代表派遣会議出席報告

会議概要

  1. 名 称  (和文)   世界工学団体連盟理事会・総会および2013年世界技術者サミット
               (英文)   World Federation of Engineering Organization (WFEO) Executive Council and General Assembly Meetings; World Engineers Summit 2013
  2. 会 期  2013年 9月9日~15日(7日間)
  3. 会議出席者名   小松利光、塚原健一
  4. 会議開催地
      シンガポール共和国
  5. 参加状況  (参加国数、参加者数、日本人参加者)
      参加国数:39カ国,参加者:908人,日本人参加者:13人(IES事務局より)
  6. 会議内容
    • 日程及び会議の主な議題
      9月 9日:CDRM会合,Australia-night
      9月10日:WURC等の他委員会会合、Welcome reception
      9月11日:WEC2013開会式、STC グループ会合
      9月12日:WES2013学術セッション
      9月13日:WECC2015国際諮問委員会、WFEO理事会、Gala-cum-Awards Dinner
      9月14日:WFEO総会
      9月15日:新WFEO理事会
    • 会議における審議内容・成果
      9月9日CDRM会合
      ‐過去の委員会活動実績の報告(サブ委員会:水害関連,地震関連,Capacity Buildingの活動実績も含む),人事の更新(委員長・リーダーの新旧交代,副委員長の追加,新委員の承認),今後の活動目標の報告が行われた.
      ‐その他,国際機関との連携,サブ委員会において,CDRM委員でなくても専門員として協力・参加できる事を確認,予算不足の問題提起,東北大震災に関係した技術者の社会的責任の論文紹介などがあった.
      9月9日Australia-night
      ‐駐シンガポール豪州高等弁務官(大使相当)主催で現地公館に招待されAustralia 工学会の取り組みやWECC2019のプロモーション活動を伺った.
      9月10日WURC会合
      ‐過去の委員会活動実績の報告(国連,国際機関や地域機関との連携状況や技術的支援),人事の更新,今後の方針が話し合われた.例えば,今後の連携の模索として地域工学会(ASCE)や世界銀行をターゲットにしたいとの提案もあった.
      9月11日STCグループ会合
      ‐各STC委員長が集まりSTCの今後について話し合われた.また,次期会長選挙立候補者のSTCに関連した諸策演説の聴講とQ&A,STC評価委員会の取り組みについて,評価される委員長の立場より議論が行われた.
      9月13日WECC2015国際諮問委員会会合
      ‐柘植会長よりWECC2015準備状況とプログラムの説明があった.
      9月13日理事会会合
      - WFEO全体の活動報告,予算・決算報告,常設委員会の活動報告,国際組織会員の活動報告,選挙管理委員会報告(次期会長の立候補,WECC2019開催国の立候補)等がなされた.次期会長の立候補では,2名の政策演説があり,WECC2019開催国の立候補国であるオーストラリアとUAEがプレゼンテーションを行った.
      9月14日総会会合
      ‐内容的には,前日の理事会会合を繰り返すものであったが,新体制,今後の予算案の承認が行われた.また,次期会長とWECC2019開催国の選挙が実施され決定された.
      9月15日新理事会会合
      ‐新会長Maruwan Adelhamid氏(パレスチナ)より所信表明があり,今後の活動方針を提示された.特にアフリカの加盟国を増加させる為の諸策や予算面における不足分を他の国際機関(例:世界銀行)との連携に力と注ぎたいとの提案があった.最後にシンガポール宣言の提案も行われた.
    • 会議において日本が果たした役割
      ‐WEC2013閉会式(Gala Dinner)において,開催国としてWECC2015の紹介を行った(柘植会長).また,会議開催期間を通してプロモーション活動(リーフレットや関連グッズの配布)を積極的に実施した.
    • その他特筆すべき事項(共同声明や新聞等で報道されたもの等)
      ‐STC評価委員会(Peter Greenwood氏)より,CDRMの今後の活動に対して助言があった(日本以外での活動,国際機関との連携).
      -新理事会会合の最後にシンガポール宣言「Engineering for a Sustainable Future」が提案された.これは,WFEOの使命「工学を通して社会経済の安定,持続可能社会の実現,貧困問題の解決を目指す」ことを踏襲したものである.

会議の模様

1)総会での決定事項・宿題等

- 次期会長(2015~2017)にはブラジルのJorge Spitalnik氏が当選した.
(注:その他の人事関連の選挙はなかった)
- 常設委員会委員長交代など

① Committee on Anticorruption(反汚職)現委員長(Kamel Ayadi氏)を解任,新委員長はジンバブエより選出する予定である.
② Committee on Disaster Risk Management(災害リスク管理)新委員長:小松利光氏を確認(既に理事会で承認済み)された.

‐WECC2019開催地がオーストラリア(メルボルン)に決定した.

2)WES2013(世界技術者サミット)
日本人研究者が多く参加した防災関連のセッションにおいては,2件の基調講演と4件の技術論文の発表が行われた.詳細は以下の通り.
基調講演:

台風Morakotの影響で歴史的被害を経験した台湾における事後の防災対策の紹介
様々な自然災害に対する包括的減災支援システムの提案

技術論文発表:

都市水害軽減の為のリアルタイム排水システムの構築
気候変動影響下の近未来洪水予測研究
過去の火山噴火による河川洪水について歴史的検証
ミシッシピー川洪水における旧floodwayの利用価値の検証

その他,学術・技術セッションの中には,女性技術者をテーマとし育成や活躍の場の提供,各国の事情等,若手技術者の育成と活躍の機会創出などが話し合われたもの,日本の福島原発事故を教訓に,自然・再生エネルギーの現状や将来像について,ASEAN諸国の取り組みなどの討論会が実施されもの,若手技術者のつどいなどのセッションもあった.

(Abbreviation)

CWiE =Committee on Women in Engineering
CDRM=Committee on Disaster Risk Management
IES=The Institution of Engineers Singapore.
STC=Standing Technical Committees(常設委員会)
UAE=United Arab Emirates
WECSI=World Engineering Conference on Sustainable Infrastructure
WURC=WFEO-UN Relations Committee(国連連携委員会)

3)次回開催予定

2014年 4月 理事会 フランス(パリ)
2014年11月 WECSI2014 ナイジェリア(アブジャ)

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