代表派遣会議出席報告

会議概要

  1. 名 称  (和文)   第20回国際土壌科学会議
               (英文)   20th World Congress of Soil Science
  2. 会 期  平成26年6月8日~13日(6日間)
  3. 会議出席者名  犬伏和之

  4. 会議開催地  韓国、済州島、済州国際会議場
  5. 参加状況  (参加国数、参加者数、日本人参加者)
      112カ国、約2100人(うち日本人約150名)
  6. 会議内容  
    • 日程及び会議の主な議題
      平成26年6月 8日 理事会、第1回土壌判定コンテスト表彰(日本チーム第3位受賞)
             6月 9日 開会式、IUSS90周年記念式典(FAO代表のビデオメッセージなど)、基調講演(土壌と世界平和)、
                  分野横断型シンポジウム、執行委員会、ポスターセッション(初日分603件のうち優秀ポスター賞
                  27件中6件を日本が受賞)、土壌パレードなど
             6月10日 基調講演(土壌と安全保障)、分野横断型シンポジウム、課題別シンポジウム、ポスターセッション、
                  執行委員会
             6月11日 土壌断面現地検討会(火山灰起源土壌の生成と世界土壌分類照合との比較、火山活動との関連、
                  土地利用、生産性、炭素貯留、地下水利用などを現地で議論)
             6月12日 基調講演(土壌-植物保全と人類)、分野横断型シンポジウム、課題別シンポジウム、執行委員会
             6月13日 基調講演(IUSSの地球資源としての土壌への取り組み)、分野横断型シンポジウム、課題別シンポ
                  ジウム、理事会、閉会式(新会長挨拶、次期開催国紹介など)


    • 会議における審議内容・成果
      学術的成果:
      土壌科学の社会における重要性が、気候変動や食糧・資源問題が深刻化する国際情勢に鑑みて再確認された。また国際的に、あるいは国・地域で土壌科学が解決すべき汚染や浸食、問題土壌の克服など様々な課題の多様性と戦略についても再認識された。さらに国際学術機関や連合の動向と国際土壌科学連合の役割、今後の展開方針について議論が深められた。

      理事会審議内容:
      会長報告・事務局長報告:事務局体制の変更説明、国際土壌科学連合の活動強化、次期会長選出経過報告、学会賞選考委員会報告、規程検討委員会報告、2015年世界土壌年の活動計画、2022年大会開催地選考方法の確認、2024年IUSS100周年記念大会の企画、済州宣言の確認、発表成果の公開方法、IUSSの分科会構成の新提案など

      執行委員会審議内容:
      規約委員会報告、次期会長選出経過報告、新会長・役員紹介、財務会計報告、IUSS関連国際会議、土壌分類体系、2024年IUSS100周年記念大会、2022年大会開催地選挙で英国に決定。

      分野横断型シンポジウム:
      放射能対策と土壌科学、水田土壌と重金属汚染、塩類土壌と砂漠化、アフリカの飢餓回避と土壌学、土壌浸食、バイオエネルギーと土壌、地球土壌共同体、土壌の健康、バイオ炭と地球環境、ナノテクノロジーと土壌科学、土地利用変化と熱収支、土壌情報、気候変動と土壌、土壌微生物生態系など

      課題別シンポジウム:
      気候変動と土壌科学、土壌炭素貯留と地球温暖化、水田土壌と水資源、火山灰土の特徴と管理、土壌微生物の機能と可能性、水資源と乾燥地農業、土壌有機炭素、土壌モニタリング、酸性硫酸塩土壌、植物栄養における金属の役割、生物多様性と土壌など


    • 会議において日本が果たした役割
      1) 組織委員として3名(小崎、波多野、犬伏)が加わり、国内の協力を得てシンポジウムの課題設定、座長などを務めた(上記シンポジウムの下線課題ほか)。
      2) プレコングレスツアーを日本で開催し(6月2-6日)土壌巡検とシンポジウムを開催した(参加12カ国42名)。
      3) IUSS協力学術誌であるSoil Science and Plant Nutrition誌の刊行60周年式典が開催され、IUSS会長および次期会長から基調講演の特集号への企画提案があった。
      4) IUSS新役員には8名の日本人(4つのDivision chairのうち2名を含む)が選出され、アジア各国と連携して、土壌科学への更なる国際貢献が期待されている。

    • その他特筆すべき事項(共同声明や新聞等で報道されたもの等)
      土壌科学の重要性を社会に広く情報発信するため済州宣言が採択された。 IUSS設立90周年式典が開催されFAO代表に感謝状が贈呈された。


会議の模様

気候変動の緩和策として注目される土壌炭素貯留機能の強化について、昨年IUSSが主催した会議の成果が上程された。土壌の性質と過程に関する第2部門では、土壌酵素や環境浄化、気候変動緩和機能と土壌有機物の関係、土壌生物多様性、土壌界面相互作用について、国際シンポジウムなどが開催されており、これらは引き続き2015年の世界土壌年に関係するIUSSキール会議のシンポジウムテーマとしても継続して議論することが検討されている。2018年リオデジャネイロでの次期WCSS大会でのシンポジウム案が2016年に同地で開催予定の中間会議で提案される。また、名誉会員推薦(今回は2年前選出された韓国、米国、カナダ、オーストラリア、イタリアの受賞者が披露された)、次期役員選挙など重要事項も中間会議の審議項目となる。


次回開催予定  2015年9月 IUSS会議(国際土壌年シンポジウム)ドイツ、キール
            2016年   IUSS中間会議 ブラジル、リオデジャネイロ

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