代表派遣会議出席報告
会議概要
- 名 称
(和文) 哲学系諸学会国際連合総会及び第24回世界哲学会大会
(英文) General Meeting of the FISP and the XXIV World Congress of Philosophy - 会 期
平成30年 8月13日~20日(8日間)
- 会議出席者名
納富 信留
- 会議開催地
中華人民共和国(北京)
- 参加状況 (参加国数、参加者数、日本人参加者)
97か国、約4784名、内日本人104名
- 会議内容
- 日程及び会議の主な議題
第24回世界哲学会は、8月12日(日)より会場の中国国家会議中心(CNCC)で参加登録が行われ、13日(月)午前に人民大会堂で開会式が開催された。同日午後から「プレナリー・セッション」「シンポジウム」「招待講演」、及び、「研究発表セッション」が、20日(月)午後まで、毎日開かれた。会議のテーマである「Learning to be Human 学以成人」に沿った報告や議論が多数気企画されていたが、概して、哲学に関連するきわめて幅広いテーマから成果発表と討論が行われた。20日(月)夕方に閉会式が行われ、8日間の日程を終了した。
哲学系諸学会国際連合(FISP)の総会は、16日(木)の午前・午後に北京大学にて開催され、次回WCPの開催地の決定、及び、次期の運営委員(Steering Committee)の選挙を行った。
- 会議における審議内容・成果
世界哲学会では、多数のカテゴリーで研究発表を募り、事前審査を経て口頭発表と議論が行われた。中国での開催という事情からか、中国哲学についての発表も目立った。研究の水準には幅があり、全体として必ずしも高いとは言えないが、世界のほぼ全地域から哲学研究者が参加していることから、国際交流と情報交換という役割が強い学会となっている。大会では、英語、フランス語、ドイツ語、スペイン語、ロシア語、中国語が公式言語ととされており、従来は英語が多い傾向にあったが、今回は中国語のみの発表やセッションも目立った。国際学会での多言語使用が、日本人参加者の多くには課題となった。
- 会議において日本が果たした役割
100名を超える日本からの参加者の多くが、様々なセッションで、一つないし複数の研究発表を行った。主要セッションでは、8月15日(水)9:00-10:50のプレナリー・セッション「コミュニティ」で、伊藤邦武(京都大学名誉教授・龍谷大学教授)が招待発表を行った。
- その他特筆すべき事項(共同声明や新聞等で報道されたもの等)
- 日程及び会議の主な議題
会議の模様
5年ごとに開催される世界哲学会に、私自身は4回目の参加となったが、2008年の韓国ソウル大会に続く東アジアでの開催となり、世界の哲学界のなかでアジアの研究者たちが果たす役割が確実に大きくなり、世界的にも認知されていることを強く感じた。他方で、人民大会堂で開会式を開くなど開催国が全面的にバックアップした大会運営が行われ、中国人(研究者、学生、その他)が全参加者の半分以上を占めるという特殊状況もあって、哲学の国際学会のあり方について新たな時代を迎えたという印象を持った。今後、日本からより積極的な参加や運営への貢献が必要であると痛感した。
今回の哲学系諸学会国際連合総会(FIPS)総会で、次回2023年の第25回世界哲学会の枠組みについて決定がなされた。日本・東京(東京大学)が開催地として立候補し、世界哲学会の会場で招致宣伝活動を行なった。総会での投票では、東京を含む4つの候補の間で2度の投票が行われ、第1位オーストラリア・メルボルン、第2位ブラジル・リオ・デ・ジャネイロ、第3位東京、第4位イラン・テヘランという結果となった。
次回開催予定 2023年7月(オーストラリア、メルボルン)