代表派遣会議出席報告

会議概要

  1. 名 称  

    (和文)   第18回国際数学連合総会2018及び国際数学者会議2018
    (英文)   18th General Assembly of the International Mathematical Union, (IMU GA) 2018 International Congress of Mathematics (ICM) 2018

  2. 会 期

    IMU GA 平成30年7月29日~平成30年7月30日(2日間)
    ICM   平成30年8月 1日~平成30年8月9日(9日間)

  3. 会議出席者名

    清水扇丈

  4. 会議開催地

    IMU GA:サンパウロ市、 ICM:リオ・デジャネイロ市

  5. 参加状況  (参加国数、参加者数、日本人参加者)

    IMU GA(65か国、151名、5名 [以上選挙権を持つ派遣団員]、
      理事(Executive Committee)11名、代議員、オブザーバー等が参加)
      日本人参加者名:森重文IMU総裁(EC)、小島定吉教授(オブザーバー)
      5名の派遣団員: 小澤徹教授(IMU分科会委員長)、小薗英雄教授 (日本数学会長)、
              小谷元子教授(日本学術会議数理科学会員)、坪井俊教授(日本学術会議数理科学会員)、清水扇丈
    ICM (114か国、10506人)

  6. 会議内容  
    • 日程及び会議の主な議題

      [IMU GA]
      平成30年7月29日から平成30年7月30日までの2日間の日程で行われた。4年に1度の総会として、IMUの運営に関する重要な議題を議論した。

      [ICM]
      平成30年8月 1日から平成30年8月9日までの9日間の日程で行われた。4年に1度IMUの主催によって開催される国際数学者会議である。IMUが授けるフィールズ賞、ネバリンナ賞、ガウス賞、チャーン賞、リラヴァティ賞の発表・授賞式と記念講演、招待講演、公開講演が行われた。

    • 会議における審議内容・成果

      [IMU GA]
      事前に配布された議案に従って進められた。分担金を滞納している国名が公表され、予算・決算を議決した。総裁・事務総長・副総裁(2名)を含む理事10名を投票にて選出した。この10名に森重文現総裁が加わり11名が2019-2022年の理事となる。さらに詳しい内容は 2.会議の模様にて記載する。

    • 会議において日本が果たした役割

      [IMU GA]
      森重文IMU総裁は議長として、丸2日間に渡るIMU GAの司会進行・議事の取りまとめの重責を担われた。清水はResolution Committeeの一員として決議案作成に関わった。

      IMU GA 2018

      [ICM]
      柏原正樹教授がチャーン賞を受賞された。チャーン賞(Chern Medal Award、 陳省身賞)は生涯にわたり群を抜く業績を挙げた数学者に贈られる賞として2010年に創設され、今回が3回目の施賞となる。IMU賞の受賞は、フィールズ賞(小平邦彦博士、広中平祐博士、森重文博士)、ガウス賞(伊藤清博士)についで日本人として5人目であり、大変名誉なことである。

      森重文IMU総裁によるICM2018式辞 柏原正樹教授チャーン賞受賞

      フィールズ賞受賞委員会委員長に森重文IMU総裁、ICM2018招待講演者選定委員に中島啓教授、ガウス賞受賞委員会委員に小谷元子教授、チャーン賞受賞委員会委員に神保道夫教授、リラヴァティ賞受賞委員会委員に石井志保子教授が就任されていたことがICM初日の8月1日に発表された。それぞれの受賞委員会および講演者選考委員会は5?11名で構成されており。日本人がこれだけの委員会委員を担っていることは重要なことである。

      ICM招待講演は、伊山修教授(代数)、藤原耕二教授(トポロジー)、荒川知幸教授(Lie理論)、河東泰之教授(作用素代数)、儀我美一教授(偏微分方程式)によって行われた。

    • その他特筆すべき事項(共同声明や新聞等で報道されたもの等)

      ICMにおける柏原正樹教授のチャーン賞受賞は、8月1日の発表と同時に世界中に新聞やインターネットを通じて報道された。



会議の模様

[IMU GA]
今回採択された特記事項は以下の通りである。

(1) 以前から検討されてきた課題であった、ネバリンナ賞の命名が変更されることとなった。
(2) ドイツ・ベルリンの Weierstrass Institute for Applied Analysis and Stochastics (WIAS)をIMU事務局のstable officeとする。
(3) これまでICMの招待講演者選定はProgram Committeeで行われてきたが、Structure Committeeを新設し、Structure Committeeでセクションとそのセクションの人数を決め、Program Committeeはその枠組みにおいて講演者を決定する。
(4) これまで次回のICMの開催地はその前回のIMU GAまでに1つに絞られていたが、次回2022年度はロシア・サンクトペテルブルグとフランス・パリの2候補地が名乗りを挙げ実質的な投票に持ち込まれた。7月29日午後に両開催地の委員によるプレゼンテーションの後投票が行われ、僅差でロシア・サンクトペテルブルグに決まった。

次回開催予定
2022年7月末から8月(詳細は未定)にロシア・サンクトペテルブルグにて開催される。2018年まではIMU GAとICMは同国内の別の都市で開催されてきたが、2022年は同じ都市サンクトペテルブルグで開催される。




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