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第44回万国外科学会開催結果報告
1 開催概要
(1)会 議 名 :(和文)第44回万国外科学会
         (英文)International Surgiacl Week / ISW2011
(2)報 告 者 : 第44回万国外科学会 組織委員会委員長 渡邊 昌彦
(3)主   催 : 万国外科学会、日本学術会議
(4)開催期間 : 平成23年8月28日(日)~ 9月1日(木)[4日間]
(5)開催場所 : パシフィコ横浜(神奈川県横浜市)
(6)参加状況 : 67ヵ国 3,278人(国外695人、国内2,583人)


2 会議結果概要
 (1)会議の背景(歴史)、日本開催の経緯: (1) 万国外科学会(International Surgical Week/ISW)は1905年に第1回が開かれ今回で44回目を迎える、外科学の分野で最も歴史のある国際会議である。2005年8月に開催された第41回万国外科学会総会において、第44回が2011年8月に日本で開催されることが決定された。これを受け日本開催準備のために、第44回万国外科学会組織委員会を2008年5月に設置し、開催の準備を進める運びとなった。日本での開催は、第27回以来34年振り2度目の開催である。 本学会が日本で開催されることにより、我が国で行われている研究を世界的に広くアピールする機会が得られると考えられた。さらに我が国の研究者が海外の研究者と直接交流する絶好の機会であり、外科学の研究をなお一層発展させる契機となると期待された。
 (2)会議開催の意義・成果:万国外科学会は、人種や社会的背景を異にする外科医が一同に会し、広い視野で外科学のあらゆる問題について討議する学術会議である。今回の開催により外科学の国際的な発展に寄与し、新たな外科学の創出の足がかりとなった。
 (3)当会議における主な議題(テーマ):外科学の未来を拓く
 (4)当会議の主な成果(結果)、日本が果たした役割:世界67ヵ国から3,200人(うち海外から695人)以上の参加者を得て、外科学の現状と問題点について活発な討論がなされた。内分泌外科、外傷外科、外科代謝栄養、乳腺外科、消化器外科、小児外科、外科教育、悪性腫瘍など、外科にまつわるあらゆる領域の現状と展望について活発に議論がなされた。いずれの分野の議論においても我が国がリーダー的役割を果たしており、責務の大きさを実感した。
 (5)次回会議への動き:2013年8月25日-29日、フィンランド ヘルシンキ
 (6)当会議開催中の模様:世界中から3,200人(うち海外から695人)以上の参加者のもと、特別企画1セッション、特別講演10セッション、メインセッション58セッション、一般口演41セッション、ポスターセッション27セッションを行い、活発な議論がなされた。特別企画では、2011年3月に起きた東日本大震災を受け、「Disaster Management」というセッションが設けられた。震災を実際に体験された国内外の先生方にご講演いただき、これまでの経験を教訓に、外科医として震災にどう向き合うかについて活発に議論がなされた。
 メインセッション、一般演題においては、内分泌外科、外傷外科、外科代謝栄養、乳腺外科、消化器外科、小児外科、外科教育、悪性腫瘍の各領域における現状と問題点、さらには新しい技術について活発な討論がなされた。
 一方、全員懇親会としてWelcome ReceptionやJapan nightを開催し、それぞれ500人以上の参加者のもと、研究者相互の交友と親睦を深めることができた。
 (7)その他特筆すべき事項:5つのIntegrated Societies(IAES、IATSIC、IASMEN、BSI、ISDS)と呼ばれる外科系複数領域の専門的国際学術研究団体がこれに参画している。また、大会ごとに約20に及ぶParticipating Societyと呼ばれる国際学術研究団体も参画する。

3 市民公開講座結果概要
(1)開催日時:2011年8月27日(土)14:00-16:30
(2)開催場所:パシフィコ横浜会議センター1階 メインホール
(3)主なテーマ:外科の進歩で人は幸せになったか
(4)参加者数、参加者の構成:900名、一般市民
(5)開催の意義:広く一般の市民に向け、外科学の最先端をわかりやすく解説し、国民と医師にとってより良い医療環境の創出に向けて、国民の理解を深める。
(6)社会に対する還元効果とその成果:開催に際しては、より多くの市民の方に参加していただくため、読売新聞の後援のもと、告知広告や社告を複数回にわたって打ち出した。また、講演者として一般市民に広く愛されている仁科亜季子さんや鳥越俊太郎さんにお願いし、自らの外科手術の経験談をお話しいただいた。その結果、参加した市民の方々は、外科学の社会における役割とその進歩について十分理解していただいたと考えている。

4 日本学術会議との共同主催の意義・成果
 日本学術会議との共同主催により本学会が盛大にかつ成功裡に終了することができたことを心からお礼申し上げます。
 日本学術会議と共同開催していただき、厚生労働省や文部科学省、神奈川県や横浜市など多くの団体からご後援いただくことができました。また、開会式には皇太子殿下にご臨席を賜り、内閣府大臣政務官 阿久津 幸彦様、文部科学副大臣 鈴木 寛様、神奈川県知事 黒岩 祐治様、横浜市長 林 文子様らに列席していただき、お言葉を頂戴いたしました。開会式に参加しました約700名の会員にとりまして、忘れることのできない開会式になったことと思います。
 学術的プログラムにおきましても、参加者総数3200人以上、セッション数が約200と外科領域の国際学会におきましては類を見ない活発なものとなりました。会場の確保やプログラム構成などの点で日本学術会議からご指導いただき、実り多い円滑な運営ができました。帰国の途につきました多くの研究者の方々からも、賞賛とお礼のメールやお手紙を多数いただいております。
 日本学術会議に対しまして、重ねて厚く御礼申し上げます。

広渡清吾日本学術会議会長 渡邊昌彦組織委員長 開会式で挨拶するケネス・ボファード会長 開会式で歓迎の辞を述べる北島政樹名誉委員長
(皇太子殿下の御臨席のもと主催者挨拶を行う 左:広渡清吾日本学術会議会長 右:渡邊昌彦組織委員長) (開会式で挨拶するケネス・ボファード会長) (開会式で歓迎の辞を述べる北島政樹名誉委員長)
開会式でお言葉を述べられる皇太子殿下 来賓挨拶を行う阿久津幸彦内閣府大臣政務官 レセプションで参加者と御歓談される皇太子殿下
(開会式でお言葉を述べられる皇太子殿下) (来賓挨拶を行う阿久津幸彦内閣府大臣政務官) (レセプションで参加者と御歓談される皇太子殿下)



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