代表派遣会議出席報告

会議概要

  1. 名 称  (和文)   第21回国際鉱物学連合総会 
               (英文)   21th General Meeting of the International Mineralogical Association
  2. 会 期  2014年9月1日~5日(5日間)
  3. 会議出席者名  大谷栄治、佐藤 努、井上 徹、宮脇律郎、坂野靖行、他
  4. 会議開催地  南アフリカ共和国 ヨハネスブルグ市
  5. 参加状況  (参加国数、参加者数、日本人参加者)
      約40か国、参加者数:約900名、日本人参加者:約40名
  6. 会議内容  
    • 日程及び会議の主な議題
      2014年9月1日~5日に、第21回国際鉱物学連合(IMA)総会が南アフリカ共和国ヨハネスブルグ市サントン地区で開催された。鉱物学・岩石学・鉱床学及びそれらに関連する分野において、最新の研究成果が世界約40か国の研究者によって発表された。要旨集に掲載された発表件数は745件で、その内訳は口頭発表516件、ポスター発表229件である。

    • 会議における審議内容・成果
      今回のIMAのメインテーマは”Delving Deeper: Minerals as Mines of Information”であり、南アフリカ開催ということで鉱床学的側面が強調されたものとなっている。58のセッションが設けられ、それらは以下の10のテーマにグルーピングされた:1粘土鉱物学、2地球深部、3鉱床学、4環境鉱物学、5地球化学・岩石学、6分析手法の進展、7結晶学、8鉱物・博物館・文化・歴史、9オープンテーマ、10宇宙惑星鉱物学。多くのセッションにおいて、これまでと同様に先端的な実験機器や理論を用いて新しい成果を生み出すというスタイルの研究が主流であった。ただし、鉱物資源に関するセッションでは比較的オーソドックスな手法を用いた地質学的・鉱物学的研究が多いように思われた。社会的要請に基づく環境鉱物学の研究(例えばCO2 storage, Inorganic fibers, Radioactive waste disposal)は活動的であり、今後もこの分野が発展する傾向は続くものと思われる。また、Archaeometry and Geosciences, Mineral, museums, culture and history, Education and skill developmentといった文化系的なセッションもあり、この会議では非常に幅広い分野を対象としていることが分かる。

    • 会議において日本が果たした役割
      5つのセッションに於いて日本人がコンビナーを務め、各セッションをリードした。具体的には、地球深部の鉱物学では大谷栄治教授・井上 徹教授、深部地球のための数値計算鉱物物理学では土屋卓久教授・土屋 旬准教授、核燃料廃棄物の鉱物学では佐藤 努教授、変成過程の年代学では辻森 樹准教授の6名である。
    • その他特筆すべき事項(共同声明や新聞等で報道されたもの等)
      1958年に創設された国際鉱物学連合の歴史において、アフリカ大陸での総会の開催は今回が初めてであった。場所が欧米圏からやや離れているせいか、過去最大規模となった前回大会(ブダペスト、参加者約1700名)にはおよばない参加者数であった。


会議の模様

南アフリカ共和国の大学及び民間企業関係者から構成された組織委員会によって円滑に会議が運営された。会議はSandton Convention Centre (SCC)という会議専用の建物で開催され、会議運営に関して大きな問題はなかった。
IMA business meetingでは、我が国から4名(第1回、大谷栄治、井上 徹、宮脇律郎、坂野靖行:第2回、大谷栄治、井上 徹、佐藤 努、坂野靖行)が出席した。この場でIMA councilの構成、各種委員会・ワーキンググループの構成などが審議され、議長提案が賛成多数で可決された。委員会のメンバー更新、廃止等の議論が行われた。不活発であったCommission on Mineral Growth and Interface Processesは、投票の結果廃止が決定された。ワーキンググループに関しては、一括して廃止し、活動的なものについては委員会に格上げする方針を決定した。廃止および委員会格上げの決定は、カウンシルに一任することとし、カウンシルはワーキンググループの長に意向を打診し、早急に廃止と委員会への昇格を決定することになった。またIMA Web-siteを積極的に活用していく方向性が示された(総会・各種委員会での規則等の改正案、議題の提案、議事録などのドキュメント類をWeb上に掲載。またこれまでのIMA活動の資料をWeb上にアーカイブする)。
国際会議M&M8日本招致のため博物館委員会(Commission on Museums)に坂野靖行(日本代表委員)及び宮島 宏(委員会ゲスト)が参加した。日本と中国からM&M8の招致提案がなされた。9月5日に博物館関連のセッション休憩時間に両者の公開招致プレゼン(持ち時間10分)が行われた(日本側のプレゼンターは宮島 宏フォッサマグナミュージアム副館長)。9月末までに博物館委員会Web site上に両者のプレゼン資料が掲載され、委員会メンバーによる電子メールによる投票が行われることとなった。投票期限は9月末までに設定される予定である。


次回のIMA business meetingは2016年にルーマニアで開催されるEMUで行われることになった。また、次回の国際鉱物学連合総会(IMA2018)は2018年8月13日~17日にオーストラリア メルボルンで開催されることが既に決められている。展示ブースにおいてIMA2018広報用ブースが出展され、閉会式には組織委員長Dr. Stuart MillsによりIMA2018の広報活動が行われた。


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