代表派遣会議出席報告

会議概要

  1. 名 称  

    (和文)   COSPAR理事会(第86回)、科学諮問委員会(第12回)、(総会、シンポジウム)プログラム委員会
    (英文)   The 86th COSPAR Bureau Meeting, The 12th COSPAR Scientific Advisory Committee (CSAC) Meeting, Program Committee Meeting of COSPAR 41st assembly Program Committee Meeting of the 3rd COSPAR Symposium

  2. 会 期

    平成29年3月20日~22日(3日間)

  3. 会議出席者名

    佐々木晶(大阪大学)、中村卓司(国立極地研究所)、吉田哲也(JAXA)

  4. 会議開催地

    CNES(フランス宇宙機関)、パリ、フランス

  5. 参加状況  (参加国数、参加者数、日本人参加者)

    全会議を通じて、約15カ国、参加者数40人、日本人参加者3人

  6. 会議内容  
    • 日程及び会議の主な議題

    • 会議における審議内容・成果

      COSPAR(宇宙空間研究委員会)の一連の会議が平成29年3月20日から22日までの間、フランス、パリのCNES(フランス宇宙機関)にて開催され、COSPARのBureau memberであり日本代表の佐々木(大阪大学)および科学委員会C委員長の中村卓司(極地研究所)、気球パネル委員長の吉田哲也(JAXA)が出席した。プログラム委員会は、3月20日に開催され、2018月のパサデナ(アメリカ)科学総会のセッション(イベント)の大枠を決めた。3月21日には科学諮問会議が行われ、宇宙科学の各分野、各国の宇宙科学の現状の報告が行われた。また、2017年シンポジウム(済州島・韓国)の準備状況のチェックを行った。Bureau meeting(理事会)は3月22日に開催された。2020年シドニー総会、科学諮問委員会報告、財政報告、出版報告、COSPAR支援シンポジウムである。

    • 会議において日本が果たした役割

      X線天文科学衛星「ひとみ」の失敗はあったが、代替え機の計画を立ち上げて、何とか予算を確保して、宇宙科学を継続的に進めていることを強調した。 様々な計画が国際協力のもと、すすめられていることを説明した。 また、気球分野は、科学者が気球の開発から関わっているからこそ、様々な成果が生まれている、ロケット観測と一緒にパネルを作るという意見があったが、委員長の吉田氏は、レビューアーを巻きこむ形で反対意見としてまとめた。

    • その他特筆すべき事項(共同声明や新聞等で報道されたもの等)

      特にないが、コスパーのメインオフィスの、パリからモンペリエへの移転方針を承認した。



会議の模様

いずれもCOSPARの本部がある、パリのCNES(フランス宇宙局)の会議室、会議場にて行われた。

  • ○ 2017年3月20日 COSPARプログラム委員会(09:00-17:00) 18:00からCOSPAR主催のレセプション
    • 1) 参加者の自己紹介
    • 2) 2018年開催のパサデナ科学総会の全体確認 LOC委員長は、Gregg Vane。7月14日から22日の日程で、開催。Pasadena Hilton Hotelを中心とする。登録料の原案。
    • 3) VISAについては、4ヶ月前の申請を推奨。
    • 4) プログラム  系外惑星の大気の対応するセッションは多い。
       アメリカ開催で、アストロバイオロジー関係の増加を期待
       ポスターは毎日のセッションの最後、その日に下ろす
      全体のイベント数の確認。提出されているEventは、前回ものを踏襲したため案はまだ多い。Bでは佐々木の関与するEventsの統合が行われたが、MSO, DOが複数残るという問題が発生する。全体としては、LOCが調整できる規模となっている。
    • 5) 全体の招待講演について。招待講演については3案が提示され、議論された。過去に招待講演を行った研究者が同じテーマで2度依頼するのは避けるべきという議論があった。
  • ○ 2017年3月21日科学諮問委員会(第12回) 及びシンポジウムプログラム委員会(09:00-17:00)
    • 1) 各科学委員会(A-H)からの活動・関連科学分野の最近の状況の報告 C委員会は中村から現状を報告。
    • 2) 参加国からの現状報告
      米、中、日(佐々木が藤本作成のものをベースに報告)、ロシア、インド等。
      日本は(初期運用のトラブルのため休止した)X線天文衛星ひとみの代替え機の開発推進を明言。
      NASAでは(トランプ政権になって)将来計画の不確定さが大きくなっていて、混乱も生じテイル。環境関係は、大きな予算削減が打ち出されている。NASAやNOAAで人事が決まっていない。
      奇数年シンポジウムは、本年2017年9月に韓国の済州島で"Small Satellites for Space Research."というタイトルで第3回が行われる。日本からは、小型衛星開発の第一人者、中須賀氏が招待講演者に選ばれた。会議が行われるのは、島の南側だが、頻繁に空港との間のバスがあるとのこと。
      直前には、大田にて能力開発ワークショップが開催される。
  • ○ 2017年3月22日Bureau meeting(理事会) 理事会には佐々木(大阪大学)が出席した。以下の決議がされた
    • 1 前回(2016-03-24 第84回パリ)の議事録承認。また、イスタンブール総会中止、電子投票による総会決定など、この1年を振り返る。また、科学諮問委員会の報告を受ける形で、コミッションのレビューを確認した。
    • 2 コスパー総会での招待公演の決定。プログラム委員会での議論を元に、決定した。すでに系外惑星について講演をしたことのある、Sara Seager氏には一般向け講演をお願いすることにした。
    • 3 2000年のシドニー総会(昨年、電子投票で決定)について、開催日時について2案のうち、LOCの希望の高い、8月15-23日を採択した。
    • 4 提案された惑星保護パネルのポリシーを承認した。
    • 5 2017年度の予算、及び、2018年度の各国分担金を承認(物価上昇分のみの変化)
    • 6 コスパースポンサー会合の決定。この中には本年6月の松山開催のISTSも含まれる。
      ・ 31st ISTS, 3-9 June 2017, Matsuyama-Ehime, Japan (no funding)
    • 7 コスパーのオフィスのパリからモンペリエの移動について、基本方針を承認した。
    • 8 能力開発ワークショップの報告が行われた。最近は年2,3回のペースで開かれており、日本人研究者の貢献も増えている。COSPAR予算の中で、7-8万ユーロを占める大きな事業になっている。成果もあがっており今後も重要事業として継続していくこととなった。

また、COSPARが惑星保護についてPROSSという独自予算を獲得して、様々な活動を展開する。5月には日本で(11-12日)に惑星保護の講習会(チュートリアル)をJAXAで行う予定である。

次回開催予定。プログラム委員会、科学諮問委員会、理事会ともは、2018年3月にパリで開催予定である。理事会は、2018年夏科学総会時にも開催予定。

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