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代表派遣会議出席報告
1 会議概要
1)名 称 (和文) 2009年度海洋研究科学委員会(SCOR)執行理事会
      (英文)  2009 SCOR Executive Committee Meeting
2)会 期 平成21年10月20日?22日(3日間)
3)会議出席者名 池田 元美
4)会議開催地  中華人民共和国 北京市 China People’s Palace
5)参加状況(参加国数、参加者数、日本人参加者) 15カ国、25名、日本人1名 
6)会議内容

・日程及び会議の主な議題、会議における審議内容・成果
 現存ワーキング・グループの報告と措置
 新規ワーキング・グループへの申請選考
 大型国際共同研究(GLOBEC、GEOHAB、IMBER、GEOTRACES、SOLAS)の報告
 政府間機関(IOC、PICES、ICES、GESAMP)との共同取組み
 非政府機関ICSU(IGBP、WCRP、SCAR、SCOPE)とは特に緊密な関係
 IUGG付属組織(IABO、IAMAS、IAPSO)
 付属プログラム(CoML、iAnZone、IMAGES、InterRidge、IOCCG、Ocean Mixing Processes)およびその他の組織(POGO、AOSB)について報告
・会議において日本が果たした役割
  採択された申請のひとつは「アガルハス海流の気候変動への役割」、もうひとつは「沿岸生態系における植物プランクトン分布の時系列解析」である。特に前者は全球海洋循環の一節を担っている同海流が、気候変動に伴ってインド洋から大西洋への流量を変え、北大西洋の深層水形成を変化させると提案しており、日本の研究グループも共同研究者に入っている。
2.会議の模様
 中国がSCORに参画して25年になる記念式典の開催で始まった。Chen博士(中国、国家海洋局・SOA)から中国の海洋研究の進展と現状についての報告を交え、歓迎のあいさつがあった。持続可能な海洋開発という言葉を使って中国政府の基本姿勢を示したが、その一方で中国を途上国の一部に位置付けることによって、先進国との責任の違いを強調することは忘れなかった。
  E. Gross前事務局長とSu Ji-lan教授が25年前に中国が参画した時のいきさつを回顧した。台湾がメンバーに入っていた状態で、中国もメンバーになることは大きな障害を伴ったが、SCORが規則を変え、特別に認めた場合は1国から複数のメンバーが参加できることとし、中国の参加が可能になった。現在はHong博士を副議長に出しており、中国のSCORメンバーの報告によれば、歴代130を超えるWGの中で3つのWGに代表か副代表を出している。
  SCORの組織についての報告では、韓国がメンバーに戻って来たことが特に歓迎される。来年は副議長などの選挙を行うので、積極的に立候補してほしい旨の要望が出された。
 海洋研究の幅の広さだけでなく、地球規模の環境変化が深刻になりつつある現状において、SCORの役割はますます高まっており、我が国の学術会議を中心とする組織的取組みを促すものである。
 次回開催予定 
  今後の会合について、2010年総会をフランスのトゥルーズで9月に開催する。昨年と同様、若手研究者の参加を促すプログラムが計画されるよう望むところである。2011年幹事会をフィンランドで、2012年総会をカナダのハリファックスで開催することが提案、承認されている。

次回開催予定 平成22年9月
   


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