日本学術会議 トップページ > 国際会議・シンポジウムの開催 > 国際会議結果等
 
第7回国際新興・再興豚病学会
1 開催概要
(1)会 議 名 :(和文)第7回国際新興・再興豚病学会
         (英文)The 7th International Symposium on Emerging and Re-emerging Pig Diseases
(2)報 告 者 :第7回国際新興・再興豚病学会 大会長 政岡俊夫
(3)主   催 :第7回国際新興・再興豚病学会組織委員会、日本学術会議
(4)開催期間 :2015年6月21日(日)~ 6月24日(水)
(5)開催場所 :国立京都国際会館(京都府京都市)
(6)参加状況 :37ヵ国と地域・976人(国外453人、国内523人)


2 会議結果概要
(1) 会議の背景(歴史)、日本開催の経緯:
豚の新興・再興感染症に関する国際学会で今回が国内初開催、アジア初開催となる。1999年より開催されている学会で、2015年6月の日本開催で第7回目となる。

  • 1991 ミネアポリス (アメリカ)
  • 1992 ミネアポリス (アメリカ)
  • 1995 コペンハーゲン (デンマーク)
  • 1999 プルフラガン  (フランス)
  • 2003 ローマ (イタリア)
  • 2007 クラクフ(ポーランド)
  • 2011 バロセロナ (スペイン)
  • 2015 京都 (日本)
(2) 会議開催の意義・成果:
主に北米、ヨーロッパの研究者を参加者の中心としており、養豚業界でそのとき最も経済的被害が大きいと考えられる感染症をフォーカスして取り扱うことをモットーとしており、海外では学術レベルの高い集会として定評がある。
To provide a platform for swine researchers, veterinarians, producers and industrial partners in the world to develop their communication network.
To learn most recent and valuable information and scientific knowledge on controlling emerging and re-emerging pig diseases that are economically significant in swine industries in the world.
To share current situation and the future vision of transboundary infectious diseases in the world.To encourage further development of domestic swine industry in Japan, as well as other countries in the world.


(3) 当会議における主な議題(テーマ):
Global collaboration on controlling emerging and re-emerging pig diseases: From Asia towards the World

(4) 当会議の主な成果(結果)、日本が果たした役割:
アジア初、日本初の開催に伴い、中国、韓国、台湾、フィリピン、タイなどのアジア圏の参加者が多く目立ち、欧米からの参加者と合わせ国際色豊かな学会となった。
プログラムは生産者セミナー、オープニングレクチャー他、各カテゴリー(PED, PRRS, Bacteria, PCV2, Influenza, Transboundary) の基調講演16題をはじめ、口演発表(45題)、ポスター発表(190題)から構成され、会場内では盛んにディスカッションや情報交換が行われた。中でも会期2日目は、今養豚業界で最も問題となっている豚流行性下痢(PED)セッションのみとし、PEDに関する研究発表が行われた。また、後継者育成を目的としStudent Awardを開催。事前審査、当日の発表に基づいて審査をし、表彰も行った。 国内外企業より計29社の協賛をいただき、併設展示会を華やかに彩った。
社交行事では、舞妓や琴演奏者などを招き、日本文化の代表として歴史・文化も身近に感じてもらうことができた。日本のホスピタリティを国内外の参加者より高く評価をうけ、閉会した。

(5) 次回会議への動き:
2019年6月 第8回大会はチリに決定した。

(6) 当会議開催中の模様:
プログラムは以下の通りである。7つのセッションカテゴリごと(PED, PRRS, Bacteria, PCV2, Influenza,Transbondary (FMD, ASF)にプログラムを作成し、各セッション会場内では盛んにディスカッションや情報交換行われた。 予定していた基調講演者が2名急遽来日できなくなり、テレビ電話システム、スカイプで対応し、プログラムの取り消しをすることなく無事終了した。
  • 6月21日(日) Opening、オープニングレクチャーではOIE事務総長のBernard Vallat氏、バルセロナ自治大学のJoaquim Segales氏を招いた。 生産者セミナー、市民公開講座、併設展示会、Get Togther
  • 6月22日(月) 基調講演、口頭発表、ポスター発表、企業セミナー、併設展示会
  • 6月23日(火) 基調講演、口頭発表、ポスター発表、企業セミナー、併設展示会、Farewell Dinner
  • 6月24日(木) 基調講演、口頭発表、企業セミナー、併設展示会、Closing


3 市民公開講座結果概要
(1)開催日時:6月21日(日) 13:15~14:15
(2)開催場所:国立京都国際会館 メインホール
(3)主なテーマ:食の安全・安心~より安全な豚肉の生産を求めて~
講演者:公益財団法人日本獣医師会副会長 酒井健夫先生
(4)参加者数、参加者の構成:150名 京都市民、学会参加者
(5)開催の意義:市民公開講座により、広く一般の方にも豚肉の生産と安全性について理解を得られるような取り組みを実施するため。
(6)社会に対する還元効果とその成果: 2015年4月より京都コンベンションビューローに協力いただき、京都市内駅、図書館約70箇所に市民公開講座チラシを置き、広報を実施した。その結果150名に参加いただき、食の安全というより身近なテーマとしたことにより、より多くの一般市民に興味を持っていただけた。

4 日本学術会議との共同主催の意義・成果
本会議は、アジア地域初、日本初の会議であり、日本学術会議と第7回国際新興・再興豚病学会組織委員会の主催の下で開催された。海外では学術レベルで高い定評がある本会議は、日本学術会議と共同主催を承認いただいたことによってこの地位を保つことができ、日本のレベルを海外へ発信することも出来た。開会式では内閣総理大臣のメッセージ他、副会長の花木先生にお越しいただき、ご挨拶をいただいた。
また準備段階では、会場費、招待講演者滞在費で多額の支援をいただいたことにより、スムーズな運営と権威ある海外の講演者を招聘することが可能となった。養豚業界では同規模の国際会議を日本で開催することは珍しく、上記のことは国内の養豚獣医師、生産者に大きな影響を与え、今後ますますの発展が期待される会議となったことは大きな成果である。


(主催者挨拶を述べる政岡俊夫大会長) (主催者挨拶を述べる花木啓祐日本学術会議副会長) (ポスターセッション)
(セッション会場) (Student Award受賞者)




このページのトップへ
日本学術会議 Science Council of Japan

〒106-8555 東京都港区六本木7-22-34 電話番号 03-3403-3793(代表) © Science Council of Japan