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代表派遣会議出席報告
1 会議概要
1)名 称 (和文)国際結晶学連合・理事会
       (英文)Executive Committee of International Union of Crystallography
2)会 期  平成21年 7月31日?8月2日(3日間)
3)会議出席者名 大橋 裕二
4)会議開催地 カナダ国トロント市
5)参加状況 10カ国10名の理事全員が参加した。日本からは大橋裕二理事が前会長の資格で参加している。
6)会議内容
  ・日程及び会議の主な議題:

    日程:会期中、朝9時から夕方6時まで議題に沿って議論する。
    主な議題:(1)2008年度活動報告(学会誌等の出版事業の報告、18分科会、地域学会、IUCrの参加団体の活動報告、 若手支援事業委員会の報告)
             (2)Ewald賞委員会の発足
             (3)定款改正の準備
  ・会議における審議内容・成果:   
   (1)昨年から一部の学会誌がオープンアクセスジャーナルとしたが、 その結果、投稿数も順調に伸びていて、財政基盤も確立した。
   (2)来年度から若手援助を年に15万ドルまで拡大できる。
   (3)総会での長時間の役員改選の方式を改めることを検討した。
   ・会議において日本が果たした役割:    
     日本から理事会には前会長として私が参加しているだけであるが、日本の役割を主張するのではなく、国際結晶学連合の活動全体を見渡して発言する必要があるので、とくに自国のことを発言する機会はない。
    ただし、大半の理事は欧米諸国出身であるので、開発途上国の立場を重視して発言した。
  ・その他特筆すべき事項:   
    とくになし

2.会議の模様
  昨年8月、大阪で開かれた総会と大会(IUCr2008)で改選された理事会の最初の会議であるので、今期の理事会で検討すべき課題を整理することが最も大きな主題であった。Sine Larsen会長の意向は、会議の運営は定款に沿って行われてきたが、現状が定款と矛盾することも多くなってきたことから、改正すべき点を明確にしたいという方針である。とくに役員改選の方法を中心に検討することとした。
  前期に、8つの学会誌のうちの1誌Acta Crystallographica Eを著者が投稿料を払い、読者は無料で読める、オープンアクセスジャーナルに変更したことについて検討した。投稿数も大きな変動がなく、アクセス数も多いので、オープンアクセス化は成功したと言える。この結果、学会誌出版の費用負担が大幅に改善された。今後、残りの雑誌の体制も見直すこととなった。
  国際結晶学連合は、アメリカ、アジア、ヨーロッパの3つの地域結晶学会と密接な連携をとっているが、今後、地域結晶学会の代表を理事会に投票権のない委員として招く体制を検討することとした。
  次回の理事会の開催地で議論があり、理事会は地域結晶学会の前後に開くというこれまでの方式を踏襲し、地域結晶学会は3つの地域を順番に回すことを確認した。この結果、次回はアジア結晶学会の前に開くことになり、アジア結晶学会が開かれる韓国釜山で開くこととした。小規模な結晶学会しか存在しない韓国結晶学に大きな影響があると思われる。   

  次回開催予定
   2010年10月28日?30日  韓国・釜山市
                            

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