代表派遣会議出席報告

会議概要

  1. 名 称  

    (和文)   第38回国際生理科学学会連合大会
    (英文)   38th meeting of the International Union of Physiological Sciences(略称 IUPS)

  2. 会 期

    平成29年7月30日~8月 5日(7日間)

  3. 会議出席者名

    御子柴克彦

  4. 会議開催地

    ブラジル国 リオデジャネイロ市

  5. 参加状況  (参加国数、参加者数、日本人参加者)

    参加国数 64カ国、参加者数 1545名、日本人参加者 29名

  6. 会議内容  
    • 日程及び会議の主な議題

      IUPS理事会 【7月29日(9時~5時30分)、7月30日(9時~4時)】
      1) IUPS理事長Denis Nobleから挨拶
      2) IUPS第一副理事長からの報告
      3)IUPS第2副理事長からの挨拶の後に報告
      4)事務局長から報告
      5)会計担当理事報告

      【8月1日~8月5日 大会期間】
      IUPS総会   8月1日 9時から12時までIUPS総会が開催された。
      8月2日5時~6時10分  御子柴克彦 キイノート レクチャー



会議の模様

IUPS理事会 【7月29日(9時~5時30分)、7月30日(9時~4時)】

1) IUPS理事長Denis Nobleからの感謝の挨拶があった。

2) IUPS第一副理事長からの報告。地域(リージョナル)活動委員会はバーミンガム大会2013年の際に立ち上げられた各地域からの代表によるもので、いわゆる後進国の底上げをする為に作られた。現在 1)北米,南米 2)ヨーロッパ、3)亜細亜オセアニア、4)南アフリカがある。これらの大きな格差を何とかしようとの考えが提唱された。会計に関しては改訂をして行かなければ成り立たないとの意見が出され、それに関して議論された。
「生理学Physiologyとは何か」の概念の組み立て方を考えて来たが、引き続き組み立てて行くことになった。

3)IUPS第2副理事長からの挨拶の後に報告がなされた。
今回の理事の候補は、生理学の各研究分野を強化して行く上で、コミッション委員長の役割を強化する為に理事が担当のコミッションを決めて研究分野の強化を計る「コミッション担当理事」という形で立てられている、との説明がなされた。教育委員会から報告がなされた。この委員会の目的は比較的遅れている国において生理学の教育を推し進める為であり、その各地域毎の活動が報告された。広く生理学を浸透させて行き学問の進展に貢献する目的の為、余り細分化しないようにとの考えも示された。

4)事務局長から報告。本リオデジャネイロでのIUPS2017大会に関してのこれまでの取り組みと今回に至る経過報告がなされた。
IUPSの経済基盤がかなり弱いため、これが4年に1回開催されるIUPS大会にも色々な影響を及ぼしている事がはなされた。しかしそれにも関わらずプログラムコミッティー(Scientific Programming Committee(ISPC))に関する報告がなされ、各コミッティーが去年8月にサンパウロでface to face meeting (顔を突き合わせての会議)を集中して行ったために、立派なプログラムのなったことが報告された。

各コミッションとその委員長が理事になるという大きな改革(3)で記載)を行う為に、IUPSの規則の変更をしながらここ迄来ることが出来たとの説明があった。結果として新理事は5名の常任理事(ExCo)と各コミッションのチェアーとして11名の理事、地域メンバーとして4名の理事として、合計20名の理事で構成されることになり、新しい門出となるものである。
また総会は選考委員会の役目を果たすので、今後新理事との間でよりよい委員の選定が期待されると伝えられた。

5)会計担当理事報告
IUPS全体の予算は年間100,000米ドルであり、収入は構成する各国の生理学会からの収入によっている。しかし会費が払われない国が数カ国ある現状が報告された。またIUPSはAPS(アメリカ生理学会)と共同でPhysiology誌を発行している現状報告がなされた。
全収入の2/3はマネージャーに支払われている。残りの半分はPhysiology 誌の発行の為に使用されている。また2017からはPhysiome誌が発行されるべく準備がすすんでいる。いずれにしても出来るだけ出費を減らす形で進めているとの報告がなされた。

【8月1日~8月5日 大会期間】

IUPS総会   8月1日 9時から12時までIUPS総会が開催された。
日本で選出された石川先生、鯉淵先生、松岡先生、関野先生が会議に参加して投票に参加した。

8月2日5時~6時10分  御子柴克彦は キイノート レクチャーを行った。

日本からは御子柴克彦 (理研)と久保義弘(生理研究所)が選任された。
御子柴克彦は神経生物のコミッションを統括する。
久保義弘は分子,細胞のコミッションを統括する。

IUPS 新理事会  8月5日2時から4時迄の間、新理事長Julie Chan(台湾)による新理事による理事会が開催された。御子柴克彦は理事2期目として参加。久保義弘は新理事として参加した。これ迄の生理学の考え方を世界へ広めてゆき、教育にも力を注いでいくなど、今後の活動に理事関わって行く事が確認された。

新規に選ばれた理事の集合写真
前列左2人目 Dennis Noble前会長、左3人目 Julie Chan新会長、左4人目本人
上段右は久保新理事
キイノートレクチャーを終えた後に司会のLusiane M. Bendhack (ブラジル)教授との写真 キイノートレクチャー公演後に司会のBendhack教授と聴衆の皆さんとの記念撮影
代議員の5人の先生方と総会にて(本人は一番左)
左から御子柴、石川先生、関野先生、鮫淵先生、久保先生

次回開催予定 2021年10月中旬


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