代表派遣会議出席報告

会議概要

  1. 名 称

    (和文)国際地質科学連合-万国地質学会議 臨時総会
    (英文)International Union of Geological Sciences International Geological Congress Extraordinary Session of the IUGS-IGC Council

  2. 会 期

    2020年 10月28日~30日(3日間)

  3. 会議出席者名

    北里 洋・西 弘嗣・大久保 泰邦

  4. 会議開催地

    Zoom Webinar による

  5. 参加状況(参加国数、参加者数、日本人参加者)

    参加国数49、参加者数200、日本人参加者3

  6. 会議内容
    • 日程及び会議の主な議題
      • 10月28日 臨時総会開会宣言、来賓祝辞(ISC President, UNESCO Assistant Director General for Natural Sciences), IUGS 執行理事 (President, Secretary General, Treasurer) 活動報告(2016-2020期)、IUGS 部内委員会報告、一連の報告の承認、IUGS 役員選挙(その1)

      • 10月29日 28日の委員会報告等承認状況および役員選挙結果報告、IUGS 役員選挙(その2)、事務局活動報告、IUGS Commissions, Initiatives and Task Groups 報告

      • 10月30日 選挙結果報告、第36回 IGC の延期に関する現状報告、IUGS 加盟国からの決議案の紹介及び承認投票、36th IGC の開催是非に関する加盟国の意向分布投票、臨時総会閉会宣言

      • 11月1日 決議案承認の可否、36th IGC 開催に関する加盟国の意向分布の紹介 (結果報告のみ、メールで通知された)

    • 会議における審議内容・成果
      • 国際地質科学連合執行部、部内委員会、各課題別委員会による2016-2020期活動報告を行い、加盟国によって承認された。

      • 2020-2024期役員選挙が行われた。日本からは、北里 洋が前期に引き続き、財務担当理事に選出された。

    • 会議において日本が果たした役割
      • 北里による2016-2020期財務報告が行われ、異議なく承認された。フェアーな財務運営が行われたことがフロアから高く評価された。その結果、2020-2024期役員選挙においても、ほぼ満票の支持を集めて再選されることになった。学術領域においても、国際舞台では、フェアーであること、透明感を持った運営を実施していることが何より大事であることを実感した。

    • その他特筆すべき事項(共同声明や新聞等で報道されたもの等)
      総会であるので、とくにユニオンとして社会に向けて発信することはなかった。ただ、開会にあたって、ISC、UNESCO の代表からの祝辞をいただけたことは、IUGSが国際組織として学術のみならず、地球規模課題の解決に向けた牽引役としての役割を期待されていることの現れであると理解した。

会議の模様

 コロナ感染のなかで行われた会議であるのでバーチャルな総会開催となった。しかし、Zoom Webinar にありがちな一方通行の会議ではなく、参加者の意見をよく拾った、フェアーな会議になった。Secretary General である Prof. Stanley Finney (California State University, Long Beach校)が、入念な準備を繰り返し、極めてフェアーな運営を行った結果である。
 役員選挙にあたっては、CODATA が開発した Election Runner を用いた。バーチャルな投票であると起こりがちな裏庭での取引などの不正が出ないように工夫をすることができ、極めて公正な選挙になった。選挙結果は、国際組織として求められる国際的な地域バランス、ジェンダーバランスをも反映したものであった。
 各種報告も、執行理事(会長、事務局長、財務)による会務報告こそ生中継で行ったものの、それ以外の委員会報告はすべて事前にビデオ録画したものを流すことで、正確で無駄のないタイムキーピングができた。フロアからの質問も丹念に拾うことができ、マイナーな意見であっても反映する努力がなされたことはとても心地よいものであった。
 イギリス、アメリカ、キプロスから出された決議案(Resolutions)も、運営の透明性を求めたり、既得権益が出ないようにする仕組みの提案がほとんどであり、フェアーであった。
 次回総会は、2024年8月末あるいは9月頭に、韓国釜山で開催される第37回万国地質学会議の会期中に開催される予定である。
 なお、IUGSの理事会は、2021年2月に、バーチャルにて開催される。各年次報告が行われるとともに、IUGSの委員会、関連学協会などへの支援などの予算編成が行われる。

※ 今回の会議はバーチャルな会議であったことから、会議風景などの写真提供はできないことをご理解いただきたい。

次回開催予定:
会 期  2024年8月末あるいは9月頭
開催地  釜山(韓国)