ゲノムについて
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おもしろ博士
「またまた、夢見る乙女か。ハッハッハッ。 人間同士のゲノムの違いはというと、たったの0.1パーセントじゃ。このわずかな違いで、地球上には60億もの人が生きておる。肌の色や目の色、体つきはずいぶん違っているが、ゲノムから見ればわずかな違いじゃ。 国と国が争ったり、民族と民族が争ったりしておる。ゲノムが明らかになれば、対立する人たちの心にも影響を与えるかもしれん。 いい方向に変わって欲しいものじゃ。」
ゆうき 「アポロの写 真が地球は一つであることを教えてくれた。 ヒトゲノムの解読も人間は似たもの同士だということを教えてくれるんだね。」
リカ 「そうね。とにかく夢の持てるような結果になってくれなきゃいやよね。」
おもしろ博士 「ヒトゲノムはチンパンジーやゴリラに似ているだけじゃない。妖精たちの働きを比べると、ネズミや牛や羊とも似ている。カエルや魚とも似ているし、花や木とも似ている。たった一個の細胞で生きているアメーバーや細菌など、微生物とも似ているんじゃ。つまり、他の生き物と人間のゲノムは深いつながりを持っているということじゃ。 つまり、他の生き物のゲノムがあったから、人間のゲノムが出来た。人間だけがえらくて優れているわけではないんじゃ。地球上の命は一つであることもゲノムの研究は教えてくれておるんじゃな。」
リカ 「イヌを見て可愛いと思ったり、花をきれいだと感じるのはゲノムが似ているせいかしら。」
ゆうき 「リカちゃんってやさしいんだね。 僕もがんばってゲノムを研究してみようかな。」
リカ 「わたしも研究してみたいの。ゆうき君と一緒ならきっと夢のある楽しい研究ができるわ。」
おもしろ博士 「うらやましいの。これからの研究は新しいことがわかるだけではだめじゃ。結果 がみんなの幸せに繋がらなくては意味がない。ゲノム研究の結果 不幸になる人がいたり、悪用されるようなことがあってはならないのじゃ。21世紀は、人類の幸せを考えられる研究者がどれだけ育っていくか、ゆうき君やリカちゃんのような若い人にがんばってもらいたいの。」
リカ 「がんばるわ。」
ゆうき 「僕もだよ。いろいろな分野に強くなりたい。いつか博士の助手になれるように。」
おもしろ博士 「待ってるよ。」
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