代表派遣会議出席報告

会議概要

  1. 名 称  

    (和文)   第1回VarSITI総合シンポジウムおよび第4回SCOSTEP/VarSITI幹事会
    (英文)   The 1st VarSITI General Symposium and 4th Steering Committee of SCOSTEP/VarSITI

  2. 会 期  平成28年6月6日~10日(5日間)(幹事会は6月7日)
  3. 会議出席者名
      塩川 和夫
  4. 会議開催地  ブルガリア国アルベナ
  5. 参加状況  (参加国数、参加者数、日本人参加者)
       参加国数:26か国、参加者数:115名、うち日本人参加者:6名
  6. 会議内容  
    • 日程及び会議の主な議題

      第1回VarSITI総合シンポジウムは平成28年6月6-10日にブルガリアのアルベナで開催された。この期間中の6月7日には、第4回SCOSTEP/VarSITI幹事会が開催された。VarSITI(太陽活動変動とその地球への影響)プログラムは、SCOSTEPが2014-2018年に推進する唯一の国際協同プログラムである。VarSITIシンポジウム及び幹事会では、VarSITIのこれまでの科学成果を報告し、今後の方針やキャンペーン観測の予定などを話しあった。

    • 会議における審議内容・成果

      太陽は周期11年で活動度が変化するが、2009年から始まった第24太陽周期では活動度がここ100年の間で最も低くなっており、世界の研究者がその振る舞いに注目している。ICSU(国際科学委員会)傘下のSCOSTEP(太陽地球系物理学科学委員会)は、2014年からの5年間に国際プログラムVarSITI(太陽活動変動とその地球への影響)を開始してこのような太陽活動変動とその地球周辺の電磁環境や地球気候に与える影響を理解・予測するための国際協同研究を進めている。今回のシンポジウム及び幹事会でも、この太陽活動の変動とその地球への影響について活発な議論が交わされた。
      6月7日に開催された第4回SCOSTEP/VarSITI幹事会では、VarSITIの2名のCo-chair(共同議長)と4つのプロジェクトのProject leaderが集まり、プログラムの今後の運営方針について話し合った。この幹事会の議題は以下の通りである。

      (1) 第2回VarSITI総合シンポジウム(2017年6月、ロシア・イルクーツク)の詳細
      (2) VarSITI及びその4つのプロジェクトの進捗状況報告
      (3) 今後の国際会合におけるVarSITI Townhall Meetingの開催について
      (4) スイスのISSI研究所で開催されたVarSITI/SEE集中ワークショップの王国
      (5) VarSITIによる発展途上国支援活動の報告と今後の予定
      (6) VarSITI国際ニュースレターの執筆担当者について
      (7) 2018年のVarSITI終了時のとりまとめの方針について
      (8) 次回の幹事会について

    • 会議において日本が果たした役割

      筆者はVarSITIの国際共同議長をつとめており、筆者を中心として名古屋大学宇宙地球環境研究所は、このVarSITIの推進を国際的に主導している。VarSITIは現在、世界65か国から770名の研究者が登録しており、宇宙地球環境研究所ではこの研究者のためのメールリストの整備や、3か月に1回の国際ニュースレターの発行などを行っている。

    • その他特筆すべき事項(共同声明や新聞等で報道されたもの等)

      特になし。



会議の模様

これまで別々のコミュニティとして発展してきた太陽・太陽圏物理学の研究者と、磁気圏・電離圏・大気圏物理学の研究者の間の垣根をなくし、太陽活動変動が地球の磁気圏・電離圏・大気圏に与える影響を理解して人類の発展に貢献するのがSCOSTEP/VarSITIの役割である。会議ではこの両分野の研究者の間で議論が進みつつあると感じた。次回の第2回VarSITI総合シンポジウムは、平成29年6月25日―7月1日にロシアのイルクーツクで開催されることが、今回の幹事会で決定された。




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