代表派遣会議出席報告
会議概要
1 名 称 国際数学連合数学教育委員会総会
(General Assembly of International Commission of Mathematics Instruction)
2 会 期 平成24年7月8日(1日間)
3 会議出席者名 藤井斉亮(東京学芸大学、数理科学委員会数学教育分科会委員)
4 会議開催地 ソウル市 (韓国)
5 参加状況(参加国数、参加者数、日本人参加者)
参加国数:34各国
参加者数:65名
日本人参加者:1名(藤井斉亮(東京学芸大学))
6 会議内容
・日程及び会議の主な議題
国際数学連合数学教育委員会総会は、2012年7月8日(09:00~17:00)韓国ソウル市において開催された。この総会は、4年に一度開催される数学教育国際会議の前日に開催される慣わしで、今回も第12回数学教育国際会議(The 12th International Congress on mathematical Education)の日程に合わせて設定された。
主な議題は、この総会が4年に一度開催されていることから、2008年から2012年までの活動報告と会計報告及びその承認、新会長等の役員選挙であった。
・会議における審議内容・成果
新役員の選挙結果は以下の通り。
Ferdinando Arzarello (President), Italy
Abraham Arcavi (Secretary-General) Israel
Cheryl Praeger (Vice-President), Australia
Angel Ruiz (Vice-President), Costa Rica
Members at Large:
Yuriko Baldin (Member-At-Large), Brazil
Jean-Luc Dorier (Member-At-Large), Switzerland
Zahra Gooya (Member-At-Large), Iran
Roger Howe (Member-At-Large), USA
Catherine Vistro-Yu (Member-At-Large), Philippines
・会議において日本が果たした役割
本数学教育国際会議のあり方自体が議論され、研究者だけでなく現場教師の参加を呼び掛けるべきとの意見が多くだされたが、日本としては海外で近年注目を浴びている日本の授業研究を企画に組み込むべきと提案した。
・その他特筆すべき事項(共同声明や新聞等で報道されたもの等)
特になし。
7 会議の模様
総会参加者は、総勢65名であった。その構成はICMI(International Commission on Mathematics Instruction)の理事・役員が11名、IMU (International Mathematics Union)から会長はじめ3名、ICMIの各国代表者が34名、そしてICMIの 下部組織研究団体の代表者が17名であり、この内訳自体が本総会の性格を端的に表している。
総会冒頭で会長であるWilliam Barton氏が、この総会の趣旨を説明し、各組織および国代表者としての責任と自覚を促したことから、活発な総会となった。
各国の数学教育カリキュラムを集めてデータベース化する企画があり、各国から強い関心が示された。また、4年ごとに開催される数学教育国際会議の情報をアーカイブ化する企画も進んでいて、各国への協力要請がなされた。
数学教育国際会議(ICME)の在り方が議論され、研究者だけでなく現場教師をより多く参加させるべきとの意見が多くだされた。研究者と教育現場教師との連携が求められている実態が国際レベルで確認でき、印象深かった。
一方、研究者集団としての機能についても、より一層の活性化が求められ、テーマを決めて出版しているICMI Studyシリーズの現状と評価について種々の意見交換がなされた。次のICMI Studyは第22号となり、TASK DESIGN IN MATHMATICS EDUCATIONがテーマとなっている。すでに論文の投稿が始まっており、日本からも数本の論文が投稿されている。査読を経た論文についての発表集会は2013年7月22日~26日、英国ロンドンで開催される予定であり、積極的な参加要請があった。
次回開催予定2016年 7月23日 ドイツ ハンブルク市にて開催予定