に栄養を返すためにまた川にかえってくるんじゃ。
すべての生き物がこうやってなんらかの形で山、川そして海といった環境とかかわり、つながりあいながら生きている。
自然は、そうやってすべてが循環するから成り立っておるのじゃ。

紅葉


情報看板
循環型社会の関連サイトだよ!

「森は海の恋人」ホームページ:「森は海の恋人関連」に植樹祭についてのレポートがあります

NHK教育「インターネットスクールたったひとつの地球:陸の森と海の森」[さらに学習を発展させるために]に海を守るために木を植えている人たちの情報があるよ


back    

Copyright 2001 SCIENCE COUNCIL OF JAPAN