代表派遣会議出席報告

会議概要

1 名 称   国際宗教学宗教史学会 理事会
         ヨーロッパ宗教学会 第11回大会
        (International Association for the History of ReligionsExecutive Committee Meeting)
        (11th Annual Conference of the European Association for the Study of Religion

2 会 期 平成24年8月22日~26日(5日間)

3 会議出席者名 藤原 聖子(哲学委員会哲学・倫理・宗教教育分科会委員)

4 会議開催地 ストックホルム市 (スウェーデン)

5 参加状況(参加国数、参加者数、日本人参加者)
         参加国 9カ国  参加者数 10名  日本人参加者1名
         (ヨーロッパ宗教学会第11回大会への参加者は、約400名、30カ国、日本人参加者5名)

6 会議内容

国際宗教学宗教史学会理事会においては、主として以下の議事が討議された。
・会長、事務局長、会計による報告
・他の委員による報告
・各国・地域の宗教学会の状況、推進・支援の方法
・特別学会・地域学会のガイドラインの更新
・会員資格に関する会則の更新
・学会叢書の出版企画
・資金調達法の検討
・学会基金の運営
・特別学会・地域学会と国際委員会の打ち合わせ
・学会ホームページとSNSの運営
・学会誌Numenの実績報告
・次回世界大会(ドイツ・エルフルト大会)の打ち合わせ

7 会議の模様
 国際宗教学宗教史学会の理事会においては、本学会が宗教家の集まりではなく学術団体であることをより明確化することが中心課題の一つであった。人文・社会系の学会が外部に対してその存在意義を明確に説明することは、分野を問わず重要な社会的責任となっているが、宗教学では学の存在意義と宗教の存在意義が混同されやすい。すなわち、宗教を擁護する神学と、宗教を客観的に研究する宗教学は異なるものだが、学問の応用を試みる時にその境界が曖昧になりがちである。その点に注意を払いながら、宗教学の社会的認知をいかに高めていくかということが熱心に議論された。ただし、この議論は欧米諸国の内部で行う場合、無自覚の内に西洋中心的視点に陥りがちである。欧米諸国に比べ、キリスト教神学の影響が小さい日本からの理事会への参加は、その視点を相対化し、議論を深めるために重要な貢献となっている。

 また、多くの加入学会の役員が世代交代の時期にさしかかっており、宗教学の伝統の内、どの部分を継承し、どの部分を改めるか、時代状況に対応した改革をいかに成し遂げるかが、学術の内容についても学会組織・運営についても共通の課題となっている。これらの点に関する情報交換の場である国際学会が重要性を増していることが確認された。

 本学会はアフリカ諸国の宗教学者に対し継続的支援を行っている。これに加え、学会誌Numenを途上国の図書館に無料ないし低価格で提供していくことを新たに決議した。

 次回開催予定  2013年 9月

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