代表派遣会議出席報告

会議概要

  1. 名 称

    (和文)国際理論応用力学連合 総会
    (英文)General Assembly of IUTAM
    (注) IUTAM はInternational Union of Theoretical and Applied Mechanics の略称

  2. 会 期

    令和2年8月25日 から 令和2年8月26日まで(2日間)
    (注) Online国際会議のため、日本時間では令和2年8月25日から27日まで(3日間にわたる)

  3. 会議出席者名

    菱田 公一(第三部会員、IUTAM総会委員、慶応大学名誉教授)
    岸本 喜久雄(連携会員、IUTAM総会委員、東京工業大学名誉教授)
    堀 宗朗(IUTAM総会委員、海洋研究開発機構・部門長)
    佐野 理(IUTAM総会委員、東京農工大学名誉教授)

  4. 会議開催地

    アメリカ合衆国、ボストン市、Tufts大学

  5. 参加状況(参加国数、参加者数、日本人参加者)

    参加国と地域 約48、参加者数 約100名 (うち日本人は4名)

  6. 会議内容
    • 日程及び会議の主な議題
       第1日:令和2年8月25日午前9時から約3時間
       第2日:令和2年8月26日午前9時から約3時間
      (注)いずれも、Online国際会議(virtual meeting)であり、日本時間では
       第1日は令和2年8月25日午後10時から同年8月26日午前1時過ぎまでの3時間余
       第2日は令和2年8月26日午後10時から同年8月27日午前1時すぎまでの3時間余
    • 主な議題
      1. 前回2018年の総会以降の活動および財務の報告
      2. 国際理論応用力学会議ICTAM2020 (イタリアのミラノで開催予定)の新型コロナウィルス蔓延にともなう1年延期措置への対応の報告
      3. 新規加入・脱退等(国名,団体)の審議
      4. 2020-24年の国際理論応用力学連合の役員、国際会議委員、関連小委員会委員、等の改選
      5. 2022-23年開催のシンポジウムやサマースクールなどの決定
      会議の初日に報告と予備的な議論を、第2日には必要に応じてさらに審議をしたうえで採決・決定した。
    • 会議における審議内容・成果
      1. IUTAM役員(任期2020年~2024年)の選出
         新会長にN.A.Fleck(UK)、事務局長にH.Petryk(ポーランド)、財務担当理事にD.Henningson(スウェーデン)を、また理事にI.G. Goryacheva(ロシア)、岸本喜久雄(日本)、A.P.S. Freire(ブラジル)、D.Lohse(オランダ)を選出した。なお、岸本喜久雄 東京工業大学名誉教授は日本学術会議の連携会員である。
      2. IUTAM SymposiumおよびSummer School(2022-23開催分)の採択
         前掲期間内に開催されるシンポジウム13課題を審議決定した。これには日本の藪野浩司(筑波大学)とイタリアのWalter Lacarbonara(Rome大学)から共同提案されたシンポジウムNonlinear dynamics for design of mechanical systems across different length/time scalesが含まれている。採択された課題の内訳は固体系7、流体系3、流体固体系3、また課題提案国別では、中国5、フランス2、ドイツ2、日本1、デンマーク1、ポーランド1、アイルランド1となっている。
         サマースクールについては2課題(いずれも流体固体系)を採択した。
    • 会議において日本が果たした役割

       近年、日本国内では力学分野に関わる研究者が理学・工学、理論・実験・数値解析などの枠を超えて最先端の研究を活発に進めており、国際学会の研究成果発表等においても日本のプレゼンスは高まってきている。これらを背景として、国際研究組織においても役員の選出、シンポジウムの採択などで日本の果たす役割はより大きなものとなっている。

    • その他特筆すべき事項(共同声明や新聞等で報道されたもの等)

       特になし

会議の模様

新型コロナウィルス蔓延に伴い、今回ははじめての試みとしてonlineによるvirtual meetingで開催された。参加者が全世界にまたがるため、時差の問題はあったが、会議はさしたる混乱もなく、また短時間に終了した。ただし、この会合では執行部と参加者を縦につないでの議論はできたが、参加者どうしが同じ会場で直接交流したときに得られる横方向の情報交換、たとえば研究動向や研究環境をめぐる副次的な情報交換など、ができなかったことにはやや物足りなさを感じた。また、国際組織の委員の選出にあたっては候補者の研究業績だけでなく、研究分野、地域、性別、など様々なバランスを考慮することが多いが、今回の会議では世界的な潮流を踏まえ、理論応用力学においても女性研究者の育成の必要性を強く感じた。これは今後の日本の宿題とも思われる。

次回開催予定:
会 期  令和4年
開催地  英国、ケンブリッジ市
(詳細は後日発表)