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第34回国際眼科学会開催結果報告
1 開催概要
(1)会 議 名 :(和文)第34回国際眼科学会
          (英文)World Ophthalmology Congress 2014 (略称:WOC(R)2014)
(2)報 告 者 : 公益財団法人 日本眼科学会
(3)主  催  : 日本眼科学会、日本学術会議
(4)開催期間 : 2014年4月2日(水)~ 4月6日(日)
(5)開催場所 : 東京国際フォーラム(東京都千代田区)<    帝国ホテル(東京都千代田区)
(6)参加状況 :135ヵ国/地域・19,612人(国外9,947人、国内9,665人)


2 会議結果概要
(1) 会議の背景(歴史)、日本開催の経緯:(特に日本の研究分野の高さや開催に向けた要請の高まり 等)
国際眼科学会(World Ophthalmology Congress:WOC)は眼科における世界最大の学会で、1857年にブリュッセルで第1回が開催されて以来150年以上の歴史を有し、あらゆる医学専門分野の中で最も歴史が古い国際学会となっている。2006年の第30回国際眼科学会までは4年ごとに開催されていたが、2008年の第31回から2年ごとの開催に変更になった。
2007年3月23日に行われた国際眼科評議会(International Council of Ophthalmology:ICO)の理事会において、第34回国際眼科学会を2014年4月に日本で開催することが決定された。これを受け、日本眼科学会では第34回国際眼科学会組織委員会を設置した。本会は,第29回アジア太平洋眼科学会(Asia Pacific Academy of Ophthalmology:APAO)および第118回日本眼科学会総会との共催である。
日本での開催は1978年に開かれた第23回国際眼科学会から36年ぶり、2回目の開催となった。この度の日本開催では、世界のトップレベルの研究者が一堂に会し、最新の研究成果について討論や発表が行なわれ、眼科学の発展とその応用展開が図られ、発展途上国の眼科診療レベル向上に寄与した。
(2) 会議開催の意義・成果:
我が国及び世界の眼科学の進歩発展に寄与し,最高水準の眼科医療を広め,視覚障害を予防する為に眼科教育を強化することができた。また、我が国の最先端の眼科学の情報を世界に発信することにより、積極的に国際交流を行い、日本、およびアジアをはじめとする世界の若い眼科医、将来の眼科学会の発展に寄与した。
(3) 当会議における主な議題(テーマ):
眼科医療の進歩と世界の失明予防への貢献
(4) 当会議の主な成果(結果)、日本が果たした役割:
この会議を日本で開催することで、我が国の眼科研究・臨床の水準の高さをアジアおよび全世界の研究者に大きくアピールし、多くの研究者の参画を促す絶好の機会となり、アジア諸国における眼科医療水準向上に貢献することができた。また、我が国の眼科医に、世界の多くの研究者と直接交流する機会を与えることになり、我が国の眼科学研究を一層発展させる契機となった。
(5) 次回会議への動き:(当会議成果を踏まえた次回以降のテーマ、研究上の流れ、次回の開催年・場所 等)
次回は2016年2月5日-9日にメキシコで開催される。
(6) 当会議開催中の模様:(会議開催における詳細な状況 等)
応募演題数は2,870演題(海外:2,223演題 国内:647演題)あり、そのうち採択された演題は2,762演題となった。
Invited Symposiumは205セッション、Submitted Courseは89セッションにのぼった。
また、Cultural Programsは、6コース延べ12回実施され、いずれも満席となるほどの盛況だった。
(7) その他特筆すべき事項:(他国との招致競争等、日本開催にあたり努力した事項 等)
国際眼科学会の誘致が決定したのは、2007年3月23日に南アフリカのケープタウンで行われたICO会議の場であった。2014年のWOCはアジアで開催されることはすでに決まっていたので、立候補した日本(東京)、インド(デリー)、タイ(バンコク)の3カ国の中からの選出であった。日本の前評判はかなりよかったが、他2カ国の巻き返しは強力で、特にタイは国を挙げての誘致活動を展開していた。当日のプレゼンテーションは各国10分の持ち時間で、1回目の投票では過半数を獲得した国はなく、日本とインドによる決選投票となり、日本11票、インド10票の1票差で日本に決定した。 勝因は当時の田野理事長のこれまで培ってきたネットワークに加え、プレゼンによる熱意が審査員に伝わったものと思われる。

3 市民公開講座結果概要
(1)開催日時:2014年4月6日(日)14時~16時
(2)開催場所:東京国際フォーラム ホールC
(3)主なテーマ、サブテーマ:生活習慣と目
(4)参加者数、参加者の構成:1,000名、一般市民と参加者(医師等)
(5)開催の意義:市民公開講座を日本学術会議と共催で行うことにより、眼科学が我々の暮らしに貢献をしていることを知ってもらうとともに、日本人研究者のもたらした成果について、社会に還元し、眼科学に関する一般社会の興味を大いに高めることができた。
(6)社会に対する還元効果とその成果:(その他開催にあたり工夫した事項 等)社会的に関心が高い、白内障や、近年患者数が増えている加齢黄斑変性について、専門家がわかりやすく説明し、大い に啓発ができた。
(7)その他:講座の開催情報はビラやポスターを作成し、新聞紙上やホームページ上などで案内を掲載した。 その結果、多くの参加者を得ることができた。

4 日本学術会議との共同主催の意義・成果
(日本学術会議との共同主催により見出された意義や成果等について記載)
日本学術会議との共同主催により、開会式に皇太子殿下のご臨席が実現したことは、会を成功裏に進められた大きな要因となった。また、会場費等の援助を受けられたことは、運営費を節約することができ、その分、参加者の利便性向上に資することができた。さらに、市民公開講座を開催し、広く市民へ成果を還元できたことも、共同主催の賜物と考えられる。

(主催者挨拶を行う大鹿哲郎WOC2014会長) (主催者挨拶を行う大西隆日本学術会議会長) (お言葉を述べられる皇太子殿下)
(主催者挨拶を行う大鹿哲郎WOC2014会長) (主催者挨拶を行う大西隆日本学術会議会長) (お言葉を述べられる皇太子殿下)

(来賓挨拶を行う山本一太内閣府特命担当大臣) (開会式のエンディングパフォーマンスの様子)
(来賓挨拶を行う山本一太内閣府特命担当大臣) (開会式のエンディングパフォーマンスの様子)

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