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代表派遣会議出席報告
1 名 称   第18回国際自動制御連盟世界会議(IFAC 2011)
        (The 18th World Congress of the International Federation of Automatic Control (IFAC 2011))
2 会 期  平成23年8月28日 ~9月2日(6日間)
3 会議出席者名(代表)  佐野 昭(慶應義塾大学名誉教授、IFAC分科会委員長)
                 片山 徹(同志社大学教授、IFAC分科会委員)
4 会議開催地  ミラノ市、ミラノ・カソリック大学(イタリア)
5 参加状況(参加国数、参加者数、日本人参加者)
   世界会議に関しては、73か国から2826人が参加した。日本からは204人(登録者数)が参加し、国別では、フランス、イタリア、ドイツに次いで、4番目であった。
6 会議内容

   ・日程及び会議の主な議題
     (1) IFAC世界会議(IFAC Congress 2011)の日程と概要:
      IFAC世界会議は3年毎に開催され、1960年以降18回目を迎えた。IFAC Presidentは、A. Isidori教授(ローマ大)、IPC とNOC Chairは、S. Bittanti教授(ミラノ工科大学)がそれぞれ務めた。
      8月28日(日)夕方:開会式とウエルカム・レセプション(ミラノ国際会議場(MiCo))
      8月29日(月)~9月2日(金)までの5日間:ミラノ・カソリック大学において、さまざまな分野における制御科学と制御技術に関する学術的研究成果の発表が,341セッションの一般および招待セッション(1セッション6件の論文発表)と
     9セッションのポスターセッションで26トラックに分かれて行われ、その他、基調講演9件、パネル基調講演1件、パネル討論3件、文化セッション4件なども実施された。
      9月1日夜:バンケット(MiCo)
      9月2日夕方:閉会式とフェアウエル・レセプション(ミラノ・カソリック大学)
      ミラノの中心部に位置するカトリック大学は、中世風の緑の中庭が二つあり、歴史の古さを思わせる大学であった。なお、世界会議に先立ち、6件のワークショップと4件のチュートリアルも8月27日と28日の両日に行われた。
     (2) 役員会の日程と概要(括弧内は出席したIFAC分科会委員ほか):
      8月26日(金):出版、政策(原委員)、顕彰(片山委員)、財務などの各委員会において、今期3年間の詳細な活動報告と課題について審議
      8月27日(土):今期最終技術役員会(Outgoing, 片山委員, 佐野委員長, 浅野氏)および今期最終執行役員会(Outgoing)の各役員会において、今期の活動報告
      8月28日(日):今期最終理事会(Outgoing, 木村委員)において、今期の活動報告と将来課題について審議
      8月30日(月):世界会議の際に開催される総会(佐野委員長, 木村委員, 原委員, 片山委員)において、会長および各役員会の活動報告、財務報告、加盟金値上げ議案、新規加盟申請、次期人事体制、などに関する審議と議決
      9月1日(木):各CC委員長、各TC委員長に対する教育セッション
      9月2日(金):次期技術役員会(Incoming, 佐野委員長)および次期執行役員会(Incoming, 片山委員)において、次期2011~2014年に向けた将来課題や活動方針などの審議
      9月3日(土)午前:次期理事会(Incoming, 原委員)において、次期の3年間の目標と活動方針などの審議

   ・会議における審議内容・成果
     (1) 世界会議に関する内容・成果
      投稿論文数は3629件、採択論文数は2478件であり、採択率は68%であった。採択論文の内訳は、口頭発表が2030件、ポスター発表が448件である。採択された論文数を研究分野別で見ると、制御システム設計(29%)、システムと信号解析(21%)、
     メカトロニクス・ロボティクス(13%)、産業システム(12%)、輸送・自動車(9%)、バイオ・生態システム(6%)、製造システム(5%)、コンピュータ・認知・通信(3%)、社会システム(3%)である。前回のソウル大会(2008)では、ロボティクスとその応用分野に
     焦点を当てたセッションが多く見られたが、今回はこの分野の割合が減少していた。一方、スマートグリッドなど電力・エネルギー分野の将来に向けて、制御システム設計の視点から新しい試みやアプローチについての研究成果が数多く発表された。
     さらにマルチエージェントシステムや大規模ネットワーク系の制御理論と応用,システム生物学と制御理論の融合,社会に関わる課題解決への制御システム論に基づいたアプローチなどにも大きな進展がみられ、今後のさらなる展開が期待される。
     (2) 総会、理事会、各役員会の審議内容の概要
      ここでは、総会(8月29日)における審議内容のみを述べ、その他の理事会や役員会における審議内容については、2.会議の模様 に記載する。
      総会は、3年ごとに世界大会のときに開催されるIFACの最高議決機関であり、議決に対しては、会員国がそれぞれ1票の投票権を行使できる。佐野委員長、木村委員、原委員、片山委員が出席した。議題として、Isidori会長による今期の全般的な
     活動報告、技術役員会委員長によるTB活動の評価報告、執行役員会委員長による政策委員会、出版委員会、顕彰委員会、IFAC事務局の活動報告、加盟国の加盟状況に関する報告、財務報告、インドの新規加盟申請、分担金の値上げ、人事など
     に多岐にわたる。
      以下は議決事項である。インドの加盟申請を承認し、この結果今期(2008~2011)に加盟承認されたチュニジア、ペルー、コソボに加えて、加盟国はこれまで最大の52ヶ国となった。今期の会長報告,技術役員会委員長,執行役員会委員長による活
     動報告を承認した。さらに、各カテゴリの分担金(加盟金)の20%引き上げに関して、15年間分担金は据え置かれているが、IFACの活動(PapersOnLine出版、IFAC基金事業、IT化など)の拡大に伴う経費増、Cash Flowが負となり構造的な赤字を生みだ
     している、この間の物価上昇率は35%であり20%は順当で現時点で手を打つことが必要、などの理由が財務理事から説明され、これに対して、紙ベースのNewsletter配布の中止による経費削減、IFAC主催会議のオーガナイザから一定額を収める方法、
     世界大会の剰余金の一部の納入、収入増に繋がる新事業の開拓など、さまざまな意見が出された。これらの意見を関連委員会で検討することになったが、分担金の増額に関する投票結果は、賛成29ヶ国、反対3ヶ国、棄権5ヶ国となり、承認された。
     この結果、日本の分担金は12,000 Euro(カテゴリ1)となった。さらに、次期(2011~2014)の役員人事についても承認され、この結果,日本からは,原辰次氏(東大)が理事(Council),片山徹氏(同志社大)が顕彰委員会委員長,浅間一氏(東大)が技術
     役員会委員(CC7担当),野口伸氏(北大)と石井秀明氏(東工大)がそれぞれTC委員長に就任することが承認された。

   ・会議において日本が果たした役割
     (a) 開会式では、IFAC最高の賞であるQuazzaメダルが木村英紀委員に授与され、IFAC Advisorにも就任された。また、バンケットでは、片山徹委員と原辰次委員へIFAC Fellowが授与された。
     (b) IFAC世界会議については、発表プログラム編成に関して、日本からは、野口伸氏(北大)、橋本秀紀氏(東大)、浅野一哉氏(JFE)らがTC委員長として協力した
     (c) 国別では、採択論文数では5位、参加者数では4位に入るなど、日本は常に5位以内にあり、日本の研究者は制御科学と制御技術の発展に継続的に貢献して来ている。
     (d) シングルセッションで行われた基調講演5件の中で、トヨタ自動車の嵯峨宏英氏が、「Energy management of Toyota Hybrid System」と題した基調講演をされ、先駆的なハイブリッド車のエネルギー制御に関わる制御技術の側面まで踏み込んだ
    講演をされ、参加者に大きな感銘を与えた。
     (e) 8月30日に、IFAC分科会は、米国、ドイツ、オランダと4ヶ国共同主催のIFAC Friendship Evening Dinner Receptionを開催し、200名近い今期と次期のIFAC Officersなどを招待した。そこでは、日本のIFAC活動の歴史と現状を紹介した英文小冊子
    ”IFAC in Japan”と、今後の制御の新しい将来ビジョンを纏めた英文パンフレット”Future Vision in Control: Design and Realization of ‘Sustainable Society Harmonized with Nature’ Led by Control”などを配布し、招待者に向けた広報活動を積極的に行った。
    特に、後者は、これからの制御が取り組むべき課題や対象が社会や人間に関わるための新しいアプローチの姿を原委員が纏めたもので、早速その場で、ヨーロッパで開催の国際会議の特別講演の依頼を受けたり、EUの研究基金が研究費の提供先と
    して強い関心を示していた。
     (e) 9月3日に開催された新理事会において、来年のIFAC理事会、各役員会、各委員会(IFAC Council & Related Meeting 2012)を日本(岐阜:長良川国際会議場、IFAC MMM2012と併設)で開催することが決定された。IFAC分科会では受け入れ体制を
    早急に検討することになった。
     (f) IFACの主要な理事会、役員会などについても、木村英紀氏(理研)、片山徹氏(同志社大)、原辰次氏(東大)、池田雅夫氏(阪大)などが各役員として、IFAC活動に大きく寄与してきた。
   ・その他特筆すべき事項(共同声明や新聞等で報道されたもの等)

7 会議の模様
   (世界会議に関して)
      世界会議における発表は,基調講演、口頭発表,ポスター発表,パネル討論などを通して行われた。
      シングル・プレナリー講演は、次の5件
       ・Peter Terwiesch (ABB Ltd.), Closing the loop: an industrialist’s perspective on the present and future impact of control”
       ・Anders Lindquist (KTH), On moment problems in robust control, spectral estimation, image processing and system identification
       ・Paul K. Houpt (GE), Smart grid and renewables integration: controls challenges and opportunities
       ・Carsten Scherer (Univ. Stuttgart), Dissipation-based controller synthesis: successes and challenges
       ・Koei Saga (Toyota Motor Co.), Energy management of Toyota Hybrid System
      が行われた。日本からは嵯峨宏英氏(トヨタ自動車)が基調講演をされた。
      さらに、パラレルプレナリー講演は次の4件が行われた。
       ・Laurent Praly, On observers, a meeting of many view points and applications
       ・Brett Ninness, Computational system identification
       ・Alexander Kurzhanski, Closed-loop control under realistic information
       ・David B. Doman, Towards insect-like maneuverability of flapping-wing micro air vehicles
      最終日の最後には、Historical Plenary Lectureが行われ、1960年モスクワで開催された第1回IFAC世界会議に参加したR. Kalmanを始め著名な5名の講演が行われた。
      また、次の3つの興味あるパネル討論も行われた。
       ・The Impact of Control Technology: Overview, Success Stories, and Research Challenges
       ・Energy and Environmental Challenges in Emerging Regions. Opportunities for Control and Monitoring Technologies
       ・Preparing Tomorrow’s Scientists and Engineers for the Challenges of the 21st century
      発表内容の状況は,制御理論分野が50%, 制御技術分野(情報技術やメカトロ技術)が16%,応用分野(製造・物流,電力・鉄鋼・化学プロセス,自動車・運輸・宇宙,社会経済システム,環境システム,農業,医学,など)は広範囲にわたっており33%であった。
     制御工学は、制御理論だけでなく、情報通信、メカトロ・ロボティクス、電力、鉄鋼、化学、自動車、宇宙、環境、農業、医学など広範囲の応用分野でさまざまな貢献をしていることが窺える。これがIFACの大きな特徴であり、独自性といえる。ただ、産業界
     からの論文が10%程度であり、IFACとしても産業界のニーズを的確に捉えてそれを展開していく仕組みを構築していくなど、産業界との連携を強化していく必要がある。
      最後に、今回のIFAC世界大会の統計について触れておく。さて、採択論文数を連絡先著者の国別で見ると、フランス(300)、イタリア(220)、米国(204)、ドイツ(175)、日本(160)、中国(160)、イギリス(117)、オーストラリア(100)、ロシア(98)、スペイン(85)、
     スエーデン(75)、カナダ(66)、ブラジル(62)、オランダ(61)、メキシコ(41)、ベルギー(36)、チェコ(35)、ポルトガル(34)、イラン(32)、トルコ(27)、スイス(27)、韓国(27)、・・・などである。前回のソウル大会と比較すると、中国、韓国、日本などアジアからの
     論文が減少の傾向にあった。
      一方、登録参加者数は2826名であり過去最高となった。これまでの参加者数の経緯を見ると、ソウル大会(2741)、プラハ大会(2462)、バルセロナ大会(2011)、北京大会(1466)、サンフランシスコ大会(1998)、などである。今回の参加者を国別に見ると、
     フランス(315)、イタリア(308)、ドイツ(227)、日本(204)、米国(203)、中国(146)、イギリス(123)、スエーデン(107)、スペイン(99)、ロシア(98)、オーストラリア(87)、オランダ(70)、カナダ(66)、ブラジル(61)、韓国(51)、スイス(43)、ベルギー(43)、チェコ(42)、
     フィンランド(35)、メキシコ(34)、・・・などである。日本は、採択論文数や参加者数で常時5位以内にあり、制御理論・制御応用の分野で継続的に貢献しているといえる。

   (理事会、役員会などについて)
      (a) 今期最終技術役員会(8月27日):
      議題は、過去3年間の活動を総括する委員長報告と各委員からの報告、Technical Boardの再編成である。TB委員長不在のため、異例ではあったが、副委員長のBoverie(仏)が議事進行を行った。まず9のCoordinating Committees (CC)の委員長報告があり、
     TC4.4 の廃止が決まり、TC4.5 とCC3 の技術委員会の再編成については今後の検討事項となった。副委員長のBoverieは産業界からの委員であり、IFACの産業界との関係を強化する取り組みについて経過報告を行った。IFACの活動を企業のトップに知って貰い、
     企業の意思決定にも役立てることが可能ではないかなど、多くの意見が出たが、具体的な実施案については検討課題となった。続いて、CC9 Social Systems の今後の改変についてCC9委員長から名称をSocial Systems and Cybernetics として活動を活性化する
     べきであるという報告がなされた。次に、IFAC World Congress 2011 の委員長 Bittanti教授から投稿論文等に関する概要が説明された。論文投稿数は3629、総採択論文数は2478 (採択率68%)、国別採択論文数、採択論文の分野別比率などが報告された。
     昼食後、出版委員会からの報告があり,会議論文の投稿システムとしてのPaperPlaza について議論した。
      (b) 今期最終の執行役員会(8月27日):
      政策委員会、出版委員会、顕彰委員会、総務・財務委員会からそれぞれの活動状況が報告された。特に、出版委員会では、IFAC主催のイベントでの論文投稿システムを迅速化、簡略化するためのタスクフォースを立ち上げ、今年中に結果を示すことが報告された。
     また制御に関する情報リソースをWeb上に蓄積し公表する方向で準備を進めていること、雑誌論文と会議論文との違いを明確にする方向でコピーライトの変更などを進めていることなどが報告された。
      (c) 今期最終理事会(8月28日):
      会長報告として、会員国が48から51へ増加(インドについては総会議決予定)、Papers OnLineは3年前にスタートして以来2005~2010年に行われた3つのWC,93のTechnical Meetingの論文をアップロード、約5万ユーロ/年を使ったこと、38名のFellowを3年間で
     顕彰したこと、財政は構造的な赤字であり、会費値上げを総会で提案すること、などが報告された。執行役員会委員長報告では,政策委員会において、産業界の参加を強めるための方策や、剽窃の関する倫理コードの策定などが議論され、タスクフォースを作るこ
     とが報告された。出版委員会においては、Mathematical review へ論文を送ることの再開を決定したこと、PapersOnLine の強化、インパクトファクター評価やサイテーションインデックスへの登録のためのタスクフォースの設置などが報告された。顕彰委員会におい
     ては、Fellow推薦のためのSearch Committeeを設置することが提案された。総務・財務委員会では、2人の事務局員(Barbara & Ernestine)が来年度退職予定であり、新事務局員(E.Haberl)の紹介、事務局経費などについての説明がなされた。さらに、Prof. Guzzelaに
     より会計報告があり、現状の資産は約120万ユーロであること、詳細は総会で審議することなどが報告された。Prof. AlbertosよりIFAC基金に関して、2つのRegional Activityを行なったこと(南アメリカと東南アジア地域)、拠金をさらに募集予定すること、Elsevier が
     興味を示していること、次期のBoTメンバーを決める予定であることなどが報告された。次に、技術役員会の委員長Prof. Mareelから、論文数からみたIFACのTechnical Activityの6割はCC1とCC2、ほかの7つのCCが残り4割、CCの中で全く活動していないところも
     あることや新しいCCのマトリックス構造(お話だけ)などについての説明がなされた。Craig次期会長からは、Council Member、役員会の委員長などNMOからの推薦(総会の2年前)に基づいてSelection Committeeで行ったことなどが報告された。
     また、IFAC Congress 2014および同2017の準備進捗状況が、Craig次期会長、Zaytoon次次期会長から報告された。最後にCraig次期会長からIsidori会長へ謝辞が述べられた。
      (d) 今期新技術役員会(9月2日):
      会議論文の投稿システムとしてPaper Plazaの利用を義務づけ、国際会議のProceedingsの発行の迅速化を図る方向で検討。さらに、PapersOnLine掲載の会議論文のサイテーションインデックス(ISI, Scopus, Google Scholarなど)とリンクさせることを早急に進めること
     が議論された。また、産業界からの参加や連携を促進するための方法、産業界のニーズに応えるためには、IFAC活動を可視化することも必要、などが議論された。CCの全体構造をマトリックス状にし、横断的なTCとして、教育、ネットワークなどをおく構造がMareelsに
     より提案されたが、議論百出でまとまらなかった。今後の課題となった。最後に、CC2にTC on Distributed Parameter Systemsを新設することが決定された。
      (e) 今期新執行役員会(9月2日):
      R. Roger(委員長),K. Schlacher (IFAC Secretary),J. Zaytoon (庶務,財政委員長),片山(顕彰委員会委員長),P. Misra(政策委員会委員長),D. Dochain(出版委員会委員長)が出席。委員長から8月27日の Outgoing EB の議論や結論をかいつまんで説明。
     雑誌のImpact Factor の向上、新論文投稿システム、雑誌論文と学会発表論文の違いの明確化、Web によるFellow 推薦手順などである。ついで、各委員会の今後の計画・方針について説明があった。政策委員会では、IFACの知名度の向上,Web出版,論文の
     剽窃に対する倫理規定,発展途上のMNOの支援などを採り上げていく。出版委員会では、PapersOnline,No-show論文の扱い、雑誌論文と学会発表論文の違いの明確化、Journal on Space Technology をIFACの雑誌に追加、制御教育委員会TC9.4で検討されて
     いる制御に関する情報リソースのWeb発行の推進などが課題となった。 顕彰委員会では各種選定委員会の委員の構成についての今後の予定を報告。庶務,財務委員会では新しい出納官,事務局事務員の退職と新規採用,事務局の改修とその予算の見積もり
     などが報告された。
      (f) 今期新理事会(9月3日):
      Craig新会長から、約20年前にBrian Anderson会長が行ったようにIFACの改革を行うことが表明され、プロセス1として、IFACのビジョンと使命に関する将来シナリオを策定するタスクフォースを作り、この結果を2012年のCouncil Meetingで議論すること、プロセス2
     として、それを具体的に実現するためのシステムや制度を構築するために別のタスクフォースを作り、2013年のCouncil Meetingで議論すること、などが決定された。その他、個別の各委員会の課題として、技術役員会では、PapersOnLineの論文投稿にPaper Plaza
     を利用することにより効率化を図るシステムを構築するタスクフォースを提案、さらにサイテーションインデックスとのリンクを早急に確立すること等が将来課題となった。政策委員会では、産業界との連携強化の方策、剽窃に関する倫理規定、小さなNMOが複数で
     国際会議の実施が可能になる新しい制度、複数の発展途上国が一つのNMOとして機能できる制度、などの実現が将来課題となった。今回も、アラブ首長国連邦、パキスタン、マレーシア、イランなどが既に加盟に関心を示しており、オブザーバとして、ニュージー
     ランド、イラン、キプロス、タイなどが総会にも招待されている。IFACとしてもNMOを増やし、活動を拡大していく方針をとるための制度改革を検討することになった。
      さらに、顕彰委員会の各賞の選考委員長の他、Major Award選考委員会、Fellow選考委員会の委員構成を決定した。最後に、来年のIFAC Council & Related Meetings 2012を日本(9月10~12日、長良川国際会議場でのIFAC MMM2012と併設)で開催すること
     が決定された。これにより、IFAC分科会では早急に受け入れ体制を整えることになった。

   次回開催予定:
    (1) IFAC Council & Related Meetings 2012 (理事会および関連役員会):2012年9月10日~12日(日本、岐阜市 長良川国際会議場, IFAC MMM2012開催時)
    (2) IFAC Council & Related Meetings 2013 (理事会および関連役員会):2013年7月(Zurich, SwitzerlandにてEuropean Control Conference開催時)
    (3) 第19回IFAC世界会議:2014年8月24日~8月29日(6日間) 南アフリカ・ケープタウン市


      
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