代表派遣会議出席報告

会議概要

  1. 名 称  

    (和文)   国際地理学連合2018年国際地理学会議(RC) 
    (英文)   International Geographical Union Regional Conference 2018

  2. 会 期

    2018年8月3日~10日(8日間)

  3. 会議出席者名

    氷見山幸夫

  4. 会議開催地

    カナダ国ケベック市

  5. 参加状況  (参加国数、参加者数、日本人参加者)

    1) 国際地理学連合(IGU)役員会
       参加国数 10カ国
       参加者数 11名(うち日本から1名)

    2) 国際地理学連合(IGU)2018年国際地理学会議(RC)
       参加国数 99カ国
    参加者数1313名、うち日本からは77名参加(カナダ(422名)、米国(281名)、中国(92名)に次ぎ第4位)

  6. 会議内容  
    • 日程及び会議の主な議題

       1) 国際地理学連合(IGU)役員会 (8月3日~5日)

      ・役員活動報告
      ・経理報告、今後の見通し
      ・IGU加盟国(地域)の確認とアジア、アフリカ、中南米等への拡大策
      ・コミッション・タスクフォースの活動
      ・IGUの重点的活動:IYGU (International Year of Global Understanding) のSDGU (Science Decade for Global Understanding) への移行
      ・2018年1月~3月に実施されたIGU役員(事務局長、及び副会長3名)の改選結果の確認と事務局のケープタウン大学からデリー大学への移動
      ・ISC(国際学術会議)等のIGU関連組織やFuture Earth, SDGs, ESDなどの国際プログラムへの対応
      ・2018年IGU国際地理学会議(RC)打ち合わせ
      ・2024年までの国際地理学会議(IGC)、国際地理学会議(RC)、テーマ会議(TC)の確認:コペルTC(2019)、イスタンブルIGC(2020)、パリIGC(2022)、ダブリンIGC(2024)
      ・2022年のIGU発足100周年記念事業及び国際地理学会議(IGC)発足150周年特別会議

      2) 国際地理学連合(IGU)2018年国際地理学会議(RC) (8月5日~10日)

      ・会議のメインテーマは”Appreciating Difference”。自然科学から人文社会科学の広い領域に及ぶ地理学のほとんどの分野をカバーする196のセッションが開設され、1200件の口頭発表、82件のポスター発表が行なわれた。

    • 会議における審議内容・成果

      1) 国際地理学連合(IGU) 役員会 (8月3日~5日)
         上記の通り。

      2) 国際地理学連合(IGU) 2018年国際地理学会議(IGC) (8月5日~10日)

      ・北アメリカ大陸で国際地理学会議が開催されたのは1992年にワシントンDCで開催されて以来、カナダでの開催は1972年のモントリオール会議以来であり、北アメリカにおける地理学・地理教育の振興と国際化に大いに貢献した。
      ・国際地理学会議では、総会とは別に、会議参加者が誰でも参加できる、Chairs’ Meetingと呼ばれるIGUの役員と各国・各研究委員会代表者との会合が開かれる。従前はビジネスライクな話しが大半だったが、今回は会長(氷見山)の肝いりで、活発な意見・情報交換が行なわれた。主な話題は以下の通りである。

      ・一般向けの新しいイベント”Night of Geography”の提案
      ・ライプチヒ大学に開設されたIGU アーカイブの充実と活用
      ・国際地理学会議・テーマ会議の予定、新規提案
      ・国連の持続可能な開発目標SDGsへの取り組みのマッピング
      ・CODATAなどのデータプログラムへの対応
      ・ICSUの超学際的教育・研究連携プロジェクトTROP-ICSU
      ・オープンソースジオデータプログラムOSGeo
      ・シルクロード地域の災害リスク軽減と持続可能な開発のための国際会議
      ・IGU メンバー国拡大
      ・その他各国・各研究委員会からの情報・話題提供

    • 会議において日本が果たした役割

      ・筆者(氷見山)は2016年8月に国際地理学連合(IGU)の第25代会長に就任しており、このたびの地理学会議は会長として臨む最初の大規模な集会であった。当然ながら会議の主催団体の長として全般を統括し、開会式、地理オリンピック表彰式、Laureats d’Honneur賞授与式、閉会式その他イベント等での挨拶、座長、表彰などの役割を果たした。

    • その他特筆すべき事項(共同声明や新聞等で報道されたもの等)

      ・参加者数1300余名で、カナダで開催されたこれまでで最大の地理学の会議となった。
      ・カナダ地理学会に加えてカナダ地理教育学会も協賛して開催され、かねてより教育に力を入れているIGUにとっても新しく、貴重な経験となった。



会議の模様


国際地理学会議(RC)開会式での一こま
(左からカナダ地理教育学会会長、カナダ地理学会会長、国際地理学連合会長(氷見山)
国際地理学会議(RC)に付帯して行われた
2018年地理オリンピックに参加した
40カ国の代表

次回の国際地理学連合の主な会議は、2020年8月17日~8月21日トルコのイスタンブル市で開催されるIGU国際地理学会議(IGC)である。


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