代表派遣会議出席報告

会議概要

  1. 名 称  (和文)   世界結晶年オープニングセレモニー
               (英文)   International Year of Crystallography Opening Ceremony
  2. 会 期  平成26年 1月20日~21日(2日間)
  3. 会議出席者名 大橋裕二
  4. 会議開催地   フランス国パリ市UNESCO本部
  5. 参加状況  (参加国数、参加者数、日本人参加者)
      参加国:50カ国、参加者数:250人、日本人参加者:2名
  6. 会議内容

    ・日程及び会議の主な議題

    2014年は国連総会が宣言した世界結晶年であるので、世界結晶年を提案した国際結晶学連合(IUCr)と国連のユネスコが共同して、1月20日と21日の2日間、開会式を開き、広く世界に世界結晶年の幕開けを宣言したものである。

    ・会議における審議内容・成果

    開会式の挨拶は播揮文国連事務総長の挨拶(ビデオ)、Bokovaユネスコ事務総長などの挨拶があり、引き続き、Glusker博士の基調報告(結晶学、過去、現在、未来)が行なわれた後、以下の5つのセッションに分かれて、シンポジウムと講演が行なわれた。(1)才能ある世界の若い結晶学者の討論、その後、ノーベル賞受賞者Kobilka博士の講演があり、(2)BRICS諸国における結晶学の発展、(3)結晶学が社会に与えた影響と未来、(4)結晶学の対称性と芸術、(5)結晶学と世界平和、である。最後にユネスコの国際基礎科学部長のNalecz博士のまとめがあった。

    ・会議において日本が果たした役割

    世界結晶年はIUCrの前・前会長の大橋裕二が4年前にIUCr理事会で提案し、その後IUCrが2年間準備運動を続けて、2年前の2012年に国連総会で宣言されたものである。結晶学は今や物質科学の中心的かつ横断的な役割を果たしていることを広く知らせて、その研究と教育が広く世界で実行されることを目指したものである。日本の各企業や研究機関からこの開会式に資金的な援助も行なっている。

    ・その他特筆すべき事項(共同声明や新聞等で報道されたもの等)

    世界結晶年の具体的な活動は、それぞれの国や地域において、結晶学の果たしている役割を知らせることにある。開会式に於いて、今年オープンラボを世界各地に設置して、結晶解析のためのデータ測定サービスを行なって、まだX線回折装置を購入できない開発途上国の結晶学の発展に寄与することにしている。
    日本国内においては、世界結晶年日本委員会を設立し、1月23日に日本学術会議講堂において開会式を挙行している。そして開会式の後、今年各種のイベントが挙行されることになっている。詳しくはHP(www.iycr2014.jp)を参照してほしい。わが国はIUCr加盟国の中で、最も強力に世界結晶年の活動を展開している国である。

会議の模様

会議の参加者は、世界各地から集まり、とくにこれからの結晶学の発展に貢献できる若い研究者の参加が期待されていた。しかし時期的には関連の会議などが開催されていないので参加しにくい時であり、引退した各国の名誉教授が多かった。また若手参加のための資金援助も充分ではなかったので、8名のシンポジウム報告者(写真掲載)以外には数名しかいなかったのが残念である。日本からも開会式が重なる時期であったので、参加者は2名となった。しかし開会式はスタートラインであるので、これからのこの1年の具体的な活動が大切である。
なお、年末には閉会式も行なわれる予定である。

講演した若手研究者
(コートジボアール) (南アフリカ) (サウジアラビア) (バングラデシュ)

講演した若手研究者
  (韓国)  (アルゼンチン)  (ポーランド) (デンマーク)
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